令和元年度 一級建築士設計製図試験 総評

1級建築士設計製図の課題

令和元年度(10月13日実施) 設計製図試験のポイントを映像で解説

本映像では、10/13(日)に行われた令和元年度 1級建築士設計製図試験(課題名:「美術館の分館」)を当学院がいち早く分析し、試験の特徴や採点のポイントとなる部分についてわかりやすく解説いたします。

1.令和元年度課題の概要

(1)出題の概要

(2)計画に当たっての留意事項

  1. (1) 公園への眺望に配慮する。
  2. (2) 分館と本館との来館者の動線を適切に計画する。
  3. (3) 教育・普及部門の展示関連諸室とアトリエ関連諸室を利用形態に応じ、適切に計画する。
  4. (4) 断面計画において、要求室の天井高さ又は天井ふところを適切に計画する。
  5. (5) 日射負荷抑制が必要な室のガラスは、Low-Eガラスを使用する。
  6. (6) 乗用エレベーター及び人荷用エレベーターを適切に計画する。
  7. (7) 設備機器の搬出入及び更新に配慮した計画とする。
  8. (8) 建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、所定の防火設備を適切に計画する。また、防火区画(面積区画、竪穴区画等)が必要な部分には、所定の防火設備を用いて適切に区画する。なお、自動式のスプリンクラー設備等を設けないものとし、また、「避難上の安全の検証」を行わないものとする。
  9. (9) 地上に通ずる2以上の直通階段を適切に計画する。
  10. また、必要に応じて、「敷地内の避難上必要な通路」を適切に計画する。

2.課題で問われた内容

令和元年(10月13日実施)の1級建築士設計製図試験は、平成30年と比較しても、国から求められている「建築物の設計における基本的かつ総括的な知識及び技能」の有無がより強く問われた試験となりました。
特に課題文の文章量については、年々増加傾向となっており、昨年、初めて採用されたA2用紙の課題文が今年も同様に採用されました。
加えて、今年は、昨年まで課題文の左半分に収まっていた課題条件の一部(計画の要点等の設問)が、収まりきらず右半分に記載されました。
同様の傾向(課題分の文章量の増加)は今年の2級建築士製図試験でも見られ、今後も、この傾向は継続することが予想されます。

(1)要求室表の情報量の増加

今年の課題文における『要求室表』は過去に類を見ない情報量となりました。

〇面積(適切な広さ)
〇動線(室と室とのつながり)
〇室形状(室の使われ方)
〇天井高(適切な空間)等々

今年の課題では、複数のプランニングに制約を及ぼす条件を建築としてあるべき姿にまとめあげることが求められ、高い知識と技能が問われました。
社会のニーズの変化と共に、建築士に求められる資質は年々高まっており、このことと あわせて、今後も試験の難易度は高まっていくことが予想されます。

(2)計画の要点の補足図(イメージ図)の記入が『必須』の要求

令和元年は計画の要点にも大きな変化がありました。平成25年に初めて出題された『補足図(補足してもよい)=任意』が7年目となる今年から、ついに『必ず記入のこと=必須』となりました(下記、問題文抜粋の下線部参照)。これにより、補足図を「時間があったら描こう」といったように時間調整枠と考えていた受験生やイラスト等による簡易な説明を苦手とする受験生にかかる時間的、精神的負担は増加したと考えられます。

【答案用紙Uの問題文抜粋】
建築計画、構造計画および設備計画について、次の(1)〜(10)の要点等を具体的に記述する。なお、要求図面では表せない計画についても記述する。また、(6)、(7)及び(10)については、【イメージ図記入欄】に、該当計画に対する考え方等をイラスト、システム図等により必ず示したうえで、該当要点等を記述する。

3.出題の特徴(5つのポイント)

今年の課題攻略にあたっては、大きく下記の5つのポイントがあげられます。

  • 【1.周辺環境に配慮した計画】分館と本館との来館者の動線を適切に計画
  • 【2.利用形態に応じたゾーニング】教育・普及部門の展示関連諸室とアトリエ関連諸室
  • 【3.展示物等の移動に配慮した動線計画】荷解き室の搬入口から各展示室までの動線計画
  • 【4.自然採光、日射負荷抑制の計画】3層吹抜けの計画
  • 【5.建築基準法令遵守の計画】延焼のおそれのある部分、防火区画、避難計画

(1)周辺環境に配慮した計画

【課題文から抜粋】

敷地及び周辺条件

隣地から敷地へは自由に行き来できるものとする。

その他の施設

駐輪場については本館の「駐輪場」を利用するものとする。

留意事項

分館と本館との来館者の動線を適切に計画する。

計画の要点等

分館と本館との来館者の動線について考慮したこと

敷地の隣地条件(敷地図より)

