平成30年度 一級建築士学科試験 総評

平成30年度 1級建築士学科試験 合格実績

平成30年度 1級建築士学科試験「解答・解説会」ダイジェスト動画

現在、全国の当学院各校にて平成30年度 1級建築士学科試験の特徴やポイントがよくわかる『H30 1級建築士 学科試験 「解答・解説会」』を無料開催中!
本映像では、解答・解説会のダイジェストをご覧いただけます!

総論

平成30年度の1級建築士学科試験は、平成29年度と比較して学科U(環境・設備)と学科W(構造)は易しく、その他の科目は同程度の難易度でした。正答肢が初出題の問題は、125問中43問でした。

出題内容としては、実務的な出題や、法改正・新規準・新技術に関わる出題が含まれていた一方で、過去に出題されている内容については、正誤の判断が難しい問題が選定されており、しっかりと準備をしていなければ得点しづらい試験でした。

また、近年出題されている災害対策や省エネに関する内容は本年度も出題されました。
例えば、災害対策に関しては、学科I(計画)のNo.15「小学校を指定避難所として使用する場合の対応の方法」や、学科U(環境・設備)のNo.17「発電設備」、学科V(法規)のNo.12-1,No.27-3「土砂災害特別警戒区域」などが出題されています。省エネに関しては、学科U(環境・設備)のNo.20-3及び、学科V(法規)のNo.30-3,4において、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」といった新しい法律からの出題がありました。
さらに、近年出題が見られる建築設計・監理等業務委託契約約款における委託者と受託者の役割に関する内容も学科I(計画)のNo.18、学科V(施工)のNo.25で出題されました。

今後の試験対策としては、新規出題傾向のポイントを押さえた学習と、原理・原則を正しく理解した上で、身につけた知識を使って、正答を導き出す力を身につける学習がますます重要になるでしょう。

[正答肢が初出題の問題数]

  学科T
(計画)
学科U
(環境・
設備)
学科V
(法規)
学科W
(構造)
学科X
(施工)
合計
平成
30年度
11問
/20問中
6問
/20問中
10問
/30問中
4問
/30問中
12問
/25問中
43問
/125問中

【学科T(計画)】

建築史・作品関連・都市計画の事例問題が計5問出題

建築士の職責等1問、建築計画10問(うち数値に関する問題4問)、都市計画2問(うち「都市再生の事例」1問、「都市計画に関する用語」1問)、建築史・作品4問、建築設計・監理等業務委託契約約款1問、マネジメント用語1問、建築積算1問 が出題されました。建築史においては、例年出題されている事例ではなく、「日本における伝統的な木造建築物の屋根」に関する出題がありました。

防災計画・災害に関する問題が出題

No.15では、「小学校を指定避難所として使用する場合の対応の方法」に関する問題が出題され、近年の災害対策を強く意識した、具体性の高い内容が出題されました。

造形に対する人間の知覚に関する問題が出題

No.8は、「造形に対する人間の知覚に関する問題」という新しいテーマの出題で、選択肢2「ゲシュタルト心理学の基礎概念における「地」と「図」、選択肢3「線遠近法」等の用語が初出題されました。

建築積算は3年連続で図を使った問題が出題

例年No.19で出題されている建築積算が、平成30年度はNo.20で出題されました。平成28年度から3年連続で、図を使った問題が出題されています。

<初出題の主なキーワード>

No.2-1舟肘木、No.2-2桟瓦葺き、No.2-4桔(はね)木、No.3-2ヴァイセンホーフ・ジードルング、No.3-3ムードンの住宅、No.3-4フランクリン街のアパート、No.4-1 屋外の野球場、No.6-1滑り抵抗係数(C.S.R)、No.8-2ゲシュタルト心理学、No.8-3線遠近法、No.9-1車椅子使用者用客室の数、No.10-1小布施町、No.10-3クリエイティブシティ・ヨコハマ、No.10-4環状第二号線新橋・虎の門地区立体道路制度、立体道路制度、No.11-1 CBD、No.11-3 GIS、No.11-4 BID、No.12-4浴槽のエプロン、No.13-2真野ふれあい住宅、No.14サイン、No.15-1マンホールトイレ、No.15-2可搬式のポンプ、No.16幼保連携型認定こども園、No.17-1東京国際展示場(通称:東京ビッグサイト)、No.17-2福島県産業交流館(通称:ビッグパレットふくしま)、No.17-3横浜国際平和会議場(通称:パシフィコ横浜)、No.17-4千葉県日本コンベンションセンター国際展示場(通称:幕張メッセ)

