令和2年度 一級建築士設計製図試験 合格速報

令和2年度 1級建築士設計製図試験 合格実績

令和2年12月25日(金)に、令和2年度 一級建築士 設計製図の試験の合格発表がありました。概要は下記の通りです。

設計製図の試験
実受験者数 11,035人(前年 10,151人、対前年 884人増)
合格者数 3,796人(前年 3,571人、対前年 225人増)
合格率 34.4%(前年 35.2%)
採点結果の区分 ○採点結果については、ランクI、II、III、IVの4段階区分とする。
○採点結果における「ランクI」を合格とする。

ランクI (34.4%):「知識及び技能」※を有するもの
ランクII (5.6%):「知識及び技能」が不足しているもの
ランクIII (24.3%):「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクIV (35.7%):設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの

  • ※「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

合格発表を受けて

令和2年12月25日に、令和2年度1級建築士設計製図試験の合格発表がありました。
令和2年度試験の実受験者数は11,035人、合格者数は3,796人となり、合格率は34.4%でした。合格率は、近年の試験の中で、12月8日実施の令和元年度試験に次いで低く、令和2年度試験も難しい試験であったといえます。

● 採点結果の区分割合の推移

  ランクI ランクII ランクIII ランクIV
令和2年 34.4% 5.6% 24.3% 35.7%
令和元年
12月8日実施(※)
34.2% 5.3% 31.9% 28.6%
令和元年
10月13日実施(※)
36.6% 3.0% 29.2% 31.3%
平成30年 41.4% 16.3% 16.5% 25.9%
平成29年 37.7% 21.2% 29.9% 11.2%
平成28年 42.4% 27.1% 20.7% 9.7%
  • ※: 令和元年度試験(10/13実施試験と12/8実施試験の合算)のランクT(合格率)は35.2%です。

採点結果の区分については、ランクT:34.4%ランクU:5.6%ランクV:24.3%ランクW:35.7%となりました。 「ランクW」においては、35.7%と平成21 年の試験制度見直し以降、最も高い割合の結果となった一方で、「ランクU」は昨年同様、5.6%と極端に低い結果となりました。

このように、ランクT(合格者)以外のほとんどがランクV以下という明暗のはっきりとわかれた結果から、建築士に求められる知識・技能の水準がより厳格なものとなってきており、少しのミスでも大きな減点となることがうかがえます。

『受験者の答案の解答状況』に見る今回の試験の特徴

今回の試験において、「ランクV」「ランクW」に該当した答案の具体例として、以下の内容が発表されました。

  • ・設計条件に関する基礎的な不適合:「各ユニットのゾーニング等が不適切」、「要求している室の欠落」、「要求している主要な室等の床面積の不適合」等
  • ・法令への重大な不適合:「延焼のおそれのある部分の位置(延焼ライン)と防火設備の設置」、「道路高さ制限」や「直通階段に至る重複区間の長さ」等

令和元年度に主な不合格要因となった『吹抜けの計画不適切、法令違反』のように、令和2年度は『設計条件に関する基礎的な不適合』に「各ユニットのゾーニング等が不適切」が示されていることからも、建築の基礎であるゾーニングへの理解が重視された試験であったといえます。 また『法令への重大な不適合』に『道路高さ制限』が追加されていることから、今後も法知識を十分に備えた建築士を輩出していくという意図が読み取れます。

『採点のポイント』に見る本年度試験の特徴

今回の試験の採点のポイントとして、以下の内容が発表されました。

(1)空間構成

@建築物の配置計画、Aゾーニング・動線計画、B要求室等の計画、C建築物の立体構成等

(2)建築計画

@自然光の取入れ方や自然換気の工夫、A要求室の機能性等、B図面、計画の要点等の表現・伝達

(3)構造計画

@耐震性を考慮して計画した建築物の構造種別・耐震計算ルート等、A車寄せ上部(屋根、庇等)の構造の計画、B地盤条件を踏まえた基礎構造の計画

(4)設備計画

@高齢者介護施設としての空調計画Aインフルエンザやノロウイルスへの対策

(5)設計条件・要求図面等に対する重大な不適合

@「要求図面のうち1面以上欠けるもの」、「計画の要点等が完成されていないもの」又は「面積表が完成されていないもの」
A地上3階建てでないもの
B図面相互の重大な不整合(上下階の不整合、階段の欠落等)
C建築面積が1,468.8uを超えているもの
D床面積の合計が2,400u以上、3,000u以下でないもの
E次の要求室・施設等のいずれかが計画されていないもの

