高専デザコン2017 in 清流の国ぎふ

JR岐阜駅北口前広場の信長公像

高専生が主体的に学び、創造的な活動を行う場として、年一回開催される全国高等専門学校デザインコンペティション、通称「高専デザコン」。第14回目となる今回は長良川や木曽川、揖斐川などの清流で知られる岐阜を舞台に、「デザコン2017 in 清流の国ぎふ」を大会名として開催されました。


【メモ】  写真の黄金の信長公像は、岐阜市制120周年を記念し、2009年に市民の寄附によりJR岐阜駅北口前広場に建立されました。偉人の像は各地で見ることができますが、像の向きに何かの意味が込められていることもしばしば。はたして信長公は、、、実は岐阜を訪れる人々を歓迎するために岐阜駅の正面入り口を向いているのだそう。
茶の湯を嗜み、もてなし上手としても知られる信長公。今なお、その精神は岐阜の地に脈々と受け継がれているようです。

歴史に興味のある方はお気づきの通り、岐阜は織田信長公に縁のある土地。井の口と呼ばれていた土地を「岐阜」と改め、楽市楽座などの政策により経済の礎を築き、「天下布武」を以て天下統一の志を成し遂げようとした英雄として、今なお多くの人を惹きつけます。信長公像の目と鼻の先にある大会会場「じゅうろくプラザ」を舞台に、今年も高専生の天下取りをめざした熱い戦いが繰り広げられました。
主催 一般社団法人全国高等専門学校連合会、独立行政法人国立高等専門学校機構
主管校 岐阜工業高等専門学校
協力 豊橋技術科学大学 長岡技術科学大学
競技部門 空間デザイン部門、構造デザイン部門、創造デザイン部門、AMデザイン部門、プレデザコン部門
開催日程 本選 : 2017 年 12 月 2 日 ( 土 )〜 3 日 ( 日 )
開催地 岐阜県岐阜市
会場 じゅうろくプラザ(JR岐阜駅前)
会場のじゅうろくプラザ
デザコン2017 in 清流の国ぎふ

開催部門の紹介

【空間デザイン部門】  物語(ナラティブ)を内在する空間

<応募=155作品 本選出場=11作品>

地域にナラティブをはらんだ空間が埋め込まれることで、再び活気を取り戻し、活き活きとした地域が蘇るのではないか。わたしたちの周りに素敵な出来事や出会いを生み出し、日々、予期しない驚きに満ちた豊かな世界を生み出すことができるのではないか。そんな期待が込められた本部門のテーマ。 難しい課題に対して豊かな発想で取り組む高専生のレベルの高さはさることながら、審査員の様々な角度からの鋭い質問に、緊張の様子を見せながらもしっかりと応える姿は、この経験を糧に今後ますますの成長が期待されます。155の応募作品の中から選び抜かれた11の作品。最終審査では、スケッチ、模型、空間構成、その土地・人のリサーチ、社会問題の解決へ取り組む姿勢など、それぞれの作品に対して称賛の声が上がり、順位を付けるのが本当に難しいと審査員を困らせた程、レベルの高い戦いとなりました。

最優秀賞を受賞した仙台高専のポスターセッション
審査員特別賞を受賞した有明高専の作品
細部にこだわりが詰まった仙台高専の模型
優秀賞を受賞した明石高専のポスターセッション

【構造デザイン部門】  そこのけそこのけ、王者が通る

<本選出場=56作品>

今大会では、これまでの水平に架ける橋梁から、斜めに架ける橋梁へと内容が大幅に変更された他、「群雄割拠ステージ」と「天下統一ステージ」が設けられ、さらに「天下統一ステージ」は、信長ステージ→秀吉ステージ→家康ステージとステージアップするか選択するシステム。これまでのように単純に載荷していくのではなく、橋の様子や、他の競技者の結果を見ながら作戦を立て、進軍か撤退かの判断をして競技を進めていくという戦略的要素が組み込まれました。大会テーマにふさわしい武将軍団も応援に駆け付け、戦いを大いに盛り上げました。

新ルールとなった耐荷性能試験
応援に駆け付けた武将軍団
主幹校岐阜高専の下村先生によるルール説明
注目を浴びる耐荷性能試験

【創造デザイン部門】  テーマ:地産地“興”(ちさんちきょう)

<応募=47作品 本選出場=10作品>

今年の創造デザイン部門は「地産地“興”(ちさんちきょう)」をテーマに開催されたました。地方創生が叫ばれて久しい現在、地域で産まれるものを活かして地域を興そうという願いが込められた創造力あふれる数々の提案が発表されました。近年レベルの向上が著しい創造デザイン部門。今年もそれぞれの高専のお国柄が盛り込まれた地元愛あふれる提案や、実務レベルのリサーチに基づく提案も多くみられ、審査員も思わず唸るハイレベルな戦いとなりました。総括では、皆さんの提案に込められた熱い想いをこのコンペだけで終わらせず、今後も地域のために何ができるか考え続けて欲しいとエールが贈られました。

