高専デザコン2016 in Kochi

高知駅前の土佐三志士像
年一回、高専生の日頃の学習や取り組みの成果を発表する場として開催される全国高等専門学校デザインコンペティション、通称「高専デザコン」。第13回目となる今回は高知を舞台に開催されました。

高知は、坂本龍馬を初めとして近代日本の礎を創った多くの偉人を輩出した土地としても知られています。「大政奉還」の推進や「船中八策」の提唱などの足跡で知られる坂本龍馬。当時の常識では有りえない型破りで大胆な発想と行動力は、没後150年経った今なお、多くの人の心を惹きつけてやみません。

今回のデザコンのテーマも、そんな高知のお国柄を良く表したものとなりました。
【メモ】  写真の三志士は左から、武市半平太、坂本龍馬、中岡慎太郎。実はこの像、発泡スチロール製なんだそう。それでも重量は一体400kg前後あるそうです。また、台風銀座としても知られる高知県ですが、台風が直撃しそうなときは三志士像も避難することがあるとか。像になっても大胆な発想と行動力はどうやら健在のようですね。

高専デザコンでは、高専のものづくり実践教育、エンジニアリングデザイン教育の目標である柔軟な創造的思考力による社会での様々な課題に実践的に取り組む力を競うことを目的としています。

高知大会のメインテーマは「“はちきん”と“いごっそう”」。土佐弁で一途な女性と頑固な男性を意味します。“はちきん”と“いごっそう“の精神を生かし、高専生ならではの「こんなのあり?」と批評される破天荒で独創的な発想と成果物が求められました。

また、今大会よりAMデザイン部門の夏大会と秋大会が統合され、構造デザイン部門、空間デザイン部門、創造デザイン部門を併せた4部門に加え、高専本科3年生以下を対象とした「プレデザコン部門」が新たに加わり、スケールアップした計5部門で各高専の成果が競われました。
主催 一般社団法人全国高等専門学校連合会、独立行政法人国立高等専門学校機構
主管校 高知工業高等専門学校
協力校 阿南工業高等専門学校、香川高等専門学校(高松・詫間キャンパス)、新居浜工業高等専門学校、弓削商船高等専門学校
協力大学 豊橋技術科学大学 長岡技術科学大学
競技部門 空間デザイン部門、構造デザイン部門、創造デザイン部門、AMデザイン部門、プレデザコン部門
開催日程 本選:2016 年 12 月 17 日 ( 土 )〜 18 日 ( 日 )
開催地 高知県高知市
会場 高知ぢばさんセンター(高知市布師田 3992-2)
会場のぢばさんセンター
デザコン2016 in Kochi

開催部門の紹介

【空間デザイン部門】  テーマ:あたりまえを Re スタート

<出展=127作品 本選出場=10作品>

『どこに潜んでいるのかわからない「あたりまえ」の風景を発見し、自由な発想と豊かなデザインによってReスタートさせてください。』という難しい課題の下、高専生らしいユニークな発想から生まれた作品の数々が並びました。
公開審査では審査員からアイディアの素晴らしさを称賛される言葉があった一方、建築の目線から厳しいコメントも送られていたのが特徴的で、高専生の技術力への期待の高さが感じられました。

審査員特別賞を受賞した大阪府立大学チームの作品
優秀賞を受賞した米子高専チームの作品

最優秀賞を受賞した有明高専 牛島さんのプレゼン

【構造デザイン部門】  テーマ:丈夫で美しいブリッジ

<本選出場=60作品>

前回の和歌山大会同様、銅を用いた橋梁の製作を課題とし、耐荷性能、軽量かつ安心感を持てるデザイン性が競われました。“仕様検査”では制作物の質量計測などが行われ、“耐荷性能試験”では10kgと5kgの重りを順に載せ、最大で60kgの載貨に耐えることができるか競われました。
耐荷性能試験では、高専生の熱い闘いが、集まったたくさんのギャラリーを魅了し、会場全体が緊張感と熱気に包まれました。

最優秀賞を受賞した呉高専チームの作品
白熱した耐荷性能試験

たくさんのギャラリーを集めた耐荷性能試験

【創造デザイン部門】  テーマ:ふるさと創生× 企画力

<出展=23作品 本選出場=11作品>

『ふるさと創生が達成される高専生らしい新たなビジネスモデルを提案してください。』
という課題の下、それぞれの地域の特徴を捉えた様々なビジネスモデルが提案されました。
高専生のユニークでレベルの高い提案に、行政の首長も加わった審査員も順位を付けるのに苦労していた様子が特徴的でした。
受賞作品には「すぐにでも実現に向けて動き出すべきだ」と、期待のコメントが贈られました。

