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SPECIAL INTERVIEW
情熱には、時に試練が付き纏う

林田 大晟さん (25) 令和3年度 1級建築士合格
- 学歴:
- 大学院
- 勤務先:
- 設計事務所(意匠設計)
- 教室:
- 久留米校
計画:11点 環境/設備:16点 法規:29点 構造:24点 施工:17点
受講講座
- 受験回数:
- 学科2回/設計製図1回
この仕事の道に進もうと思ったきっかけ
カタチを介して問題解決を試みるというロマン
平面の折り紙を対角線に2つ折りすると山ができ、もう一度折ると谷ができます。さらに様々な操作を加えると鶴になったり蛙になったりなど、複雑な形態を持つ立体へと姿を変えることができます。幼少期、祖母に教わった折り紙から、このような形態操作に魅了され、よりスケールの大きい建築へと発展していったような気がします。カタチを介してあらゆる問題解決を行う。こんなロマンは建築以外に見出すことができません。必然的に建築を志し、設計事務所へ勤めるようになりました。
1級建築士試験の受験を決断した理由・きっかけ、また受験を決める際に不安だったこととその克服法
建築を志す者としての土台づくり
1級建築士は建築を志す者にとって必須の資格です。大学院を修了した流れで迷うことなく資格勉強を始めました。テキストや問題集を開くと難しい事柄が多く見受けられましたが、同じ事務所で働くベテラン達はそれらの知識を当たり前のように有しています。分からないことは事務所のおっちゃんに聞くと解決できます。なにかと時間外労働の多い世界ですが、見方を変えれば一日中勉強できる環境にいるのかも知れません。
独学または、他の学校利用ではなく「総合資格学院」に決めた理由
野副さんの熱烈なラブコールと、圧倒的問題量
全くもって総合資格学院へ通うつもりはなく「俺なら独学で行ける」そう思っていたので一年目は総合資格に通いませんでした。しかし、一年目の試験に落ち、全てのプライドを脱ぎ捨て総合資格に通い出しました。いざ通うと目の前にはケルンの如く高く積み上げられた問題集。私の山岳用ザック30Lが山道具以外で満たされるとは思ってもいませんでした。
ご自身と独学者を比べてみて、一番大きな違い
独学者だった私 ≪ 総合資格を選んだ私
結論から言うと、雲泥の差です。独学者の私は井の中の蛙でした。総合資格学院があまりに大海であり自分の存在意義を忘れる程です。大きな違いはスケジュール管理です。山を愛好する者としては全て自分で計画したいところですが、やはり実績のある総合資格の計画は実に秀逸です。予習と復習のサイクルが構築され、効率よく知識の定着に励むことができます。独学に予習はありません。世の中には独学で合格する猛者も見受けられますが、やはり独学にかけるエネルギーがあるなら仕事に使いたいです。
合格したからこそ言える失敗談や反省点、受験期間中の印象に残るエピソード
満を辞して挑み、惜敗した模試
全国の10%に入るには校舎の1位で然るべきだと思っていたので、寝る間も惜しんで勉強に取り組んでいました。しかし終わってみれば表彰台も逃す順位。原因は基本問題を解けていなかったことです。ただこの経験によって基本問題に真摯に取り組むようになり、確実に点数を取れるようになりました。受験期間中は完全に一人の世界に浸っていました。ほとんど誰とも喋っていなかったように思います。そんな私に対しても、学院のスタッフは優しく声をかけて下さりました。
勉強時間のつくり方について、苦労した点・工夫した点
何時間より何問解くかを考える+適切な学習環境をつくる
例えば、仕事終わりに問題を100問解くと決める。100問解くまでは寝ない。きついけど追い込みます。1時間すると決めたところで人という種は堕落を求めます。睡眠時間が削られることも多々ありますが、仕方のないことだと思います。また、人間は永久機関ではないのでがんばり続けることは難しいです。がんばらなくても勉強ができるように、次の日に着る服の上にメモ紙を置いたり、通勤時間でトレトレを取り出しやすいようにしたり、仕事時のパソコンや受話器に付箋を貼るなど、自然と勉強へ意識が向くシステムづくりを行いました。
当学院で学習した内容が、お仕事で活かせたエピソード
事務所内の会話に混ざれる
事務所の所員は30年40年選手のベテラン達。そして私は2年目の新人。いつも会話に置いてけぼりなのは当然のことです。しかし学習を続けるにつれ、少しは会話の中身が分かるようになったのは喜ばしいことです。
当学院指導の大きな特長である、講師によるライブ講義を受けて良かったこと
ライブ講義を受けて満足しない
ライブ講義はその日に学ぶ分野の要点をまとめ、分かりやすく解説してくれるものです。もちろん質問にも対応していただけます。一見メリットのように感じますが、それに甘んじるとデメリットになります。基本的には自分で理解して、自分で解決だと思います。私は自分の理解でいいかどうか不安なときに、講師に確認していました。専門的な立場から教えていただけるので、勉強する上で非常に頼もしかったです。
得意科目と苦手科目
得意科目
苦手科目
得意にできた理由、もしくは苦手科目の克服法
法令集はインデックスに頼らない
