平成27年度 構造設計一級建築士講習修了考査 総評

今年の修了考査の特徴

新規出題がおよそ8割程度と多く、過去問のみの学習では対応が難しい出題内容でした。特に、「構造設計者としての考え」が問われており、単に規定と照らし併せての判断だけでなく、構造設計者のあるべき役割を十分に意識した考えを記述することが問われました。また、規準式の誘導や構造力学からの理解を問う問題など、実務で使用する規準式の成り立ちについての正しい考え方や、原理原則からの理解正確な計算力が問われました。

特徴的な出題としては、熊本地震での被害を反映した出題や、地盤・基礎についての踏み込んだ出題が見られました。その他の特徴として、スケッチ等での解答はなく、文章記述力計算力が、しっかりと問われたといえます。

修了考査合格に求められるレベルは高まっており、ベースの考え方を正しく学んだ上で、昨今、留意するべき事項を十分に踏まえ、しっかりと計算と記述の解答トレーニングを行っておくことが必要です。

法適合確認

  • 木造と限界耐力計算に関してどちらも2年連続出題。傾向がはっきり変化
  • 「モデル化」についての出題が近年連続

構造設計

  • 4枝択一式では、構造力学2問が難問
  • 記述式では、熊本地震での被害に対しての考え方を問うものや、地盤・基礎の構造安全性の検討について実務的に踏み込んだ内容が出題された

法適合確認について(記述式5問)

出題傾向

木造と限界耐力計算に関してどちらも2年連続出題。傾向がはっきり変化

問題1は、平成26年に 法適合確認としては初出題だった木造の壁量計算に関する問題の発展形といえる問題であり、今回、許容応力度計算との対比について、「構造設計者としての考え」が問われました。
問題5は、昨年に続き、限界耐力計算に関する問題で、1質点系モデルへの置換についての理解が問われました。木造・限界耐力計算は、定番化することも考えられるため、十分注意する必要があります。

「モデル化」についての出題が近年連続

問題2では、一貫構造計算プログラムでの「モデル 化」の注意点が問われました。「モデル化」については、平成26年から3年連続で出題されており、今後も注意する必要があります。

出題傾向からの対策

構造種別問わず、構造関係規定について正しく理解し、計算できることに加え、モデル化の考え方や限界耐力計算についての理解など、高度な知識・理解も問われました。
従って、今後の対策では、構造種別を問わず全般に渡って、理解を伴った構造関係規定と構造計算方法についての学習が必要だと言えます。

構造設計について(4枝択一式20問、記述式3問)

出題傾向

4枝択一式では、構造力学2問が難問

bQ崩壊荷重、bR梁のたわみの構造力学2問は難問で、この2問に時間をとられてしまう危険性がありました。その他の問題については、答えの選択肢に新規の内容が目立ち、幅広い知識を習得しておく必要がありました。

記述式では、熊本地震での被害に対しての考え方を問うものや、地盤・基礎の構造安全性の検討について実務的に踏み込んだ内容が出題された

問題2では、熊本地震での被害に関連して、地震地域係数等についても「構造設計者としての考え」が問われました。今年の4月の地震に関しての出題であり、非常に早い対応でした。このような直近での話題にも十分注意する必要があります。

問題3では、直接基礎の設計について、具体的な地盤状況との関係を特に問われており、基礎の設計を行った経験がないと戸惑いやすい問題でした。杭打ちデータ改ざん事件の影響も出題の背景として考えられます。普段の実務で不慣れな分野も、設計方法を十分理解しておく必要があります。

出題傾向からの対策

力学の基本を正しく理解するとともに、幅広い知識を習得することが必要です。また、昨今、留意すべき事項を十分に踏まえ構造設計者としての考えを整理し、計算と記述の解答トレーニングを十分行うことが重要です。

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