ザ・プラザ(アメリカ〜ニューヨーク)
一流の人たちが愛したNYの老舗ホテル

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1年の締めくくりはとびきり豪華な気分が味わえる1本を―。巨万の富を築いた男の数奇な半生を描いたF・スコット・フィッツジェラルドの原作を、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化した『華麗なるギャツビー』。『ムーラン・ルージュ』を手掛けたバズ・ラーマンならではの豪華絢爛(けんらん)な映像で、私たちを“狂騒の20年代”のニューヨークへいざなってくれます。
ギャツビーの運命の女性デイジーを巡って、彼女の夫ブキャナンと直接対決したのが、五番街にある高級ホテル「ザ・プラザ」。1969年にはニューヨーク市歴史建造物保存委員会のランドマークに、また86年にはアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定。85年9月22日に、先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議により発表された、為替レート安定化に関する合意「プラザ合意」はこのホテルから名付けられました。一時は、現アメリカ大統領ドナルド・トランプが所有(『ホーム・アローン2』にもカメオ出演)したほか、『GODZILLA/ゴジラ』『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』『北北西に進路を取れ』『追憶』など数多くの映画の舞台にもなった“NYの顔”というべきホテルです。
「ザ・プラザ」は、ジョン・レノンが住んでいたことでも有名な高級集合住宅、ダコタハウスを手掛けたヘンリー・J・ハーデンバーフが、1907年に設計。フランス・ルネッサンス様式の重厚な外観と、贅(ぜい)を尽くした館内は、20世紀初頭、世界経済で頭角を現してきたアメリカの「世界一」への自負が感じられます。開業以来、マリリン・モンロー、ケネディ夫妻、マレーネ・ディートリヒ、トルーマン・カポーティなど数多くの著名人がこのホテルを愛しましたが、「近代建築の三大巨匠」フランク・ロイド・ライトもその一人。グッゲンハイム美術館建設時、1954〜59年の約5年間をここで過ごした後、その豪華な部屋が約26億円(2016年当時)で売りに出されたのも話題となりました。2008年には3年に及ぶ大規模な改装工事を経てリニューアル・オープン。高級コンドミニアムを主体としたホテルへと生まれ変わりました。宿泊は敷居が高くとも、地下のフードコートや、ロビーのカフェ、書店などでセレブたちが愛したホテルの魅力を体感してみてはいかがでしょうか?
彼の名はギャッツビー 男の憧れ、女の理想 その人生は―【嘘<ミステリー>】
■Introduction原作は、これまで何度も舞台化、映画化されているF・スコット・フィッツジェラルドのアメリカ文学を代表する名作。『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が、『ロミオ&ジュリエット』でタッグを組んだレオナルド・ディカプリオを再び主演に迎え、映画化。好景気に沸く1920年代を舞台に、アメリカン・ドリームを体現する1人の男が、ある目的のためにすべてを捧げる華麗にして空虚な人生の始末を描き出す。共演は『スパイダーマン』シリーズのトビー・マグワイア、『17歳の肖像』のキャリー・マリガン。
■Story宮殿のような豪邸に暮らす、謎めいた男がいる。彼の名は、ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)。一体、何のために毎夜、豪華絢爛(けんらん)なパーティーを開くのか。誰一人、その答えを知らない。「真実を話そう」と、ギャツビーは隣人のニック(トビー・マグワイア)に、自らの生い立ちを打ち明ける。しかし、出来すぎた話に「彼は何かを隠している」と直感するニック。やがて、耳を疑ううわさと危険な人脈、そして上流社会の女性との禁じられた恋が、少しずつギャツビーの華麗な仮面を剥がしていく―。