平成28年度 二級建築士学科試験 総評

本年度試験のポイント

平成28年度試験においては、例年同様、新傾向・新技術・法改正を含む出題が見られた一方で、図の読み取りや公式に関する内容など、目新しい問題も目立ちました。実務的な問題や、1級建築士試験で問われる難易度の問題もあり、単なる暗記にとどまらない受験生の深い知識が試される問題であったと考えられます。

平成27年度と比較すると、学科T(建築計画)及び学科U(建築法規)は、取り組みやすい問題が多かったと推察されます。学科V(建築構造)は昨年と同レベルの難易度だと考えられます。また、学科W(建築施工)は学科T・Uと同じく、学習を十分に行った受験生にとっては、比較的取り組みやすい内容であったと考えられます。

[正答肢が初出題(※)の問題数]

  学科T
(建築計画)
学科U
(建築法規)
学科V
(建築構造)
学科W
(建築施工)
合計
平成28年度 8問 7問 6問 10問 31問
  • ※過去11年間の試験で出題されていない内容を「初出題」と定義しています。

【学科T(建築計画)】

各分野の出題数は、「建築史」から2問、「計画原論」から8問、「計画各論」から8問、「建築設備」から7問であり、昨年と同様でした。

  • 建築史(No.1〜2):西洋建築史と日本建築史が1問ずつ出題されました。No.1は、西洋建築史の5つの建築様式の代表例を年代順に並べるという新しい出題形式だったため、解答に時間がかかる問題であったと考えられます。
  • 計画原論(No.3〜10):過去には例のない出題形式の問題もあり、難易度はやや高かったと考えられます。特にNo.7は、太陽の動きをイメージして室内にどのように直射日光が入るのかを判断する必要のある問題でした。基本的な内容を理解した上で、もう一歩踏み込んだ知識が問われました。
  • 計画各論(No.11〜No.18):数値を問う問題が多く出題されましたが、正答肢は判断しやすい内容でした。例として、No.13のレンタブル比の計算は、問題文と図をよく見て計算すれば、正答を導き出せる問題でした。No.15の選択肢5、No.16の選択肢4は、いずれも法律で定められている1人あたりの必要面積を理解した上で、正しく計算を行えるかを問われる出題でした。No.17では、数値だけで判断するのではなく、車椅子の高さや回転スペースなどの図を描くことで、より正しい判断をすることができたと考えられます。
  • 建築設備(No.19〜No.25):設備の方式や、用語に関する正確な知識が必要とされる内容でした。特に、No.19は建築設備に関する略語とその説明の組合せの問題であり、新規の用語に惑わされることなく正答肢を判断できるかが問われました。

<新規出題のキーワード>

No.10-1 暖房デグリーデー、No.12-4 誘導居住面積水準、No.16-2 小児用病室、No.16-3 機械式立体駐車場、No.19-1 MRT、No.19-2 SHF、 No.25-3 潜熱回収型給湯器

【学科U(建築法規)】

各分野の出題数は、「建築基準法」から20問、「関係法令」から5問であり、昨年と同様でした。
全体として、各条文の主旨・基本をしっかりと理解していなければ正解できない問題であったと考えられます。また、これまでと異なる出題形式の問題も出題されました。

・No.7(構造計算):正答肢1は、令第84条の表の読み取りを行う必要があります。
・No.9(避難施設等):選択肢3は、令状121条第一号〜第五号に該当せず、第六号のロにも該当しないので、2箇所以上の直通階段を設ける必要はありません。

  • 建築基準法(No.1〜No.20):計算問題が例年よりも少なくなっており、No.15(容積率)、No.18(高さ制限)の2問が計算問題として出題され、その他18問は文章問題として出題されました。
  • 関係法令(No.21〜No.25):出題構成としては、「建築士法」から例年通り2問出題され、「建設業法」と「建築物の耐震改修の促進に関する法律」がそれぞれ単独の問題として出題されました。関係法令の融合問題は1問でした。
  • No.6(構造強度)、No.16(建ぺい率・容積率)、No.17(日影規制)、No.19(防火地域・準防火地域)、No.21(建築士法)などは、正答肢自体は基本的な内容でしたが、条文を引きにくい選択肢や、言い回しが過去問と異なる選択肢など、判断を迷わせる正答肢以外の選択肢に引っ張られずに解答できたかどうかがポイントでした。