個室、共同生活室、宿泊室、デイルーム、多機能便所、浴室、スタッフルーム、訪問介護スタッフルーム、エントランスホール、事務室、面会ラウンジ、地域交流スペース、調理室、会議室、医務室、相談室、職員休憩室、消火ポンプ室、受水槽室、PS・DS・EPS、寝台用エレベーター、人荷用エレベーター、車椅子使用者用駐車場、車寄せ

F法令の重大な不適合等、その他設計条件を著しく逸脱しているもの

例年、列記される要求室の欠落(ランクW要因)で指定された室が24 種となっており、直近10 年をみても上位に入る数となっています。
さらに、ユニットの個室(全27 室)や宿泊室(全5室)を含めると、実際に計画する室は50 室以上となっていました。課題文がA2サイズになり情報量が増える中、短時間でこれほどの要求室をもらすことなく完成させなくてはならない難度の高さが際立った試験となりました。

『標準解答例』に見る今回の試験の特徴

(1)各ユニットの構成について

「標準解答例」の構成をみると、居住部門の3ユニットと居宅サービス部門は2階・3階で明確に区画して計画してあることから、「要求された室を明確にゾーニングする」ことに、適切に対応できたか、といった建築士としてあるべき実務レベルの力が求められたと言えます。

(2)建物の平面構成について

標準解答例@とAの構成に大きな違いが見られないことからも、本年度課題における階の構成(要求室の設置階)の検討の難度は高くはなかったといえます。しかし、「室の使われ方」「部門全体の役割」「建物としての機能」など、設計者として考慮すべき基本原則を意識したうえで、多くの要求室を有機的につなぐ計画ができたかどうかが問われたポイントでであったといえます。
標準解答例@を例にとると、1階で管理系のゾーンが東西に分かれているなど、特徴的なプランの傾向がみられました。

上記の内容は、計画の要点記述の設問においてもそれぞれ問われており、出題者の意図を正しく読み取り、図面・要点記述で正しく答えることが重要でした。
発表された「合格基準」では、採点のポイントと計画の要点の設問がほぼ同じとなっている「構造計画」において、本年度に初出題された「耐震計算ルート」や「車寄せ上部(屋根、庇等)の構造」が挙げられています。

法改正により若年層の受験者数が大幅に増加

令和2年度は、建築士法改正後、初の試験となりました。
法改正により、これまで受験要件とされていた実務経験が免許登録要件になったことに加え、大学、専門学校等において指定科目を修めて卒業すれば、1級建築士を実務経験なしで受験をすることが可能になりました。

「年齢別」における合格者の割合をみると、従来は受験ができなかった大学卒業後の対象が受験可能になったことで「23才以下」の合格者が新たに6%加わり「24〜26才」の割合においても昨年度から6%増加しています。 20代の合格者をみると昨年に比べ12%増加しており、合格者の平均年齢においても、令和元年度は31.8才だったのに対し、令和2年度は30.3才と1.5才平均年齢が下がる結果となりました。
このことからも法改正により若年層の受験者が大幅に増加していることがうかがえます。

1級建築士試験の受験を考えている学生の方は、学習時間を確保できる学生のうちから試験学習をすすめておくことを推奨いたします。

令和3年度試験 合格に向けて

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建築士定期講習について

一級建築士として登録した後、建築士事務所に所属する建築士は3年度ごとに建築士定期講習の受講が義務付けられています。これは、建築士事務所に所属する建築士については、「業」として設計・工事監理等の業務を行うことが可能であることから、業務の実施に当たり必要となる能力を確実に身に付けておく必要があるため、3年度ごとに最新の建築関係法規等について、習得していただく趣旨のものです。

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