せんだいデザインリーグ2014 卒業設計日本一決定戦
せんだいデザインリーグ2014 卒業設計日本一決定戦
名称 |
せんだいデザインリーグ2014 卒業設計日本一決定戦 |
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日程 |
公開審査:2014年3月9日(日)15:00-20:00 作品展示 :2014年3月9日(日)〜3月16日(日)10:00-19:00 |
会場 |
公開審査:東北大学百周年記念会館川内萩ホール 作品展示 :せんだいメディアテーク5F・6F |
ファイナル 審査員 |
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ファイナル 司会・ コメンテーター |
■コメンテーター
■公開審査(ファイナル)司会
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主催 |
仙台建築都市学生会議、せんだいメディアテーク |
特別協賛 |
株式会社総合資格 |
3月9日(日)、せんだいメディアテーク・東北大学百周年記念会館川内萩ホールを舞台に「せんだいデザインリーグ2014 卒業設計日本一決定戦」のセミファイナル・ファイナルが行われた。 主催は、仙台建築都市学生会議とせんだいメディアテーク。第12回目の開催となる本年度は、全国より532作品が集まった。
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- 予選・セミファイナルの会場となったせんだいメディアテーク
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- ダイナミックな空間に全国から作品が集う
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- 開場を前に建物の周りには、すでに長蛇の列
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- 開場直後の受付の様子
学校・世代を超えて卒業設計を共有する場を作る
「せんだいデザインリーグ卒業設計日本一決定戦」は、全国から応募された卒業設計を一堂に集め、日本一を決める設計コンペティション。「建築学生の今を凝縮した卒業設計を学校・世代を超えて共有する場を作る」ことを原点に、今年は、「建築を叫べ」というテーマを掲げる。このテーマは、昨年のテーマ(
「すべてを巻き込め」)で建築的枠組みを超え創出された瞬間を引き継ぎ、さらに加速力を加えて広く全国に届けることで、より多くの声を仙台に集めたいという想いが込められている。
審査は、3/8・3/9の2日間に分けて行われる。まず、3/8に行われる予選で応募作品全体から100作品が選ばれ、3/9
の午前中に行われるセミファイルで100作品の中から上位10作品を選出。同日午後からは、会場を東北大学百周年記念会館川内萩ホールへと移し10作品によるファイナルが行われる。
セミファイナルレポート「圧倒的な量と質」
せんだいメディアテークの5・6Fには、所狭しと作品が並んでいる。会場には多くの来場者。会場前からせんだいメディアテーク前に長蛇の列ができていたことからも、このコンペに対する人々の期待度の高さを感じる。実際、出展されている作品の力の入れ様は相当なものだ。会場を見て回りながら、目を疑うほど精巧に作られた模型や、かなりの手間をかけて描かれたドローイングなどに出会い、思わず見入ってしまうことが度々ある。
100選に選ばれている作品には、花がつけられ、ファイナルの審査員がそれらの作品から10選を選ぶべく審査をしている。審査員が審査を行う模様を間近で見ることができるのもこのコンペの醍醐味だ。
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- 500作品を超える卒業設計が並ぶ様は圧巻!
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- 作品のクオリティに来場者も盛り上がる
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- 丁寧に審査(1)北山氏
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- (2)藤本氏
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- (3)新井氏
ファイナルレポート「それは建築か」
3月9日 午後からは、会場を東北大学百周年記念会館川内萩ホールへと移し午前中のセミファイナルで選ばれた10作品の公開審査が行われた。審査は、プレゼンテーションとそれに対する質疑で進行する。今回、特に印象的だったのは、質疑の中でしばしば審査員から発せられた「これは建築なのか」というフレーズ。実務を知る審査員と学生の間には、言うまでもなく建築に対する認識の違いが存在する。審査委員からは、「その建築があることで社会や生活がどのように良くなるのか」と言った趣旨の質問がたびたびファイナリストに投げかけられる。今までにない大胆なアイデアでも、社会との関係性が薄ければ設計行為が独りよがりになる可能性もある。審査員は、模型や図面の裏側にある建築のプロセスや考え方・姿勢などを質疑を通して確認し、その計画にどのくらい建築的視点があるか確かめている。
ファイナル審査員
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- 北山 恒氏(審査員長)
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- 新居 千秋氏
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- 藤本 壮介氏
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- 貝島 桃代氏
- 五十嵐 太郎氏
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- 萩ホールは観客で埋め尽くされた
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- 500を超える応募から選ばれし10人のファイナリスト
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- プレゼンテーションの模様
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- 今をときめく建築家とのやりとりは貴重な経験
審査も大詰め!上位3作品に絞られ審査も白熱!