今後の学習対策

■高齢者、障がい者等に配慮した計画は、数値を確実におさえる

平成30年度も高齢者、障がい者等に配慮した計画に関する選択肢が随所に見られました。その内でも、No.7-2車椅子使用者用受付カウンターの高さ、No.9宿泊施設における車椅子使用者用客室に関する問題、No.12車椅子使用者に配慮した集合住宅の計画、No.14-3立位の利用者と車椅子を使用する使用者の双方に配慮したサイン表示面の高さ等、数値に関する問題が多く出題されています。これらの数値の正しい理解が確実に得点をするための鍵となっています。

【学科U(環境・設備)】

各分野の出題数は建築設備が増加

環境工学9問(うち図解問題1問、計算問題1問)、建築設備11問が出題されました。

環境工学は原理・原則を問う記述が多数出題

No.1-3「光幕反射」やNo.8-2「明度」等のように、過去問とは問い方を変えた出題が多く見られました。また、No.3-3「風圧力による換気量」やNo.4-3「窓ガラスの日射熱取得率」といった、基本となる用語の定義を整理してきちんと覚えているかを問う出題も目立ちました。

建築設備は省エネルギー・創エネルギーに関する新傾向問題が増加

No.19とNo.20が省エネルギー関連問題として、No.17が創エネルギーやBCPと関連する発電設備の問題として出題されました。No.19-3「太陽電池の種類」は、経済産業省等が推し進めるZEB・ZEHに関連して、創エネルギーの代表例である太陽電池について深い知識が問われました。No.20-3「一次エネルギー消費量」は、近年改正された建築物省エネ法に関する新傾向の内容となっていました。

<初出題の主なキーワード>

No.1-2エネルギー代謝率、No.5-2層間区画、No.10-4空調用ダクトの防音対策、No.12-2冷却塔の設計出口水温、No.17-1デュアルフュエルタイプの発電機、No.17-2屋内に設置する発電機用の燃料槽、No.18-1閉鎖型スプリンクラーヘッドの種別、No.19-3単結晶シリコン太陽電池・アモルファスシリコン太陽電池、No.20-3建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律

今後の学習対策

■環境工学の基本原理を正確に理解する

環境工学においては、原理・原則を正確に理解する必要があります。過去問を丸暗記するのではなく、問われている内容に関する基本原理まで踏み込んで理解していく学習が効果的です。

■建築設備の問題は省エネルギーとの関連に注意

建築設備の問題においては、省エネルギーとどのように関連しているかを理解することがポイントです。建築設備と環境工学の関連なども整理し、増加傾向にある省エネルギーに関する出題に対応していく必要があります。

【学科V(法規)】

各分野の出題数は例年通り

建築基準法20問、関係法令10問 が出題されました。
近年出題数が増えている「建築士法」については、単独問題として2問(No.22,23)、建築基準法と建築士法の組合せで2問(No.21,29)、融合問題として1問(No.28-4)の計5問が出題されました。

直近の法改正に関する出題

No.4-3では、建築基準法において平成28年に法改正された「定期報告」から、具体的な建物用途・規模にて出題されました。また、No.30-3,4では、平成29年4月1日に全面施行された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」から出題されました。

「出題のされ方」に特徴がある問題

No.13では、「木造住宅の軸組最小長さ」を求める図解問題が出題されました。令第46条の図解問題は、これまで2級建築士試験で度々出題されてきましたが、1級建築士試験では平成29年度に初めて出題され、今回2年連続の出題となりました。No.16「建蔽率・容積率」に関しては、建蔽率・容積率の最高限度の組合せを求める問題で、初めての出題形式でした。また、No.17「高さ制限」に関しては、北側隣地の地盤面が敷地の地盤面よりも高い設定で、12年ぶりの出題でした。

