第4回 瀬戸内海文明圏 建築シンポジウム 瀬戸内ニューライフスタイル 仕事、住まい、移住、エネルギー

第4回 瀬戸内海文明圏 建築シンポジウム
瀬戸内ニューライフスタイル 仕事、住まい、移住、エネルギー

名称

第4回 瀬戸内海文明圏 建築シンポジウム
瀬戸内ニューライフスタイル 仕事、住まい、移住、エネルギー

日程 2018年11月25日(日)
会場 神戸大学 出光記念ホール(出光佐三記念六甲台講堂)
基調講演 伊東 豊雄氏(伊東豊雄建築設計事務所)
講演・
パネリスト
  • 古谷 誠章氏(早稲田大学教授・日本建築学会会長)
  • 槻橋 修氏(神戸大学大学院准教授)
  • 坂東 幸輔氏(京都市立芸術大学講師・坂東幸輔建築設計事務所)
研究発表
  • 山田 葵さん(広島大学大学院)
  • 兵頭 周作さん(広島大学大学院)
特別顧問 岸 隆司(総合資格学院 学院長)
司会 岡河 貢氏(広島大学大学院 准教授)
主催
  • 瀬戸内海文明圏「これからの建築と新たな地域性」創造・研究会
  • AISU(Architectual Institute of Setouchi Union)
共催 神戸大学減災デザインセンター(CResD)
後援 総合資格学院

第4回瀬戸内海文明圏シンポジウム 神戸で開催

 
会場の香川県立ミュージアム
開催主旨を述べる岡河 貢氏
2018年11月25日、「瀬戸内海文明圏建築シンポジウム」が、神戸市灘区の神戸大学で開催されました。発起人として総合資格学院学院長 岸隆司が特別顧問を務める本シンポジウムは、瀬戸内海文明圏『これからの建築と新たな地域性』創造研究会が主催し、総合資格学院が後援。第4回目となる今回は、神戸大学減災デザインセンター(CResD)の共催により開催されました。シンポジウムでは、先日、文化功労者に選ばれるなど、今なおトップランナーとして業界をリードする建築家の伊東 豊雄氏による基調講演と、古谷 誠章氏、坂東 幸輔氏、槻橋 修氏の講演、広島大学大学院修士による研究発表が行われました。会場に集まった学生や建築関係者は、第一線で活躍する建築家の講演を熱心に聴講しました。
開催主旨を述べる司会の岡河 貢氏
司会の岡河 貢氏は会の趣旨説明で、近畿・中国・四国・北九州などの瀬戸内に面する地域で活動を行う若い建築設計者や学生に向けて、瀬戸内建築が持つ魅力を共有・発信するために本シンポジウムを開催していると説明。
「瀬戸内海地域は丹下健三氏や前川國男氏など、戦後日本を代表とする建築家の作品が多く建てられており、近代以降の建築活動で重要な試みがなされてきた場所です。地方の未来を憂う声が聞こえる中、このような特徴的な地域で建築を考える事で、新たな建築文化が生まれ、そして未来に繋がるのではないかと思っています。今回は『仕事、住まい、移住、エネルギー』という観点から、瀬戸内海の可能性について考えたい」と語りました。

総合資格学院 岸 隆司学院長による挨拶

挨拶をする総合資格学院 岸 隆司学院長

基調講演に先立ち、特別顧問の当学院学院長 岸 隆司は「本シンポジウムは、2015年の尾道に始まり、福岡・香川と好評を博し、この神戸で瀬戸内海を一周してまいりました。当学院の事業は、建築士試験など資格試験に合格していただく事を主体とした学校運営ですが、未来の日本をつくる人材を輩出する教育機関として建設関連の深い知識だけではなく、高い倫理観と正しい社会性を持ち合わせた資格者の育成こそが私たちの使命であると考えています。これから地方の新しい社会を担う学生や若者へ建築の素晴らしさや重要性を伝えていくためにも尽力してまいります」と、業界と日本の未来に貢献する意向を述べました。

伊東豊雄氏による基調講演と広島大学修士の発表

聴衆に語りかける伊東 豊雄氏

講演の冒頭で伊東 豊雄氏は、奈良・平安時代に中国からの文化輸入が瀬戸内海を通って行われたという歴史的背景や、戦後から高度成長期以降に瀬戸内海地域で活躍した丹下 健三氏、長谷川 逸子氏、村上 徹氏の建築物などを紹介しながら「文明の通り道や建築の発展の場となった土地でもあり、災害も少なく住みやすい地域。日本の文化圏として最適な場所の一つだと思う」と瀬戸内海地域の特徴と合わせて自身の見解を述べました。

愛媛県今治市の協力の下に自身の建築ミュージアムを建てたことがきっかけで、大三島に通うようになったと伊東氏。このような縁で繋がった地域に貢献したいという想いから、大三島で活動を行っていると語りました。発表では、空き家を修復した近隣住民の人々が集まる事の出来るカフェ「みんなの家」や、学校を民宿に改修した「ふるさと憩いの家」、柑橘の耕作放棄地を葡萄畑に変え、住民の協力を得ながら始めた「ワインづくり」などといった活動と、移住してきた人々がそのカフェや農業に携わりながら心豊かに生活している様子を紹介。「これからも、島がもっと元気になるようお手伝いしていきたい。元気といっても観光地化するというのではなく、訪れた人が瀬戸内のライフスタイルを感じ、明日を考える。そういった場になればと思っている」と語りました。

その後、伊東氏の基調講演でもキーワードとしてあがった瀬戸内海の島々における「エネルギー」「移住」について、広島大学大学院修士生が研究の発表を行いました。

山田 葵さん
写真1

「大三島の自然エネルギーポテンシャル」

自然エネルギーの活用方法や創出量をシミュレーション。合わせてエネルギー消費量を調べた結果、大三島などではエネルギーの自給自足が可能であると発表。

兵頭 周作さん
写真1

「瀬戸内移住と住まい」

移住に伴い生まれる問題点や傾向を研究。移住者と地元住民の双方の交流を促すことで関係性がプラスに働く点などを発表。

建築家3名の講演とパネルディスカッション

基調講演後、瀬戸内海を中心とした近作や活動、まちづくりについて坂東氏、古谷氏、槻橋氏が発表。その後は「これからのライフスタイル」について、登壇者によるパネルディスカッションが行われました。
坂東 幸輔氏
写真1

「徳島県神山町での空き家再生まちづくり」

・サテライトオフィス
・宿泊滞在施設 Week神山 等

古谷 誠章氏
写真1

「四国から見た瀬戸内、本州から見た瀬戸内」

・アンパンマンミュージアム
・小豆島堀越地区シシ垣 等

槻橋 修氏
写真1

「神戸における新しいライフスタイルの挑戦」

・失われた街模型復元プロジェクト/三宮BOS
・メルボルン プレイスメイキング 等