10組のプレゼンテーションと質疑が終了した後、審査員が自分が優秀だと思う3作品に投票。その結果、岡田さん、安田さん、市古さん、齋藤さんの4作品が票を集め、そこから3選に絞る流れとなった。票が特に集まっていた岡田さん・安田さんの作品が勝ち抜け、齋藤さんと市古さんの作品に対して、挙手による決戦投票が行われた。その結果、市古さんが3選に選ばれた。
■3選
- 岡田 翔太郎さん 九州大学 「でか山」
- 安田 大顕さん 東京理科大学 「22世紀型ハイブリットハイパー管理社会」
- 市古 慧さん 九州大学 「界隈をたどるトンネル駅」
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- 投票の様子
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- 審査も大詰め!観客も真剣!
いよいよ日本一が決定!
3選を選ぶ投票で最も多くの票を集めていた岡田さんの作品。順当に行けば、日本一にもっとも近い位置にいるが、そこで藤本氏が岡田さんの作品に対して議論をうながす。
藤本氏:岡田さんの作品は、オリジナルの「でか山」をかなり忠実に再現しているとも言える。オリジナリティに欠けるのではないか。
岡田さん:今回の計画でつくる町並みや「でか山」の2階部分は新たに計画しているので、オリジナリティはあると考えています。
北山氏:岡田さんは、建築家のキャラクターをもっている。これからは、まちづくりを行える人間が必要で、岡田さんは、地域に対する愛情がある。重要なのは、形のオリジナリティではなく、新しい空間をどう作れたか。この作品からは、ひょっとして実現してもいいのではないかという可能性を感じる。安田さんの作品に関しては、建築としてあそこから進化させていくのは限界があるのではないか。岡田さんの作品は、色々な人の意見を取り入れやすく発展性がある。
貝島氏:私も岡田さんを推したい。安田さんの作品については、22世紀の刑務所の様子などリアリティがもう少し伝わってくると良かった。
藤本氏: 「今までにない視点」という意味では、安田さんの作品は力がある。時間によって切り替わるシーンをアーバンスケープとして表現している点もおもしろい。
白熱する議論。最終的には、審査員の挙手による投票が行われ、その結果、岡田さんの作品が日本一に決定した。日本二には、安田さんの作品。日本三には市古さんの作品が選ばれた。以下、各賞は下記とのとおりとなった。
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- 審査も終盤!白熱する議論
日本一 | 「でか山」 過疎化が進む作者自身の故郷石川県七尾市を活性化させるために、200年以上続く七尾市の祭りの山車である「でか山」を建築として街に広げていく提案。「でか山」は、大きな集合住宅として増え続け、100年後には「でか山」同士が繋がった全く新しく幻想的な街ができる。圧巻の模型も印象的な作品。 |
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岡田 翔太郎さん ![]() |
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日本二 | 「22世紀型ハイブリットハイパー管理社会」 郊外に住む人々の暮らしをテーマにした作品。郊外と都市を往復する際の拘束時間を許容している人々は、決められた枠組みの中での生活に喜びを見いだしているのではないかという着想から、郊外の商店街の上部に刑務所を作り、受刑者と住民が同時にそこで管理され、営みを行う建築を提案。刑務所・住居・店舗・工場が一体となり、そこで人々は依存し合い生活する。22世紀の郊外の住まいに対する大胆な提案。 |
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安田 大顕さん ![]() |
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日本三 | 「界隈をたどるトンネル駅」 JR東海が東京・名古屋・大阪を結ぶ計画が進行している。そのような状況下でより魅力的な名古屋駅を計画する提案。高層ビルが乱立し商圏を囲い込んでしまっている現在の駅周辺に対して、新しい計画では、分散している昔ながらの界隈を地下60mのトンネルでつなぐ。トンネルは、大きく広がる根のように、たくさんの小さなまちを互いに結びつけ、大きな一つの空間にしていく。 |
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市古 慧さん ![]() |
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特別賞 | 「地景の未来」 |
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城代 晃成さん ![]() |
特別賞 | 「故郷を歩く」 |
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齋藤 弦さん ![]() |
■10選
- 飯澤 元哉さん 「名も無き街へ。」
- 佐藤 達弥さん 「吉祥寺ヘテロトピア -63のアプローチ空間-」
- 澤口 花奈さん 「Companion Plants -温室に住む-」
- 宮城 絢子さん 「曼荼羅楼船亭」
- 野沢 美咲さん/斎藤 千沙さん/田所 玲奈さん 「koban -“守る”小さな建築-」
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- 日本一の岡田 翔太郎さん
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- 日本二の安田 大顕さん
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- 日本三の市古 慧さん
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- 日本一 岡田 翔太郎さんのスピーチ
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- 審査員長 北山 恒氏の総評
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- 梱包日本一は“折りたためる”福本彩織さんの梱包!
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