JIA全国学生卒業設計コンクール2014

JIA全国学生卒業設計コンクール2014

名称

JIA全国学生卒業設計コンクール2014

開催日 公開審査:2014年6月28日(土)
展示会:2014年6月28日(土)〜6月29日(日)
会場 新宿アイランドタワーB1F アクアプラザ
審査委員
  • 大野 秀敏氏(審査委員長)
  • 佐々木 睦朗氏
  • 竹内 昌義氏
  • 八木 佐千子氏
  • 西田 司氏
企画運営

公益社団法人日本建築家協会
全国学生卒業設計コンクール実行委員会

後援

国土交通省
環境省
(一社)日本建築学会
(株)新建築社
(株)近代建築社
建築ジャーナル
(株)日経BP社
(株)日刊建設工業新聞社
(株)日刊建設通信新聞社

特別協賛

(株)総合資格
(株)フォーラムエイト

日本全国から選ばれた53作品からNO.1を決める

2014年6月28日(土)〜6月29日(日)、新宿アイランド・アクアプラザにて「JIA全国学生卒業設計コンクール2014」が開催されました。
このコンクールは、今年の春から全国各地で開催されていたJIA各支部・地域会による卒業設計コンクール勝ち抜いた作品が一堂に集合し、全国NO.1の卒業設計作品を決定するというものです。集まった作品は全部で53作品。各地の大会を勝ち抜いた作品は、いずれ劣らぬハイレベルで個性の光るものばかり。力作が堂々と並ぶ会場からは大熱戦の予感がしました。

大野 秀敏氏
審査委員長:大野 秀敏氏
審査員:佐々木 睦朗氏
審査委員:佐々木 睦朗氏
審査員:竹内 昌義氏
審査委員:竹内 昌義氏
審査員:八木 佐千子氏
審査委員:八木 佐千子氏
審査員:西田 司氏
審査委員:西田 司氏

3段階の厳正な審査を経て決定される受賞作品

審査方式は3段階。まずは巡回方式による1次審査で、5人の審査委員がそれぞれ気に入った10作品を選出します(1次審査通過は28作品)。
続く2次審査では、1次審査通過作品を審査委員たちによる公開討論により、さらに作品を絞っていった結果、2次審査通過は13作品でした。
3次審査では、2次を通過した出展者によるプレゼンテーションおよび審査委員との質疑応答が行われ、さらに審査委員による公開討論を経て、金賞、銀賞、銅賞、および各審査委員の個人賞が決定します。

■2次審査通過者

  • 山崎 貴生さん(北海学園大学)
  • 宮城 絢子さん(工学院大学)
  • 菅谷 新明さん(東京電機大学)
  • 石村 大輔さん(東京理科大学)
  • 田島 理奈さん(東京大学)
  • 井上 岳さん・大重 雄暉さん・
    清水 太幹さん(武蔵野美術大学)
  • 飯澤 元哉さん(千葉大学)
  • 小田 健人さん(東京理科大学)
  • PHAM NGUYET ANH
    [ファムグエットアン]さん
    (横浜国立大学)
  • 小池 健太郎さん(新潟工科大学)
  • 佐野 智哉さん(名古屋工業大学)
  • 藤江 眞美さん(愛知工業大学)
  • 小林 璃央さん(神戸大学)

3次審査では、会場中央の大テーブルに2次審査を通過したすべての模型が並べられ、各自の作品の前で、プレゼンテーションと質疑応答を行いました。審査委員の鋭い質問に答えるべく思考をフル回転している出展者の姿が非常に印象的であり、そういった姿に応えるべく審査委員の議論も自然と白熱したものになりました。

受賞作品発表

金賞 「北木採石トポフィリア」

瀬戸内海にうかぶ花崗岩の島「北木島」にある鶴田石材店の採石場。坑道を掘らずに地表から渦を巻くように地下めがけて掘っていく「露天掘り」で約150年前から操業中のこの石切り場は、最深120mにもなる切り立った岩肌に囲まれた巨大な穴となっており、圧倒的なスケールを誇る。今後20年で採石が終了するこの場所を、単なる土木跡地になって放棄されないよう、芸術祭の一部として上層部を宿泊施設・下層部をギャラリーを有した観光地に転換するという提案。石工職人との協力により、操業終了時と同時に完成するこの計画は、「採石産業が掘ったら終わりではなくて、次の産業へ移行するプログラムになっていて興味深い。現場の丁寧な読み込みが表現されており素晴らしい」と審査委員の八木氏をはじめ、各審査委員から賞賛の声があがりました。

小林 璃央さん
(神戸大学)

銀賞
  • ※投票の結果2位が同票のため銀賞2人銅賞0人
「ビルマの舟人」

ミャンマー(旧ビルマ)のシャン高原にあるインレー湖。そこにあるKyay sar koneという集落は水深7mの湖の上に高床式住居を設け水上生活を行っている。しかし、温暖化の影響で2010年に干ばつという環境問題に直面した。今後も起こりうるこの問題に、現存の集落を読み取りつつ、干ばつを想定した生活の在り方・新たな都市化の提案を行った作品。審査委員の西田氏から「現地の風土にあった計画が建築の強度をあげている」と評価されました。

菅谷 新明さん
(東京電機大学)

銀賞 「都市の中の村-ハノイの市場」

ハノイの宮殿の南門にあった「市場」は、現在、オフィスビルに変わり市場という名が残されているだけで賑やかでない。この形態はベトナム人の市場のイメージと異なっており、民族としての感覚と気候にふさわしくないと判断し、ベトナムらしい意味を持つ建築を提案したいとして考えられたもの。お店を持ちながら物作りをする昔ながらの職人さんたちの関係を維持する導線と、屋根の形とルーバから生まれる穴によって風が全体に流れる建築を設計。「市場に携わっている人々の生活を体感しているからこそ、現実味のある空間をうまく示唆している」と審査委員長の大野氏から評価を受けました。

PHAM NGUYET ANH
[ファムグエットアン]
さん
(横浜国立大学)

■大野賞

「曼荼羅楼船亭」
宮城 絢子さん
(工学院大学)

■佐々木賞

「Diffused Reflection Means Defused Situation - 集合大使館 -」
田島 理奈さん(東京大学)

■竹内賞

「3hut」
井上 岳さん・大重 雄暉さん・清水 太幹さん
(武蔵野美術大学)

■八木賞

「加子母大学」
佐野 智哉さん(名古屋工業大学)

■西田賞

「本の庭」
戸谷 知里さん(京都工芸繊維大学)

  • ※2次審査を通過しなかったが、西田氏の要望により受賞

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授賞式では賞状と、副賞として当学院から書籍を贈呈。
その後の全体講評では各審査員からのコメントがあり、審査委員長の大野氏は「今回受賞した作品の中に、国際的なバックグラウンドを持った方が入賞されたことは象徴的と思う。今後ますます国際化される世の文脈の中で、自分のやっていることは何なのか、ということを皆さんは考えていく必要があり、広く視野をもって世に貢献できる建築家になってもらえば嬉しい」と述べ、会場にほどよい緊張感を漂わせ大会を締めくくられました。

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