令和2年度 二級建築士学科試験 総評

令和2年度 学科試験「解答・解説会」ダイジェスト動画

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全体総評

令和2年の試験では、正答肢が初出題の問題は、100問中29問と例年の傾向から大きな変化はありませんでした。全体としては、易しすぎる科目、もしくは難しすぎる科目はなく、出題パターンも様々で、バランスの良い内容でした。過去に出題されている問題を確実に正解する力と、初出題の問題に対しても落ち着いて対処する力が求められた試験となりました。

また、各科目別では学科T(建築計画)については初出題の問題が増え、難易度が高くなった一方で、昨年難易度が高かった学科W(建築施工)は少し難易度が下がり、学科U(建築法規)及び学科V(建築構造)は、昨年と同程度の難易度でした。

[正答肢が初出題の問題数]

  学科T
(建築計画)
学科U
(建築法規)
学科V
(建築構造)
学科W
(建築施工)
合計
令和2年度 11問 7問 2問 9問 29問
令和元年度 6問 5問 9問 11問 31問
  • ※過去12年以前の試験で出題されていない内容を「初出題」と定義しています。

【学科T(建築計画)】

各分野の出題数は、例年同様、建築史が2問、計画原論が8問、計画各論が8問、建築設備が7問でした。

  • 建築史(No.1〜2):「日本の歴史的な建築物」と「住宅作品とその設計者との組合せ」の問題が1問ずつ出題されました。1は「姫路城大天守」「三仏寺投入堂」「旧正宗寺三匝堂」が初出題であり、正答肢5の「伊勢神宮内宮正殿」についても、例年よりも深い内容が問われました。
  • 計画原論(No.3〜10):過去問と初出題を複合した問題が多く、難易度は例年より高くなりました。4-2「空気齢」は、初出題の用語でした。また、9-1「音の透過損失」では、具体的な数値が問われるなど、1級建築士試験レベルの問題も出題されました。
  • 計画各論(No.11〜18):実際の計画や部材をイメージできるかを問う出題が増えました。16-2「便所ブース」は、通常よりもコンパクトなサイズであり、ベビーカーを入れるには奥行きが足りないといえます。また、18 の「伝統的な木造住宅」に関する出題では、各部材について用途や取り付け位置等が問われました。
  • 建築設備(No.19〜25):計画原論と同様に、過去問と初出題を複合した問題が多くみられました。21 は給水、排水、衛生の内容が1問にまとめられており、正答肢2の「さや管ヘッダ工法」は過去に出題がありましたが、その他の選択肢において初出題の用語がみられました。24 の「防災・消防設備」に関する問題は4年ぶりに出題されました。令和2年度試験では、図を用いた問題や計算問題はありませんでした。

【学科U(建築法規)】

各分野の出題数は例年と同様で、建築基準法から20問、関係法令から5問が出題されました。

  • 建築基準法の計算問題としては、「5(採光計算)」「15(建蔽率)」「16(容積率)」「18(高さ制限)」が出題され、問題数としては令和元年と同様の4問でした。
  • 建築基準法の文章問題は全部で16問出題され、過去問中心の出題でしたが、9(防火区画)、19(防火地域・準防火地域)では、近年の法改正から正答の選択肢が出題されました。
  • 関係法令については、「建築士法」は、例年通り2問、また「都市計画法」が単独の問題で出題され、関係法令の融合問題は2問でした。都市計画法が単独で出題されたのは平成12年以来でした。
  • 6(構造強度)の正答肢は、木造の構造耐力上必要な軸組の長さを求める算定方法に関する設問でしたが、これまでは必要な軸組の長さを求める計算問題として単独で出題されていた内容であり、新規の出題形式でした。
  • 9(防火区画)の正答肢は、平成30年6月に建築基準法が改正施行された後、初の異種用途区画からの出題でした。
  • 19(防火地域・準防火地域)の正答肢は、令和元年6月に改正施行された建築基準法、法第61条に関する設問であり、改正内容に対しての理解も試される内容でした。
  • 20(雑則)について、建築物の敷地が区域、地域又は地区の内外にわたる場合の措置に関する規定で、用途地域に関しては既出でしたが、正答肢の「高度地区」は初出題でした。また、No20の5肢は規定が適用されるか否かを問う設問で、広い範囲での知識が問われる出題でした。

【学科V(建築構造)】

出題構成は、例年通り構造力学6問、一般構造13問、建築材料6問の出題でした。ほとんどが、過去出題された内容の問題でしたが、難問も数問みられました。

  • 構造力学(No.1〜6):3(融合問題)は、集中荷重と等分布荷重のMmax、Qmax、たわみδの公式を覚えていれば容易に解くことができます。正答肢5の「せん断力」については、反力を求めることができれば誤りであると判断することはできましたが、誤った解答をする受験生も少なくありませんでした。4(曲げモーメント図)は、令和元年に出題された単純梁の曲げモーメント図から作用する荷重を求める問題の発展形といえる問題で、今回は静定ラーメンとなり、難易度が高くなりました。
    他の4問は全て、合格者であれば例年ほぼ確実に正解できている問題でした。
  • 一般構造(No.7〜19):11(木造)の選択肢3は継手の位置に関する問題で、平成12年からの出題でしたが、昨年は胴差の継手位置について出題されており、木造の継手が続けて出題される結果となりました。また、12(木造)の選択肢2のボルトの許容引張耐力も12 年以上前の出題であり、過去問とはいえ、学習できている受験生は多くありませんでした。全般的に難易度は低めで、一般構造については基礎的な理解力を問う内容であったであったといえます。
  • 建築材料(No.20〜25):建築材料(20〜25):22(コンクリート)の選択肢5の実積率と単位水量の関係については初出題の内容ですが、骨材の粒径について実績率に関わる内容が平成30 年に出題されており、今回は関連して違う論点で出題されました。24(ガラス)の正答肢3の熱線吸収板ガラスは過去問といえますが、誤りの記述に変えたもので出題されました。過去問の発展形である選択肢1の網入り板ガラスの強度に誤答した受験生が多くみられ、正答率の低い問題となりました。

【学科W(建築施工)】

各分野の出題数は、例年同様、契約・計画・管理が5問、各部工事が18問、その他が2問でした。
過去に出題されている選択肢の他、1級建築士からの選択肢や、実務的な細かい知識を要する出題もありました。高得点を取るためには、過去問の内容については、完全に正誤の判断ができることは必須であり、そのうえで、実務の知識や細かい数値の確実な記憶まで求められました。

  • 契約・計画・管理(1〜4、25):bP(施工計画)のネットワーク工程表は、昨年の用語に引き続き、計算問題として出題されました。25(請負契約)も、昨年に引き続き「民間建設工事標準請負契約約款(甲)」が出題され、過去問+αの知識が要求されました。
  • 各部工事(5〜22):5(仮設工事)は、問題文に「枠組足場」といった条件が入り、問題文の読み取りに対しても注意する力が求められました。木造に関しては、6(木造住宅の基礎工事)、15・16(木工事)と例年通り3問出題され、接合部の納まり形状の知識とあわせて、条件によって異なる数値に関する選択肢が多くみられました。10(型枠工事)の1級建築士からの内容や、18(左官・タイル・石工事)の張付けモルタルの塗り付け方といった実務的な内容も出題されました。
  • その他(No.23、24):23は、閉合トラバースの側角誤差の計算問題が初めて出題されました。24(建築積算)は昨年に引き続いての用語の問題で、定義の理解が不足していると解くことができない問題でした。

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