令和5年度 2級建築士 設計製図試験 課題分析

「課題タイトル」から推察されること

令和4年度の非住宅 (保育所) をはじめ、 令和3年度の「歯科診療所併用住宅」、 令和2年度の「シェアハウスの併設」 、令和元年の 「設計事務所の併設」 など、長年にわたり「プラスα」の題材が出題されていましたが、 令和5年度は例年と比べシンプルな課題となりました。このことから 「建築士」 としての本質的な知識・技能を問う試験 となっていることが伺えます。

「ZEH※」 「LCCM※」 をはじめ、住宅の省エネルギー対策については国土交通省だけでなく、各省 (経産省・環境省ほか)を含めた「国の取り組み」 となっています。 住宅局発表の内容をみても、建主の意識や建築士の省エネ基準への習熟等、さらなる普及に向けた取り組みが必要となっていることがわかります。 このようなことを考えても本年は、より出題分析をしっかりと行い、的を得た試験対策を行うことが重要と言えるでしょう。

加えて、(注3)でも明記されていますが、
「建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限 等)とする。」 とあるように、集団規定をはじめとした「建築基準法令」をクリアしていかなければなりません。 これらは、「知識」だけで解決することは困難であり、自身の計画で満たすべき条件に対して、都度、自ら考え、判断し適切に対応する力が必要となります。

テーマ1: 建築士としての本質的な知識・技能を問う試験

「(注1) 建築物の階数については、 試験問題の設計条件において指定する。」 上記の形態での発表は、 令和3年度から実施されていますが、「試験当日まで階数がわからない」 だけでなく 「階高指定 (天井高指定)」 「吹き抜け」 などの要求の可能性もあり、 受験生の方々にとっては想定の幅が広く要求を絞りづらいでしょう。 令和4年度1級建築士設計製図試験にて、 初めて 「階段の不成立」 が基礎的な不適合の要因として加えられました。 2級建築士試験でも 「断面の整合性」はしっかりと見られることが想定されます。 これらのことから、例年以上に一つひとつの作図プロセスを丁寧に確認・習得する対策が重要となるでしょう。 「(注3) 建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、 容積率、高さの制限 等)とする。」 上記のように、集団規定をはじめとした 「建築基準法令」 をクリアする必要があります。 これらは、「知識」だけで解決できることではなく、自分の行った計画に応じた適切な対応が求められます。

テーマ2: 国として啓発 / 奨励していきたい事項

2050年 カーボンニュートラル、2030年温室効果ガス 46% (2013年度比) の実現に向け、 2025年には 「改正建築物省エネ法」 や 「改正建築基準法」 が施行されます。 その中では、 木造利用促進を目的に防火規制、 構造規制の合理化も進められます。 このような状況の中で、 まずは現行の基準・規制を十分に理解して駆使できる知識・技能を習得できなければ、今後の改正にも対応することが困難と考えられます。 このようなことからも、矩計図や計画の要点などについても、 一工夫しなければ対応できない要求が出題される可能性も考えられます。 さらに、近年「リモートワーク」に則したプランの提案なども検討の一つに入る等、プランのバリエー ションについても習得しておく必要があります。

「注意事項」から推察されること

[ 設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」 と判断されます。 ] 前述のように、 多くの学習とトレーニングが必要な中、 近年の試験は「設計与条件」 に対して厳格な評価がされる試験となっています。 「ミスをゼロにする」意識と対策がより重要となると考えられます。

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※画像はイメージです。
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