1.課題タイトルからイメージできること

図書館は、図書その他の資料を収集・保存して、地域住民のために、閲覧、貸出し、参考調査(レ ファレンス)などのサービスを提供する施設です。施設の構成としては、閲覧部門のほか、学習部門、 災害時の避難所としての機能など、地域住民の要望に応えるために、多様な施設が想定されます。

多様な施設の例として、子供や子育て世代の交流の場としての子供室(プレイルーム)、市民の健康 増進を目的としたプール室、地域のイベント会場となる多目的ホールなどがあげられます。

2.当年度の課題タイトルからわかる3つのポイント

ポイント(1) 大空間や吹き抜け空間の対応が求められる

令和5年の課題について、用途としては、単一用 途が想定されますが、平成30年「小都市に建つ市庁舎」のように 吹き抜け空間で縦系統が分かれる可能性も考慮する必要があり、 大空間においては、空調設備や照明設備の計画がとても重要と なります。省エネルギーはもちろんのこと、快適性や利便性など も求められます。他にも、図書館には蓄熱式空調システムの採用 も想定されます。試験対策としては、どのような計画条件が指定 されても対応できるように、様々なケースを想定した準備をしておく必要があります。

ポイント(2) 音環境に対する知識が求められる

図書館は、図書/資料を閲覧/学習する場であり、静かな音環境が求められます。人の話し声・足音 などによる音の他、空調ダクト系からの騒音による対策も必要です。同じ系統のダクトで接続されている室があった場合、 片方の室の騒音がもう一方の室へダクトを通じて影響するクロス トークや過度な風速による発生騒音にも留意しなければなりません。

ポイント(3) 省エネルギーの知識が求められる

省エネルギーを実現するためには、設計段階において建築計画的な手法(パッシブ手法)を最大限 に活用しつつ、建築外皮については長寿命かつ高性能化した上で、効率的な設備(アクティ ブ手法)を採用し、総合的な省エネルギー化をめざす事が重要です。そして、省エネルギー性に加えて、快適性との両立、太陽光発電や太陽熱利用などの再生可能エネルギーの活用等も考慮するとよいでしょう。 再生可能エネルギーを活用することは、カーボンニュートラルや災害に強い建物の実現にも繋がります。

3.建築設備士第二次試験( 設計製図) の内容について

必須問題と共通問題の出来が合否に大きく影響

必須問題においては、試験方法の変更に伴い、「記入する条件」、「記入個数」、「ただし書きの除外条件」の指 定があり、正しく具体的に記述する力( 意見を的確に相手に伝える能力) が求められます。また、新傾向の出 題が多く出題されることもあり、過去問の丸暗記学習による、条件を無視した解答では大きな減点となる可 能性があります。
共通問題においては、空調平面図、給排水平面図、電気平面図ともに、各々の設備の専門的な技能が問われ るため、答案に差が出やすくなっています。選択設備に関係なく、すべてミスなく完成させるオールラウン ドな力が求められます。

4.令和5年度 合格に向けて

当学院では、6/25・28より今回発表された課題:「市街地に建つ図書館」に特化した製図対策コースをスタートします。
上記コースでは、当学院が当年度課題を徹底分析し制作した5つのオリジナル課題に取り組み、実戦的な学習を通して必要な知識とスキルを身につけます
また、それらの課題に対しては添削を行い確実に合格レベルに到達できるよう指導します。
なお、共通問題となる空調平面図・給排水平面図・電気平面図について、ワークシートを用いた実戦演習を通して、平 面図の正しい作図手順と、特に採点のポイントとなる図面の構成力を磨きます。
本年度製図試験突破をめざされている方は、ぜひ、受講をご検討ください。

総合資格学院の
建築設備士 対策講座について