法規はまるでホワイトアウトです。右も左も分かりません。しかし、法令集の構造を知るためにインデックスを貼らずに学習へ取り組みました。途中で遭難することも多々ありましたが、段々と慣れてきたころに、インデックスを貼りました。2ヶ月かかった法規の問題集も、試験直前では6.5時間でこなせるようになり、法令集は立派な相棒として頼もしい存在になりました。
設計製図試験も見据え、学科学習時から正しく理解し、記述できるレベルまで実力を引き上げる指導から感じた効果
間接的に意味がある
設計製図試験では、記述で建築計画、設備、構造、環境問題について問われます。これらの知識の根源には、学科で学んだ事柄があります。学科の講座から記述対策を行なったことで、理解が進むと同時に、製図試験へスムーズに入ることができたと思います。
学科合格のポイント
残り4ヶ月の周到な学習計画と凡ミス対策の徹底4月から学習計画にとことんこだわるようになりました。取りこぼしがないように管理することで、万全の準備ができたと思います。それぞれの教材に取り組みつつ、間違えやすい問題は全て付箋にメモし、ノートに貼って、翌朝確認するようにしました。その他にも、ボールペンを使う・問題文はペン先を当てて読む・オレンジペンで解いて赤シートで解き直す・寝る前に勉強したことは翌朝再確認・解説をよく読む・スマホの待ち受けを活用・家中の至る所にメモを貼るなどしました。私の生き甲斐とも言えるキャンプや山を諦め、SNSを閉じ、本試験の始まる15分前まで勉強と向き合いました。「令和3年度1級建築士試験に合格する」と思い立った日の情熱を、一年を通して静かに周到に運び、本試験で解放するのです。
エスキスや記述(プランニング)で苦労した点や克服法、講義で役に立ったこと
模範解答や他の人の案と自分の案を対比し分析する
読み取りでは、課題文の3回チェック。1,2回目はラインを引き、3回目はラインを引いてないところを見ることで、見落としがなくなりました。また、エスキスの流れを掴むために、毎週の講義後は、プランニングシートとエスキスプロセスレポートと映像を活用してA4方眼紙に再度エスキスをまとめ理解に努めました。記述は毎日寝る前にいくつか解答例を読んで、翌朝再確認。プランニングは、完璧を諦めることで心にゆとりが生まれました。総じて、本番でミスしないために講義でミスをする必要があります。間違えかどうかは講師がしっかり判断してくれます。ダイアリーの間違えノートを有効活用し、同じミスをしないように何度も反芻することが大事です。
作図で苦労した点や克服方法、講義で役立ったこと
本番を想定したイメージトレーニング
初日は山の頂すら見えなかった作図。まずは模範解答のトレースを行い、時間を気にせず作図の流れを把握しました。次第に自分の案の作図と模範解答を交互に作図し、自分の案の質の向上に努めました。イメージトレーニングはどこでもできます。仕事中もぼんやり「まずはこれをして、次にこれで、」みたいなことを想像していました。1/200を無心で描けるように1/400に家具等のレイアウトをするようにしました。
設計製図試験において、学科対策期間中からやっておいてよかった、あるいはやっておけばよかったこと
設備と構造のイメージを図で描けるようになる
製図試験は図が問われる試験であるため、言葉だけ覚えていてもあまり試験には役に立たないように感じます。例えばダブルスキンとエアフローウィンドウの違いを図で説明するような感じです。図で理解すると製図試験に有利になると思います。あと製図試験は周到な学習計画が必要になるので、学科のうちからその癖はつけておく必要があると思います。
製図合格のポイント
総合資格の講師とチューター合格することができたのは、講師とチューターの指導のおかげです。講師やチューターは、図面の添削だけでなく、課題文のライン引き、エスキス、記述、プランニングまで全てに目を通して下さり、多くの助言を頂きました。また、教室のメンバー同士で教え合う機会が多く、互いに成長することができたと思います。製図の勉強はまずゆっくり丁寧にが重要です。少しずつペースを掴んでいきましょう。山歩きと同じです。
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学科問題集
過去問を100%こなすに越したことはありません。最初はかなり時間がかかりますが、1周目ではそれほど知識も定着しません。しかし数をこなせば知識の層が厚くなってきます。環境に関しては5周目ぐらいで1周2時間でこなせるようになりました。各教科5周以上は解き、それだけこなすことで自信がつきました。
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グループ交換添削
グループ添削を通して、製図が上手い人のテクニックを盗むことができます。いろんな人の良さを分析して自分に取り込みました。私の製図合格は講師、チューター、そしてクラスメイトのおかげです。
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教務スタッフ
宇宙に陰陽の原理という法則があるように、人間の感情にも浮き沈みがあることは当然のことです。気が沈んでるときは励まされたいし、浮いてるときは気を引き締めるきっかけが欲しいものです。そのバランサーという役割は非常に難しいものですが、教務スタッフの応援により、道を見失うことなく歩き続けることができました。
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