赤レンガ卒業設計展2018
赤レンガ卒業設計展2018 ダイジェスト映像
赤レンガ卒業設計展2018
名称 | 赤レンガ卒業設計展2018 |
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日程 | 開催日:2018年3月22日(木)〜26日(月) 講評審査会:2018年3月23日(金) |
会場 | 赤レンガ倉庫1号館 |
審査員 | 審査員長 審査員 |
主催 | 赤レンガ卒業設計展2018実行委員会 |
特別協賛 | 株式会社総合資格/総合資格学院 |
赤レンガ倉庫開館と共に歩み続ける設計展
関東の主要大学による合同卒業設計展「赤レンガ卒業設計展2018」が、3月22日(木)〜3月26日(月)の5日間、横浜赤レンガ倉庫(横浜市中区)で開催されました。今年は16大学20学科が参加し、130作品が1号館2Fスペースに展示されました。大学生活の集大成ともいえる作品が並ぶ会場には、建築学生や観光客など大勢がつめかけ、大変な賑わいとなりました。
今年の設計展のテーマは「joint」。
2018年で赤レンガ倉庫開館15周年と共に、第15回を迎える本設計展。建築と人々をつなげる、これまでの15年間をつないでいくという想いを込められています。
■参加大学
東京都市大学/日本大学/首都大学東京/工学院大学/前橋工科大学/東京工業大学/東京理科大学/東京電機大学/共立女子大学/昭和女子大学/日本女子大学/横浜国立大学/神奈川大学/明治大学/法政大学/宇都宮大学
二次審査へと進む10作品が決定
3月23日(金)には、今回の最優秀作品、優秀作品を選出するために、一次・二次審査からなる講評審査会が行われました。10時の会場と共に一次審査がスタート。5人の審査員が全ての作品を巡回し、二次審査に進む10作品を選出しました。
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- 新居 千秋氏
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- 光井 純氏
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- 藤村 龍至氏
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- 猪熊 純氏
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- 大西 麻貴氏
二次審査進出の10作品
作品名 | 名前 | 学校名 |
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『建築の生命化』 | 渡辺 顕人さん | 工学院大学 |
『SPACE for SPACE -宇宙環境と居住空間-』 | 鶴田 叡さん | 東京都市大学 |
『水と共に生きる-分散型インフラを核としたコミュニティの提案-』 | 山口 裕太郎さん | 東京工業大学 |
『蛇落地悪谷再考8.20の記憶』 | 山田 清香さん | 東京理科大学(理工学部) |
『街並玄関孔』 | 今埜 歩さん | 東京理科大学(理工学部) |
『集積する都市のバックヤード』 | 佐藤 耕介さん | 日本大学(生産工学部) |
『拝啓○○様.-時に囲われたあなたの居場所』 | 外山 純輝さん | 日本大学(生産工学部) |
『解体の庭-家の集合体から部屋の集合体へ-』 | 松井 裕作さん | 日本大学(生産工学部) |
『浦賀再賑-産業の抜け殻の再編で描く未来の浦賀-』 | 原 寛貴さん | 東京電機大学 |
『野島掩体壕博物館』 | 斎藤 嵩樹さん | 東京電機大学 |
二次審査を経て、最優秀賞・優秀賞・各審査員賞が決定!
