2018年度 一級建築士設計製図試験 合格速報
2018年12月20日(木)に、2018年度 一級建築士 設計製図の試験の合格発表がありました。概要は下記の通りです。
設計製図の試験
(全国) |
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実受験者数 | 9,251人(前年 8,931人、対前年 320人増) |
合格者数 | 3,827人(前年 3,365人、対前年 462人増) |
合格率 | 41.4%(前年 37.7%) |
採点結果の区分 | ○採点結果については、ランクI、II、III、IVの4段階区分とする。
○採点結果における「ランクI」を合格とする。 ランクI (41.4%):「知識及び技能」※を有するもの ランクII (16.3%):「知識及び技能」が不足しているもの ランクIII (16.5%):「知識及び技能」が著しく不足しているもの ランクIV (25.9%):設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの
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2018年度 1級建築士設計製図試験 合格発表をうけて
2018年10月14日に実施された2018年度1級建築士設計製図試験の全国合格率は41.4%でした。実受験者数は2017年度より320人増加して9,251人、合格者は462人増加して3,827人でした。
採点結果の区分については、ランクI:41.4%、ランクII:16.3%、ランクIII:16.5%、ランクIV:25.9%となりました。特にランクIVの割合は、2017年度11.2%だったのに対し、2018年度は2倍以上となり、2009年度の試験制度の見直し以降では最高となりました。
● 採点結果の区分割合の推移
ランクI | ランクII | ランクIII | ランクIV | |
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2018年 | 41.4% | 16.3% | 16.5% | 25.9% |
2017年 | 37.7% | 21.2% | 29.9% | 11.2% |
2016年 | 42.4% | 27.1% | 20.7% | 9.7% |
2015年 | 40.5% | 25.2% | 23.3% | 11.0% |
2014年(※) | 40.4% | 32.8% | 20.5% | 6.3% |
2013年 | 40.8% | 27.3% | 19.2% | 12.7% |
- ※沖縄県会場を除く
合格者属性に見る本年度試験の特徴
- ●「年齢別」-「24〜26才」は20.9%と2017年同様に高い割合
「年齢別」における「24〜26才」の割合は、過去最高となった2017年度から0.1%低下したものの、20.9%と、昨年同様高い割合でした。「27〜29才」までを足した20代の合格者割合は46.3%となり、半数近くを占めています。また、「受験資格別」における「大学」の割合も74.1%と3/4近くを占めており、このことから、受験資格を得た方が早い段階で1級建築士を取得していることがわかります。
- ●「男女別」-女性の合格者が1/4以上を占める
「男女別」において、女性の割合が2017年度から2.8%上昇し26.3%となりました。 建設業界では、女性の入職・育成・定着の推進が重点課題となっており、働き方改革の推進や、魅力ある職場環境の整備など、中長期的に人材確保・育成を進める取り組みが国や業界団体、企業単位で行われています。こうした取り組みも、1級建築士合格者における女性の割合の増加要因の一つと推察されます。
『採点のポイント』に見る本年度試験の特徴
関連リンク
(参考1)2018年一級建築士試験「設計製図の試験」合格基準等について
「採点のポイント」の詳細は、上記リンクよりご確認ください。
●防火対策や安全に避難するための計画に関する知識
試験実施機関による標準解答例の公表にあたって、「設計条件のうち今回の試験において不十分な回答が多かった「延焼のおそれのある部分」「防火区画」等の一つの考え方をこの標準解答例に示していますので参考として下さい」という記述が見られました。こうした表現は過去見られなかったものであり、防火対策や安全に避難するための計画についても学習する必要があることが読み取れます。
●アプローチ(主要な出入口)に対する対応力
標準解答例(1)・(2)ともに主出入口が西側1箇所(標準解答例(2)には北側に補助的な出入り口あり)で構成されています。この構成からは、旧小学校の屋外プールの跡地に建つ「スポーツ施設」という今年の課題に対し、「本建築物と隣地のカルチャーセンター等とを一体的に使用できるようにする」ために、アプローチ(主要な出入口)を適切に対応できたかという、建築士としてあるべき実務レベルの力が求められたと読み取れます。
上記の内容は、計画の要点等(4)でも問われており、出題者の意図を正しく読み取り、図面・要点記述で正確に答えることが重要でした。
●「採点のポイント」と計画の要点等の設問について
発表された合格基準等における「採点のポイント」において「構造計画」では、例年見られる「(1)建築物の構造種別・架構形式・スパン割り等」に加え、今年のサブテーマでもある「(2)温水プール室の構造計画」「(3)振動及び騒音対策」「(4)地盤条件を踏まえた基礎構造の計画」が挙げられました。また、採点のポイントと計画の要点等の設問はほぼ一致していました。
計画の要点等の設問においては構造計画に限らず、具体的な記述や図示が求められるようになっているため、設計者として不可欠な関連知識の重要性が、より高まっていると考えられます。
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建築士定期講習について
一級建築士として登録した後、建築士事務所に所属する建築士は3年度ごとに建築士定期講習の受講が義務付けられています。これは、建築士事務所に所属する建築士については、「業」として設計・工事監理等の業務を行うことが可能であることから、業務の実施に当たり必要となる能力を確実に身に付けておく必要があるため、3年度ごとに最新の建築関係法規等について、習得していただく趣旨のものです。
株式会社 総合資格学院法定講習センターは、一級および二級建築士「定期講習」を開催しております。
- 主 催 : 株式会社 総合資格学院法定講習センター
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