最優秀賞を受賞した秋田高専のポスターセッション
優秀賞を受賞した仙台高専のプレゼン
総合資格賞を受賞した舞鶴高専のプレゼン
審査員特別賞を受賞した石川高専の作品

【AMデザイン部門】  テーマ:安心・安全アイテム開発

<応募=24作品 本選出場=12作品>

3Dプリンタによる社会実装を目指した作品で競うAMデザイン部門。2015年に新設された本部門は、社会の要請に応える技術と発想が求められ、最も生活に密着した提案が行われる部門です。今回のテーマは「安心・安全アイテム開発」。日常に安心・安全を提供するアイテムや防災に関連するアイテムなど、高専生のユニークかつ鋭い着眼点が遺憾なく発揮された作品が並びました。それに呼応するように審査員からも、時に起業家に向けるように厳しく、そして学生の未来に期待する温かいコメントが寄せられました。

審査員特別賞を受賞した木更津高専の作品
優秀賞を受賞した弓削商船高専の作品
優秀賞を受賞した石川高専の作品
出展作品は商品化も多く望まれました

結果発表

審査員

【空間デザイン部門】

  • 審査員長 宇野享氏(CAnパートナー、大同大学工学部建築学科教授)
  • 審査員   若林亮氏(株式会社日建設計 執行役員設計部門代表)
  • 審査員   大宮康一氏(岐阜大学地域協学センター・准教授)

【構造デザイン部門】

  • 審査員長 岩崎英治氏(長岡技術科学大学大学院工学研究科 環境社会基盤工学専攻教授)
  • 審査員   中澤祥二氏(豊橋技術科学大学 建築・都市システム学系教授)
  • 審査員   岩田美幸氏(国土交通省 中部地方整備局 企画部長)

【創造デザイン部門】

  • 審査員長 箕浦秀樹氏(岐阜大学名誉教授、リエゾンラボみのうら代表)
  • 審査員   武藤隆晴氏(郡上市商工観光部参与)
  • 審査員   嵯峨創平氏(岐阜県立森林文化アカデミー教授)

【AMデザイン部門】

  • 審査員長 新野俊樹氏(東京大学生産技術研究所教授)
  • 審査員   早野誠治氏(株式会社アスペクト代表取締役)
  • 審査員   松田均氏(経済産業省製造産業局素形材産業室室長補佐)
創造デザイン部門審査員
空間デザイン部門審査員

審査結果

【空間デザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 仙台(名取) 杜ヲ温ネテ森ヲ想フ
優秀賞 明石 古い土地の新しい夜明け
優秀賞 明石 時とともに・・・ - 7つのトキと地域の子育て空間 -
審査員特別賞 有明 じじばばは上をゆく
審査員特別賞 石川 あふれだす児童館
明石高専の2作品が優秀賞を受賞
審査員特別賞を受賞した2チーム

【構造デザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 徳山 紡希
優秀賞 小山 Reinforce B
優秀賞 福島 剛橋無双
日刊建設工業新聞賞 松江 真田軍扇
審査員特別賞 米子
審査員特別賞 再善線
今年も強かった徳山高専
審査員特別賞を受賞した呉高専

【創造デザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 秋田 竿燈見に来てたんせ
優秀賞 仙台(名取) うらとのさち・あらたなかち
優秀賞 仙台(名取) イノシシと共存、丸森で共存
総合資格賞 舞鶴 健輪のムコウ
審査員特別賞 岐阜 地域住民が運営するコミュニティカフェ
-本巣市北部地域を対象として-
審査員特別賞 石川 雨のち、金沢 のちのち金沢
最優秀賞を受賞した秋田高専
仙台高専の2作品が優秀賞を受賞

【AMデザイン部門】

高専名 作品名
最優秀賞 函館 Fantasistar
優秀賞 弓削商船 安心はかり「確認くん」
優秀賞 石川 Bright
審査員特別賞 苫小牧 柄ノ器
審査員特別賞 木更津 アクティブマスク
優秀賞を受賞した石川高専
受賞チームが大集合

閉会

全力で競い合ったライバルたちの健闘を拍手で称えあい、高専生たちの天下取りをめざした熱い戦いは幕を閉じました。
高専生のデザイン力とものづくりの力に審査員も来場者も圧倒される高専デザコン。その出展作品は年々レベルが上がっているように感じます。厳しい予選を勝ち抜いた空間デザイン部門や創造デザイン部門では発想力の高さはもちろん、その土地や地域に暮らす人々の生活を徹底的に調査するリサーチ力にも感心させられます。
“地域を知り、地域の方々と語らい、新しい価値観や考え方を形成し、共有することで根付かせる”という高専の教育メソッドの成果が発揮されるのがまさにデザコンという大会です。

構造デザイン部門表彰
AMデザイン部門表彰
全国の高専生が一堂に会するデザコン
2017年の熱い戦いが幕を閉じました

来年の開催地は北海道。11月の開催です!

日程: 2018年11月10日(土)− 11日(日)
会場:釧路市観光国際交流センター

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