第4回 アジア建築新人戦

2015年10月24日(土)、ベトナム・ホーチミン市にある統一会堂(ベトナム共和国時代の大統領府及び官邸)にて「第4回アジア建築新人戦」が開催された。この大会は、アジア各国の国内大会で選抜された学生の建築作品を対象としたコンテストで、今回はネパール、スリランカ、シンガポールが新たに加わり、アジア15か国から25作品がホーチミンに集まった。

出場した日本人3名
様々な民族、言語、慣習が混在するアジアであるがゆえに、大会は単なる優劣を競い合う場ではなく、そうした各々の作品の背後にある文化的コンテクストを確認し、理解し合う場となっている。日本からは「建築新人戦2015」で最優秀賞を受賞した九州大学・伊藤高基さん、優秀賞の千葉大学・木下慧次郎さん、そして特別枠としてアジア大会出場権を獲得した名古屋市立大学・竹村裕人さんの3名が参加した。
プレゼンテーションをする伊藤さん
審査会は、まず出展者によるプレゼンテーション(英語)が行われた。英語が不慣れな学生やそうでない学生も限られた時間の中で、時に模型を指差しながら精一杯のパフォーマンスを繰り広げた。審査員もそれぞれの作品の内容と背景を理解しようと丁寧な質疑が行われた。

第1回目の投票は各審査員が3票を投じ、上位9名が選出され、日本代表の伊藤さん、木下さんも上位で入選を果たす。プレゼンテーションが長引き時間がなかったため、そのまま2回目の投票が行われ、先ほどの日本人2名と台湾のHuang Yu-Chengさん、中国のYulan LINさんの4名が最終投票に臨んだ。

公開審査会の様子

2位LINさんの作品「THE TEA HOUSE」
Yu-Chengさんの作品は台湾の昔ながらのコミュニティが残る地区に、住人・観光客・信徒が共有できる施設を設計。高密度に織り込まれた洗練された空間構成が魅力的な作品だ。一方、まだ1年生のLINさんは、麦畑に佇む小さなお茶を飲む空間を提案。麦畑と開口部の関係、そしてマスとヴォイドというピュアな空間が評価された。

その後の投票でまさかの伊藤さんとLINさんが同票となり決選投票へ。またこの時点で3位に木下さんが決まった。最後の投票は、1票ごとに拍手が起こるほどに会場も盛り上がり、投票の行方も白熱したものとなった。最後1票差で伊藤さんの「筋交い壁のある町家」が、アジア建築新人戦最優秀新人に選ばれた。「失われつつある町家の保存だけでなく、空間に対する新しい発明があった」と審査員の1人は振り返った。

1位伊藤さんの作品「筋交い壁のある町家」

とはいえ多くの審査員が口にしたように、どの作品が1位だったかはあまり問題ではなく、アジアの将来を担う学生たちが競い合いながらも交流すること自体が、新たな建築の未来にとって何よりもかけがえのないものとなるだろう。

3位木下さんの作品「寄り添う壁のみち」
挨拶する総合資格学院 鈴木八束執行役員・第一統括部長

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