13時15分からは同館3Fの大ホールに場所を移し、審査員5人による二次審査が行なわれました。審査は、プレゼンテーション5分、質疑応答5分という形式で進行。その後、審査員から講評を述べた上で、作品に投票し各賞を決定しました。最優秀賞・優秀賞を選出する際には、審査員の票が割れたこともあり、指名された学生に追加アピール時間が与えられました。「これを話さないと壇上から降りられないという気持ちで」という司会の藤村氏の言葉に背中を押され、自身の作品の特徴や必要性を訴えかける学生の姿が印象的でした。投票の結果、最優秀賞は日本大学の外山 純輝さん「拝啓○○様.-時に囲われたあなたの居場所」に決定しました。審査員の講評や各賞は以下の通り。
各審査員講評
光井氏
最終選考に残った10作品のうち、7作品が街の再生・街づくりでした。これは建築を単体で考えるのではなく、地域の形成といった視点で考える必要性が、学生そして日本全体で高まっているのだろうと感じました。様々な作品と出会い、私自身も勉強になりました。
藤村氏
卒業設計については、この作品が次の時代をリードする、今の時代に必要されているといった批評性に重きを置いてみるようにしています。今回、最終選考に残ったなかで「住民の人々の声を聞いて計画した(外山 純輝 さん)」「様々な情報を計測・数値化し運用した(渡辺 顕人さん)」といった、多くのデータを活用している作品に興味を持ちました。
大西氏
それぞれのプレゼンテーションのなかで、芯となる考え方が言葉の端々に表れていました。コンセプトを深く掘り下げていくと、人の心や社会を動かしていくことにつながると思っています。そういった可能性を各プレゼンターから感じられたことを嬉しく思いました。
猪熊氏
二次審査に進んだものだけでなく、今日展示されている全作品を通じて、メッセージのベクトルが優しいといった印象を持ちました。私もそういった優しさを大事にして計画する方ですし、必要な考え方です。一方、そういった優しさとはまた違うベクトルで宇宙空間やeコマースを題材にするなど、先進性に切り込んでいた作品もあり刺激的でした。
新居氏
今回作品の選出にあたり、審査員の間でも評価が分かれました。それぞれの時代を生きてきた建築家たちの価値観は様々であり、またそれを面白く感じることができました。
大学卒業設計というのは、生涯に一度の機会です。研究室の同級生やこういうところで出会った仲間との縁を大事にしてください。私も大学時代の友人と今でも親睦があり、仲間がいることが刺激になっています。
15年前に赤レンガ倉庫のリノベーションに携わった時に「いつか自分の設計でこの地に何か作ってみたい」と夢見ていました。その願いがたまたま叶い、この近くに超高層ビルを設計することができました。「Keep On Fighting」という私の好きな言葉がありますが、夢見て挑戦し続けることは非常に大事です。
ここにいる皆さんが夢を語り合い、様々なものに挑戦し、次世代の建築家になってくれることを期待します。
最優秀賞 |
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『拝啓○○様.-時に囲われたあなたの居場所』 外山 純輝 さん 日本大学(生産工学部) 敷地は川越の伝統的建造物群保存地区の一画。現在観光地として需要が高まり観光客で賑わう。しかし商店街であった場所がテナントに入れ替わっていくことで、地域住民と観光客との接点は減り、住民は街に閉じ込められている印象を強く持った。保存の対象である街区の表皮には手をつけずに、街区全体の住民に対するヒアリング調査によって希望を紡ぎ出し、街区の内部に住民のための施設を計画する。 |
優秀賞 |
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『建築の生命化』 渡辺 顕人さん 工学院大学 建築に生命を吹き込み、人工的な自然物を創り出す。センサーとプログラムで制御された建物は、環境や人の動きに合わせて変化する。「生命」が「生命」に住んでいるクマノミとイソギンチャクのような関係性を、人と建築に築くことをテーマとした。建築物の新たな可能性を提案した作品。 |
優秀賞 |
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『蛇落地悪谷再考8.20の記憶』 山田 清香 さん 東京理科大学(理工学部) 大蛇伝説から「蛇落地悪谷」という地名が残された場所が現在の広島県にある。この伝説は災害を予期させるものであったが、記憶が風化された平成26年8月20日に再び土砂災害が発生した。そこで、土砂を受け流す仕組みや災害時を想定した住宅、砂防堰堤や復興団体用の拠点を計画するなど、自然と適応した集落の在り方を提案する。 |
新居千秋賞 | ||
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猪熊純賞 | ||
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藤村龍至賞 | ||
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光井純賞 | ||
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大西麻貴賞 | ||
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