北側:歩道付き16m道路。道路の反対側には公共駐車場。
東側:既存の美術館(本館)。本館の駐輪場は分館の来館者も利用する。
南側:眺望の良い公園(防火上有効な公園)
西側:眺望の良い公園(防火上有効な公園)

今回の課題では、課題発表時に提示された通り、既存の美術館(本館)の隣地が計画敷地といった設定になっていました。その上で、上記課題文(抜粋)のように、本館との行き来に配慮した計画が求められました。

特にアプローチ計画については、利用者のアプローチを北側道路から考えることがセオリーでしたが、敷地短辺のみ接道する「一面道路」に対し、「トラックヤード」、「HP2台、SP1台」などの外部施設も要求されているため、それらを適切な寸法で整理して計画する必要がありました。

(2)利用形態に応じたゾーニング

【課題文から抜粋】

展示関連諸室の段抜き条件

各展示室には、「前室(チケットの確認等)」及び「倉庫」を設ける。

創作アトリエ

屋上庭園に直接行き来できるようにする。

アトリエ関連諸室の準備室

アトリエA〜Dの共用として、1室設ける。

屋上庭園

3階の床レベル(2階の屋上)に、10m四方以上を確保し、150m2以上設ける。

留意事項

教育・普及部門の展示関連諸室とアトリエ関連諸室を利用形態に応じ、適切に計画する。

計画の要点等

「展示関連諸室」と「アトリエ関連諸室」のゾーニングについて考慮したこと

今回の課題の主要な部門となる『教育・普及部門』は大きく「展示関連諸室」と「アトリエ関連諸室」の2つに区分されており、上記課題文(抜粋)からも、これらの明快なゾーニングが計画のポイントになったと言えます。

考え方として、3階の床レベルに指定されている屋上庭園とアトリエ関連諸室の「創作アトリエ」の行き来を考慮すると、1・2階を展示関連諸室でまとめる形が、計画のしやすい構成だったと考えられます。
また、今回は建蔽率が60%かつ、敷地面積が1,536m2であったため、各階のフロア面積が小さくなる傾向がありました。その中で多くの特記条件(プランニングにおける制約)を整理・調整してまとめあげる必要がありました。
※今回の敷地面積1,536m2は、H23の介護老人保健施設の敷地面積1330m2以降、最小の敷地
あわせて、要求室等においても、多目的展示室(200m2以上)、創作アトリエ(計150m2以上)、吹抜け(40m2以上)、屋上庭園(150m2以上)といった面積下限指定も多かったため、プランニングについて平成30年と比較すると「やや難しかった」といえます。

(3)展示物等の移動に配慮した動線計画

【課題文から抜粋】

荷解き室

展示物等の搬入時に一時保管できるようにする。

計画の要点等

展示物等の移動に配慮した荷解き室の搬入口から各展示室までの動線について考慮したこと。

今回の課題の特徴の一つでもある「荷解き室からの搬入動線」については、課題文のT.設計条件には特に指定がなく、計画の要点の設問でのみ問われました。
この対応にあたって、全部で4室(多目的展示室、展示室A〜C)ある展示室すべてに管理ゾーンから直接搬入できる動線を確保することに固執すると、課題の難易度が格段にあがってしまいます。
まずは、全体のバランス(空間構成やゾーニング)を崩さないことを重視して割り切った計画を行う必要がありました。

(4)自然採光、日射負荷抑制の計画

【課題文から抜粋】

吹抜け

3層の吹抜けとする。
自然採光を確保する。

留意事項

日射負荷抑制が必要な室のガラスは、Low-Eガラスを使用する。

計画の要点等

  1. (5)吹抜け及びその周囲の空間において、多くの自然光を取り入れるために、平面・断面計画や開口部について工夫したこと
  2. (6)公園への眺望(西面及び南面)や自然採光を確保しつつ、冷房時の日射負荷抑制を図るために、窓面の配置と大きさ及び日射遮蔽手法等について工夫したこと(Low-Eガラスによる工夫を除く。)

課題発表時に事前告知されていた「空調負荷の抑制」や「自然光の利用」については、主に3層の吹抜けと計画の要点で出題されました。
特に要点の設問(6)では、「Low-Eガラスによる工夫を除く。」といった条件が付加されていたため、庇やルーバー等の具体的な手法を記述と図示で示す必要がありました。

(5)建築基準法令遵守の計画

今回も平成30年に引き続き、「延焼のおそれのある部分」、「防火区画」については『防火戸表示』が出題されました。平成30年は、「不十分な解答が多かった」と試験実施機関より発表があった前述の項目については、今年はより一層厳しい判定が行われることが想定されます。

また、床面積については算入・不算入の条件が詳細に明示されました。

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開催場所

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