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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

(C) Nikolny - Fotolia.com
  • ツーリスト
  • 『ツーリスト』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • ■販売元:(株)ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
  • ■価格:¥1,980(税込)
  • 監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
  • 出演:アンジェリーナ・ジョリー、ジョニー・デップ、ポール・ベタニー、ティモシー・ダルトン、スティーヴン・バーコフ 他
 

(C)2010 GK Films, LLC. All rights Reserved.

サン・マルコ広場(イタリア〜ヴェネツィア)

英雄も認めた世界で最も美しい広場

イタリア〜ヴェローナ

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「アドリア海の真珠」と謳われる魅惑の水上都市ヴェネツィア。かつて東西貿易の中心・ヴェネツィア共和国として7世紀末から1797年まで1000年以上もの間栄えたここは、100以上ある人口の浮島が400の橋で結ばれた世界でも珍しい水上都市です。船と徒歩が唯一の交通手段であり、運河をゴンドラが行きかう光景は旅情気分を大いに高めてくれます。

 

ジョニー・デップ扮するフランクが舞踏会へ向かうため、タキシード姿で颯爽と歩いていたサン・マルコ広場は、無数の鳩が飛び交い、カフェや露店が多く立ち並ぶヴェネツィアのシンボル的スポット。3方向を大理石の柱廊で囲まれた石畳のこの広場は、かつてナポレオンが「世界で最も美しい広場」と称賛したように、ヴェネツィアの数ある広場は方言でカンポと呼ばれるが、唯一ピアッツァと呼ばれ、市民にとって特別な場所となっています。

 

また、広場を取り囲むように建っているのは、共和国時代に建てられたゴシック様式が美しい総督邸ドゥカーレ宮殿や東西文化が融合したビザンティン建築のサン・マルコ寺院、煉瓦づくりの鐘楼。その贅を尽くした建築物からヴェネツィア共和国時代の華やかな歴史を感じることができるでしょう。

 

しかしながら、サン・マルコ広場は近年の地球温暖化による海面上昇や地盤沈下により浸水の危機に瀕しています。昔の人々が作り上げたこの素晴らしい景観を遺せるのかは、現代に生きる私たちの課題といえるでしょう。

『謎を解く鍵を握るのは、彼女か?それとも彼か?』 ■Introduction

水の都・ヴェネチアを舞台にした大人の犯罪劇。監督は、『善き人のためのソナタ』のフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク。出演は、『チャーリーとチョコレート工場』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジョニー・デップ、『Mr.&Mrs.スミス』『トゥームレイダー』シリーズのアンジェリーナ・ジョリー、『ファイヤーウォール』『ダ・ヴィンチ・コード』のポール・ベタニー、『007』シリーズのティモシー・ダルトン。ヴェネチアのシーンは全面ロケにて撮影され、建築物、運河、ゴンドラなどが独特の雰囲気を醸し出している。

■Story

傷心を癒すために、イタリア旅行に来たアメリカ人のフランク(ジョニー・デップ)は、パリからヴェネチアへ向かう列車の中で、謎めいた美女エリーズ(アンジェリーナ・ジョリー)と出会う。彼女に誘われるがまま、ヴェネチアの超一流ホテルにチェックインし、夢のようにゴージャスでロマンチックな時を過ごすフランク。しかし、一夜明けると悪夢のように恐ろしい運命が待っていた。なんとフランクは、エリーズの恋人で誰にも顔を知られていない大物犯罪者と同一視され、捜査当局と巨大ギャングの双方から追われるはめになったのだ…。

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きみに読む物語
  • きみに読む物語
  • 『きみに読む物語』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ギャガ株式会社
  • ■販売元:ハピネット
  • ■価格:¥1,980(税込)
  • 監督:ニック・カサヴェテス
  • 出演:ライアン・ゴズリング レイチェル・マクアダムス、ジーナ・ローランズ、ジェームズ・ガーナー、サム・シェパード 他

(C)MMIV NEW LINE PRODUCTIONS, INC. (C)MMV NEW LINE HOME ENTERTAINMENT,INC. ALL RIGHTS RESERVED.

家がつなぐ恋と運命

多くの人にとって家を建てるということは、一生に一度のイベントです。自分たちだけの空間をどのように使い、どのように過ごすのか。あれこれ想像をめぐらすことは格別の楽しみですが、運命的な恋に落ち、またその運命に翻弄される恋人たちを描いた本作は「家のあるべき姿」を教えてくれるでしょう。

 

とある老人ホームで年老いた男デュークが、アルツハイマーの老女に読み聞かせていたのは、良家の子女アリーと、彼女に一目惚れした地元の青年ノアの恋の物語。身分違いの恋がまだ許されなかった40年代に、強く惹かれあった2人はある日、情熱に突き動かされて廃屋となった古い家を訪れます。ここをいつか買い取って改築するのが夢だという彼に「家は白、雨戸は青がいいわ。川に面したアトリエも」と応えるアリー。しかし、二人はその日を境に離れ離れになってしまいます。それから7年後--。ノアの目の前にあるのは、かつてアリーと話していた白くて雨戸が青い家でした。

 

家とは雨風をしのぐ場であることはもちろん、温かさや安らぎを生み出す生活の基盤となる場所です。劇中、デュークが家について語るこんな言葉が印象的です。「母さん(妻)の心が私の家だ」。どんなに立派な家を建てても、そこに愛する人々の気配がなければ本当の「家」ではない。夢の家をつくればアリーが戻ってくると信じ、床や壁、屋根を改築し一つ一つを自らの手で立派な家を作り上げたノア。彼の気持ちはアリーに届いたのでしょうか。

『「永遠の愛」は、ほんとうにある--。』 ■Introduction

晩年を迎えたとある夫婦の、若き日の恋を回想したラヴ・ストーリー。監督は『私の中のあなた』のニック・カサヴェテス。原作はニコラス・スパークスのベストセラー小説。出演は『完全犯罪クラブ』『16歳の合衆国』のライアン・ゴズリング、『恋とニュースのつくり方』『シャーロック・ホームズ』のレイチェル・マクアダムス、『ホワイトハウス狂騒曲』『スペース・カウボーイ』のジェームズ・ガーナー、『微笑みをもう一度』『マイ・ハート、マイ・ラブ』のジーナ・ローランズほか。一人の男の力によって病を克服する奇跡の愛の物語は、世代を超えて支持された。

■Story

とある療養施設に暮らす初老の女性(ジーナ・ローランズ)は、アルツハイマー病によって過去の思い出を失ってしまっている。そんな彼女のもとに、デュークと名乗る男性(ジェームズ・ガーナー)が定期的に通って、とある恋の物語を読み聞かせてやっている。1940年、ノース・カロライナ州シーブルック。家族とひと夏を過ごすためにこの土地にやってきた良家の子女、17歳のアリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)は、材木工場で働く地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)と恋におちる。しかしアリーの両親は2人の交際を認めず、夏の終わりと共に彼らの仲は引き裂かれ…。

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