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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

華麗なるギャッツビー
  • 華麗なるギャッツビー
  • 『華麗なるギャッツビー』
  • ■発売日:発売中
  • ■販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ
  • ■価格:DVD ¥1,429+税
  • 監督:バズ・ラーマン
  • 出演:レオナルド・ディカプリオ
    トビー・マグワイア キャリー・マリガン
    ジョエル・エドガートン アイラ・フィッシャー 他

ザ・プラザ(アメリカ〜ニューヨーク)

一流の人たちが愛したNYの老舗ホテル


香川県庁(日本〜香川県)

(C)Dennis

1年の締めくくりはとびきり豪華な気分が味わえる1本を―。巨万の富を築いた男の数奇な半生を描いたF・スコット・フィッツジェラルドの原作を、レオナルド・ディカプリオ主演で映画化した『華麗なるギャツビー』。『ムーラン・ルージュ』を手掛けたバズ・ラーマンならではの豪華絢爛(けんらん)な映像で、私たちを“狂騒の20年代”のニューヨークへいざなってくれます。

ギャツビーの運命の女性デイジーを巡って、彼女の夫ブキャナンと直接対決したのが、五番街にある高級ホテル「ザ・プラザ」。1969年にはニューヨーク市歴史建造物保存委員会のランドマークに、また86年にはアメリカ合衆国国定歴史建造物に指定。85年9月22日に、先進5カ国蔵相・中央銀行総裁会議により発表された、為替レート安定化に関する合意「プラザ合意」はこのホテルから名付けられました。一時は、現アメリカ大統領ドナルド・トランプが所有(『ホーム・アローン2』にもカメオ出演)したほか、『GODZILLA/ゴジラ』『セント・オブ・ウーマン 夢の香り』『北北西に進路を取れ』『追憶』など数多くの映画の舞台にもなった“NYの顔”というべきホテルです。

「ザ・プラザ」は、ジョン・レノンが住んでいたことでも有名な高級集合住宅、ダコタハウスを手掛けたヘンリー・J・ハーデンバーフが、1907年に設計。フランス・ルネッサンス様式の重厚な外観と、贅(ぜい)を尽くした館内は、20世紀初頭、世界経済で頭角を現してきたアメリカの「世界一」への自負が感じられます。開業以来、マリリン・モンロー、ケネディ夫妻、マレーネ・ディートリヒ、トルーマン・カポーティなど数多くの著名人がこのホテルを愛しましたが、「近代建築の三大巨匠」フランク・ロイド・ライトもその一人。グッゲンハイム美術館建設時、1954〜59年の約5年間をここで過ごした後、その豪華な部屋が約26億円(2016年当時)で売りに出されたのも話題となりました。2008年には3年に及ぶ大規模な改装工事を経てリニューアル・オープン。高級コンドミニアムを主体としたホテルへと生まれ変わりました。宿泊は敷居が高くとも、地下のフードコートや、ロビーのカフェ、書店などでセレブたちが愛したホテルの魅力を体感してみてはいかがでしょうか?

彼の名はギャッツビー 男の憧れ、女の理想 その人生は―【嘘<ミステリー>】

■Introduction

原作は、これまで何度も舞台化、映画化されているF・スコット・フィッツジェラルドのアメリカ文学を代表する名作。『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が、『ロミオ&ジュリエット』でタッグを組んだレオナルド・ディカプリオを再び主演に迎え、映画化。好景気に沸く1920年代を舞台に、アメリカン・ドリームを体現する1人の男が、ある目的のためにすべてを捧げる華麗にして空虚な人生の始末を描き出す。共演は『スパイダーマン』シリーズのトビー・マグワイア、『17歳の肖像』のキャリー・マリガン。