「建蔽率・容積率」は正しい手順で確実に解ける問題

No.16「建蔽率・容積率」について、敷地は2つの地域(商業地域、準住居地域)、かつ、防火地域と準防火地域にわたっており、特定道路緩和を受けることができるという出題でした。手順どおりに計算すれば確実に解答できる問題でした。

<初出題の主なキーワード>

No.4-1照明カバーの取替え工事、No.12-1・No.27-3土砂災害特別警戒区域、No.25-4連結送水管、No.27-2都市緑地法、No.30-3,4建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律  

今後の学習対策

■基礎力を身につける

「条文に出てくる用語の意味」や「条文の目的」を理解することが法規の学習の基礎となります。法令集を引きながら、この基礎力を身に付けましょう。条文の目的・内容をきちんと理解しておくことで、設問の正誤に正しく辿り着くことができます。

■判断力を強化する

条文の規定をそのまま照らし合わせるだけでなく、具体的な手続きや建築物に適合するかしないかの判断力を問う出題が増えています。今後も近年の出題傾向を踏まえた学習対策は必要と考えられます。

■文章を読み解く力を養う

過去問または過去問に近い問題は、言い回しや数値を変えるなど、出題に変化が見られます。文章を読み解く基本的な力を養うことも重要な対策となります。

【学科W(構造)】

各分野における出題数はほぼ例年通り、初出題率は減少

構造力学6問、各種構造21問、建築材料3問の出題でした。正答肢が初出題である問題数は平成29年度から減少しました。

構造力学

全体的に近年の出題傾向に沿って出題されました。特徴的な内容としては、No.4の柱の曲げモーメント図が与えられている2層ラーメンの計算問題が14年ぶりに出題されました。総じて、基本的な計算の手順や覚えるべき公式を押さえていれば、確実に全問正解できる内容だったと考えられます。

各種構造

全般的に過去に出題された内容が多く見られました。その中で、No.20は土質柱状図が与えられている特徴的な内容でした。また、No.23、No.26は制振構造、免震構造、プレストレストコンクリート造など、近年注目されている構造形式で構成されている内容でした。

建築材料

正答を導くためには、過去問を正しく理解している必要がありました。

<初出題の主なキーワード>

No.13-4フェイスモーメント、No.20土質柱状図、No.21-3使用限界状態での擁壁の変形等の検討の省略、No.25-2せん断破壊に対する余裕度の確保と基準強度の割増、No.26-1制振ダンパーのエネルギー吸収効率、No.26-2積層ゴムアイソレータの2次形状係数S2、No.26-3プレストレストコンクリート造の梁における地震後の残留変形、No.26-4 CFT柱の軸力比制限や鋼管の幅厚比制限の緩和 No.27-2構造用製材(未仕上げ)の含水率、No.30-2天井と周囲の壁等との間に隙間を設けない構造方法

今後の学習対策

■過去出題内容は確実に得点!暗記ではなく、正答の根拠やイメージをセットにした学習を!

本年度の試験のように、過去出題内容の比率が高い構成の場合、一般にハイスコアの戦いとなり、1問の取りこぼしが命取りとなります。過去に出題された内容であっても、以前と同じ表現で出題されることは少ないため、表現が変えられたとしても確実に正誤判断できるように、過去問の丸暗記ではなく、日頃から一つひとつの内容について、正答の根拠やイメージをセットにして理解しておくことが必要になります。

【学科X(施工)】

各分野の出題数は例年通り

施工計画・工事管理で4問、各部工事で20問、請負契約で1問が出題されました。

数値関連の正答肢のうち半分が初出題

数値関連の正答肢10問のうち、No.3、No.11、No.13、No.19、No.20の5問が初出題でした。過去出題の数値はもちろん、過去問以外の数値についても対応しておく必要があります。