<新規出題のキーワード>

No.5-3 第三種ホルムアルデヒド発散建築材料、No.13-3 自家用の倉庫、No.16-2 エレベーターの昇降路、No.16-3 自家発電設備、No.22-4 重要事項の説明、No.24-1 基準適合認定建築物、No.24-3 要安全確認計画記載建築物、No.24-4 通行障害建築物、No.24-5 通行障害既存耐震不適格建築物

【学科V(建築構造)】

各分野の出題数は、「構造力学」から6問、「一般構造」から13問、「建築材料」から6問、であり、昨年と同様でした。
No.10〜No.12の『木質構造』に関する内容は、正答肢がいずれも初出題である上に、用語の定義や数値に関する内容であったので、戸惑う受験生が多かったのではないかと考えられます。

  • 構造力学(No.1〜No.6):No.2(応力度)は、与えられた式から引張応力度と曲げ応力度を合成して正答を導く問題ですが、A点の断面下端が曲げ引張側(M/Zの符号が「+」)であることを理解していたかどうかがポイントであったと推察されます。
  • 一般構造(No.7〜No.19):No.15(鉄筋コンクリート構造における配筋等)は、正答肢5の「鉄筋相互のフックの最外端間の距離」を、図示するなどしてイメージできたかどうかがポイントでした。また、選択肢2は一級建築士試験でも出題されたことがない内容であり、柱の帯筋比(せん断補強筋比)は0.2%以上であるという印象が強いため、誤答しやすい内容であったと推察されます。
  • 建築材料(No.20〜No.25):No.21(コンクリートに使用する混和剤の効果)は、様々な種類の混和剤で1問が形成される新しい出題形式でした。

<新規出題のキーワード>

No.10-1 回り縁、No.10-4 谷木、No.12-3 大入れ蟻掛け、No.15-3 付着劣化、No.16-5 埋め込み形式柱脚、No.20-2 CLT(直行集成板)、No.21-1 高性能AE減水剤、No.21-2 減水剤、No.21-3 収縮低減剤、No.21-4 流動化剤、No.22-1 再生骨材、No.24-3 顔料系オイルステイン、No.25-2 粘土がわら

【学科W(建築施工)】

各分野の出題数は、「契約・計画・管理」から5問、「各部工事」から18問、「その他」から2問でした。
過去によく出題されている選択肢と、初出題の選択肢や過去問から発展させた選択肢が混在して出題されていたため、過去問の内容について、正誤を確実に判断できることはもちろん、実務の知識や細かい数値の確実な暗記も求められる出題でした。

  • 契約・計画・管理(No.1〜No.4、No.25):No.2(申請・届出)では、選択肢2の「機械等設置届」や選択肢5「特定元方事業者の事業開始報告」が初出題でした。
  • 出題形式は、契約・計画・管理が5問、各部工事が18問、その他が2問出題されました。その中で正答肢が初出題となった問題は9問でした。
  • 各部工事(No.5〜No.22):
    ・コンクリート工事に関しての出題であったNo.9の選択肢2とNo.11の選択肢1は、用語の定義や数値の規定についての正しい理解が問われました。

    ・No.13(鉄骨工事)の正答肢3やNo.20(内装工事)の正答肢4は、過去問の内容に加えて周辺知識も必要となる、発展形の内容でした。

    ・No.15(木工事の用語)、No.16(枠組壁工法)は、フラット35の仕様書(木造住宅工事仕様書)や公共建築木造工事標準仕様書から出題されており、木工事の実務に即した出題であったと考えられます。特に、No.15は高度な実務レベルの知識を備えていなければ、正答できない内容であったと推察されます。

    ・No.21(設備工事)の正答肢3は正誤の判断を行うために、告示に関する知識も問われる出題でした。
  • その他(No.23、No.24):No.24(建築積算の用語)は、用語に関する正しい理解が問われる出題でした。

<新規出題のキーワード>

No.2-2 機械等設置届、No.2-5 特定元方事業者の事業開始報告、No.11-2 アルカリシリカ反応、No.13-4 アークスポット溶接、No.15-1 ひき立て寸法、No.15-3 たいこ材、No.15-5 本ざね加工、No.21-4 メカニカル継手

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