■Story

宮殿のような豪邸に暮らす、謎めいた男がいる。彼の名は、ジェイ・ギャツビー(レオナルド・ディカプリオ)。一体、何のために毎夜、豪華絢爛(けんらん)なパーティーを開くのか。誰一人、その答えを知らない。「真実を話そう」と、ギャツビーは隣人のニック(トビー・マグワイア)に、自らの生い立ちを打ち明ける。しかし、出来すぎた話に「彼は何かを隠している」と直感するニック。やがて、耳を疑ううわさと危険な人脈、そして上流社会の女性との禁じられた恋が、少しずつギャツビーの華麗な仮面を剥がしていく―。

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しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
  • しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス
  • 『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:松竹
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督アシュリング・ウォルシュ
  • 出演:サリー・ホーキンス イーサン・ホーク
    カリ・マチェット ガブリエル・ローズ 他
 

小さな家の大きな愛の物語

カナダ東部の小さな町で、四季折々の自然の風景を素朴なタッチで描き続けた画家モード・ルイス。『しあわせの絵の具 愛を描く人』は、重度のリウマチを患いながらも豊かな想像力で絵を描き続けたモードと、そんな彼女を支えた無骨な夫エベレットとの夫婦愛を丁寧に紡いだ物語です。

両親が他界し、親戚から厄介者扱いされているモードと、孤児院で育ち、生きるのに精いっぱいだったエベレット。2人はエベレットが出した「家政婦募集」の貼り紙をきっかけに、一緒に暮らすことになります。粗野なエベレットは「ここのボスは俺だ」と、モードににべもない態度ですが、部屋の片隅に置かれた緑色のペンキが2人の生活を徐々に変えていきます。

緑豊かな郊外にぽつんと佇むわずか4メートル四方の小さな家。2人が暮らすこの家は、本作のもう一つの主役です。電気もなく殺風景だった室内ですが、モードの手により戸棚は明るく塗り替えられ、花が飾られ、やがて壁は彼女が描いた自然の風景でいっぱいに。月日を重ねるごとに、ちょっとずつ変化していく家の様子に、「次はどこに、何が描かれるのだろう?」とワクワクします。また、そんな家の変化はエベレットの心の変化も表していて、初めはかたくなにモードを拒んでいたエベレットが、やがて彼女のためにせっせと家事を担う姿はなんともかわいく、女性は心引かれてしまうはず。画家としてモードがどんなに有名になっても、変わらずにこの家でつつましい暮らしを続けた2人。カラフルなモードの絵でいっぱいになった家は、不器用な彼らの愛を雄弁に物語っています。

人生は、美しい色であふれている。 ■Introduction

カナダで最も有名な女性画家モード・ルイスと、彼女を支えた夫の姿を描いた愛の物語。主演は、モード自身に魅了され、役を引き受けたという『シェイプ・オブ・ウォーター』のサリー・ホーキンス。無骨な漁師の夫エベレットを『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホークが演じる。監督は英BBCのドラマ「荊の城」でホーキンスとタッグを組んだ、アイルランド出身の気鋭女性監督アシュリング・ウォルシュ。芸術家を描く作品を多く手掛けてきたアシュリング監督が、本作でホーキンスと再タッグを組む。

■Story

カナダの小さな港町で叔母と暮らすモード(サリー・ホーキンス)は、絵を描くことと“自由”を愛していた。ある日モードは、魚の行商を営むエベレット(イーサン・ホーク)が家政婦募集中と知り、自立のため、住み込みの家政婦になろうと決意する。幼い頃から重いリウマチを患い厄介者扱いされてきたモードと、孤児院育ちで学もなく、生きるのに精一杯のエベレット。はみ出し者同士の同居生活はトラブル続きだったが、徐々に2人は心を通わせ、やがて結婚。一方、モードの絵を一目見て才能を見抜いたエベレットの顧客であるサンドラ(カリ・マチェット)は、彼女に絵の制作を依頼。モードは期待に応えようと、夢中で筆を動かし始める。そんな彼女を不器用に応援するエベレット。いつしかモードの絵は評判を呼び、アメリカのニクソン大統領からも依頼がくるようになる。

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