監理業務に関する選択肢

平成29年度と同様に、監理業務に関する内容が、No.1で4肢と、No.25で2肢の合計6肢出題されました。実務において重要な「監理業務」が、試験においても重要視されていることがわかる出題でした。

杭工事の適正な施工に関する出題

No.7-2,3は、既製コンクリート杭および場所打ちコンクリート杭の支持層の確認に関する出題でした。また、No.7以外でも、No.5-4、No.21-1で杭工事に関する内容が出題されました。

<初出題の主なキーワード>

No.7-4グラウトプラント、No.13-2勾配座金、No.15-4軸組構法(壁構造系)、No.16-3簡易接着性試験、No.17-3あと施工アンカー・横筋流し工法、おねじ形の締込み式アンカー、No.20-2雷保護設備における引下げ導線、No.22-1補正係数、No.24-1セトリング、No.24-3ラミネーション

今後の学習対策

■施工の原則(手順と役割)を理解

学科X(施工)は、まず施工の流れを理解することが重要です。さらに、各施工段階における施工上のポイントの理解も必要となります。細部の学習をする前に、工事の流れを大きく捉えて、各段階のポイントを押さえるようにしましょう。

■専門用語の理解 

学科X(施工)には専門用語が多くあり、その用語を知らないと解答できない問題も出題されます。専門用語は、関連する図・写真・現場映像などと結びつけて学習することが重要です。また、近年の試験では多様な範囲からの出題が増えているため、周辺関連も意識した学習を行いましょう。

H30 1級建築士 設計製図講座(作図強化講座付)

No.1スクールの設計製図課題攻略セット

設計製図 本年度課題攻略ガイダンス

日程 随時開催中!
場所 全国の総合資格学院各校
  • ※開催日程や開催場所は、教室によって異なる場合があります。
料金 無料
持参物 筆記用具一式

→ お申込の前に「最寄の教室」を検索する方はこちら

ガイダンスお申込フォーム

※上のボタンをクリックして表示される「Web申込フォーム」のガイダンス名欄に、
1級製図課題攻略ガイダンス」とご入力のうえお申し込みください。

※お申込後、当学院担当より、会場や詳細をご案内をいたします。

【無料アプリ】製図TIMER

1級・2級建築士設計製図試験対策 製図タイマー

H31 1級建築士 総合セット(学科+設計製図)

学科試験 解答・解説会

講義イメージ

平成30年度1級建築士学科試験でポイントとなった問題を中心に、当学院の講師が、正誤の根拠が正しく理解できるよう、わかりやすく解説します。 全国の総合資格学院各校で7月23日より随時開催!実績No.1スクールのガイダンスで、平成30年度試験をしっかり見直しましょう!

日程 随時開催中!
場所 全国の総合資格学院各校
料金 無料
持参物 筆記用具一式

→ お申込の前に「最寄の教室」を検索する方はこちら

※上のボタンをクリックして表示される「Web申込フォーム」のガイダンス名欄に、
1級建築士学科試験 解答・解説会」とご入力のうえお申し込みください。

※お申込後、当学院担当より、会場や詳細をご案内をいたします。

学科試験 解答・解説書 無料プレゼント

プレゼント

●専門指導校による、丁寧でわかりやすい解説を掲載
平成30年度 1級建築士学科本試験 『解答・解説書』

平成30年度本試験を徹底分析!正答肢はもちろんのこと、資格専門指導校ならではの詳しい解説を掲載しています。 受験された方も、これから受験予定の方も、必須のアイテムです。

  • ※解答・解説書は当学院が独自に作成するもので試験実施機関とは一切関係ありません。
  • ※写真はイメージです。
 
総合資格学院でめざす一級建築士 総合資格学院は、一級建築士設計製図試験合格を応援します!

総合資格学院は、発表された当年度課題から想定されるあらゆる条件の対策を行う、当年度課題攻略のための「 1級建築士設計製図講座」を開講します。
また、総合資格学院各校にて、本年度課題の攻略ポイントをお伝えする、「設計製図課題攻略ガイダンス」を無料開催します。合わせてご利用ください。

カテゴリトップに戻る 前のページに戻る pagetop