優秀賞を受賞したサレジオ高専チームの作品
最優秀賞を受賞した石川高専チームのプレゼン

審査員の注目を集める石川高専チームの作品

【AMデザイン部門】  テーマ:安心・安全アイテム開発

<本選出場=26作品>

3Dプリンターでの加工でなければ整形できないような独創的な造形提案。さらに 高齢者や障害を持った人々へのサポート技術、防災・減災技術やシステム、自動車の自動運転サポートツール、など、日々生活していくのに有用なツールや技術を考え出し、その利用や活用方法、機能や性能、またはその形などを具現化することが求められました。

今すぐに使いたくなるような、様々なアイディア作品の展示にたくさんの来場者が集まり、製作者のプレゼンに聞き入りました。ファイナリストによる最終プレゼンでは、ビジネスシーンを彷彿させる自信に満ちた対応に、審査員も惹きこまれ、「商品化」、「起業」という言葉が多く発せられました。

多くの来場者が注目したポスターセッション
AM部門の出展作品は商品化も多く望まれました

ファイナリスト達の熱いプレゼン

結果発表

審査員

【空間デザイン部門】

  • 審査員長 長坂常氏(スキーマ建築計画)
  • 審査員  畠中智子氏(株式会社わらびの)
  • 審査員  平山昌信氏(有限会社艸建築工房)

【構造デザイン部門】

  • 審査員長 斉藤大樹氏(豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系教授)
  • 審査員  岩崎英治氏(長岡技術科学大学大学院工学研究科 環境社会基盤工学専攻教授)
  • 審査員  畠中秀人氏(国土交通省四国地方整備局企画部長)

【創造デザイン部門】

  • 審査員長 松ア了三氏(高知工科大学地域連携機構特任教授)
  • 審査員  坂口祐氏(四国食べる通信/物語を届けるしごと デザイナー)
  • 審査員  上治堂司氏(馬路村長)

【AMデザイン部門】

  • 審査員長 田中浩也氏(慶応義塾大学環境情報学部教授)
  • 審査員  小笠原治氏(株式会社ABBALab代表取締役、さくらインターネット株式会社フェロー)
  • 審査員  松田均氏(経済産業省製造産業局素形材産業室室長補佐)
創造デザイン部門審査員
空間デザイン部門審査員

審査結果

【空間デザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 有明 さるきどころ
優秀賞 米子 隠岐ノ島、里帰リ難民ヲ救エ 〜シェア実家はじめました〜
優秀賞 明石 揺蕩う生死境
審査員特別賞 熊本(八代) ノコス カナラズ 地震から気づかされた 忘れかけていたもの
審査員特別賞 大阪府立大学 らせん -未来型バイクを用いた自立支援型ショッピングモール-
優秀賞を受賞した米子高専チーム
優秀賞を受賞した明石高専の福岡さん

【構造デザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 最善線
優秀賞 徳山 結美弦
優秀賞 捲土橋来
日刊建設工業新聞賞 徳山 透ヶ織
審査員特別賞 鹿児島 桜島 Bridge
審査員特別賞 八戸 東奥の琥珀
最優秀&優秀賞をみごとW受賞の呉高専
優秀賞を受賞した徳山高専チーム

【創造デザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 石川 旅先になる、あなたの「ふるさと」
優秀賞 仙台(名取) 届ける、灯す、紡ぐ、白石環紙っぷ〜かたくら〜号〜
優秀賞 サレジオ 東京やさいくる
総合資格賞 豊田 Waterization City
審査員特別賞 仙台(名取) 防潮堤〜海と陸をつなぐ〜
審査員特別賞 大阪府立大学 流域調整池の有効利用 ふるさと創生企画〜地方に商業は根付くのか〜
最優秀賞を受賞した石川高専チーム
優秀賞を受賞したサレジオ高専チーム

【AMデザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 石川 Myブックエンドサービス
優秀賞 函館 BoonBon
優秀賞 東京都立(品川) 傘Clip
審査員特別賞 旭川 スプロケット間隔零
審査員特別賞 北九州 光太郎
最優秀賞を受賞した石川高専チームの2人
優秀賞を受賞した函館高専チーム

閉会式

全力で競い合ったライバルたちの健闘を熱い拍手で称えあい、“はちきん”と“いごっそう”達の熱い闘いは幕を閉じました。
各部門の受賞作品は審査員の方々からはレベルの高さを称賛する声が相次ぎ、高専生の技術力の高さ、独創的な発想の素晴らしさを改めて感じられた大会でした。
次回は来年12月上旬に「岐阜市(主管校=岐阜高専)」で開催予定。流行にも敏感で、思わぬ発想と高い技術力で企業顔負けの作品を生み出す高専生の活躍を、今後も期待します。

仲間、ライバルの受賞を拍手で称賛
表彰式

興奮冷めやらぬ受賞チームの記念撮影タイム

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