『Diploma×KYOTO ’11』〜京都建築学生之会 合同卒業設計展〜

『 Diploma×KYOTO '11』

平成23年2月26日(土)〜28日(月)の3日間、京都市勧業会館「みやこめっせ」を舞台に、『Diploma × KYOTO ’11』〜京都建築学生之会 合同卒業設計展〜が開催された。

20回目の節目の展覧会となった今回は、ともに過去最大となる参加19校、211作品が出展。今年のテーマ『コラージュ、その先・・・』の通り、個性あふれる作品がそれぞれに刺激し合い、融合し、その先にある新しい何かを見つけようと、4年間磨き上げた設計能力を競い合った。

会場の京都市「みやこめっせ」

大盛況の展示会場

作品に込められた思いが伝わってきます

審査員は中谷ノボル(アートアンドクラフト)、永山祐子(永山祐子建築設計)、藤原徹平(隈研吾建築都市設計事務所)、布野修司(滋賀県立大教授)の4氏。

栄えあるグランプリには、京都精華大学の鎌田佐織さん「キョウトセンゲン」が選出。京都御所に“木材のストックヤード”を作るという大胆な敷地設定とアイデアが多くの審査員に評価された。

グランプリ受賞者・受賞作品

また、今年は新たに、審査員の選考理由を学生たちにより明確にするために、審査員各個人があらかじめ設定したテーマをもとに選出する「審査員賞」が設けられた。
それぞれのテーマと受賞者は以下の通り。

■中谷ノボル賞
テーマ:「転用はどうあるべきか」
受賞者:藤戸暖子 (京都工芸繊維大学)
作品名:「都市のクレーター」
■永山祐子賞
テーマ:「問題設定と観察力」
受賞者:鎌田佐織 (京都精華大学)
作品名:「キョウトセンゲン」
■藤原徹平賞
テーマ:「近代建築というフレームをどう超えるか」
受賞者:鎌田佐織 (京都精華大学)
作品名:「キョウトセンゲン」
■布野修司賞
テーマ:「リアリティある都市組織/街区提案」
受賞者:大谷一成 (近畿大学)
作品名:「屋上景化」

審査員賞は、各審査員が独自のテーマを発表した上での選考となったため、それぞれ独自の観点からスムーズに選出された。一方、審査員賞の中からグランプリを選ぶ際には、審査員間で激しい議論が交わされ、約400人が見守る会場も、講評会らしい熱気を帯び、多いに盛り上がりをみせた。

講評会での審査員の4氏

グランプリ選出の議論は白熱!

受賞候補に挙がった8名のファイナリスト

学生達が真剣に耳を傾けていたシンポジウム

翌27日のシンポジウムは『〜これからの設計者に求められるもの〜』をテーマに、勝矢武之(日建設計)、西澤明洋(エイトブランディングデザイン代表)、納見健悟(あるく計画事務所共同主宰)、前田茂樹(ジオ-グラフィック・デザインラボ共同主宰)の4氏が、それぞれ自分の手がけた作品とこれまでの活動の紹介を通じて、建築へのさまざまなアプローチの手法を学生たちに説いた。

勝矢氏、西澤氏は、それぞれ1998年、2000年の『Diploma』出身ということもあり、10年以上を経た今、この設計展の成長を喜ぶとともに、当時を振り返って感慨深い想いを述べた。

今回の設計展を企画運営したスタッフ

設計展は、参加する学生にとって、一生に一度の自由な発表の場であるとともに、その数日間にかけた濃密な時間を吸収し、またその時間を共有した仲間とのつながりを確認する場でもある。

『Diploma×KYOTO』を企画運営したスタッフは委員長の三好利洋さん(摂南大学)以下、6班、総勢約200名。今回の設計展を通じて、彼らにはきっと、作品づくり以上の『コラージュ、その先・・・』が見えたに違いない。

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出展作品(一部)

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「Diploma×KYOTO ’11」概要

名称

『Diploma×KYOTO ’11』〜京都建築学生之会 合同卒業設計展〜

日程

平成23年 2月26日(土)〜28日(月)

会場

京都市勧業館みやこめっせ

審査員

中谷 ノボル氏(アートアンドクラフト)
永山 祐子氏(永山祐子建築設計)
藤原 徹平氏(隈研吾建築都市設計事務所)
布野 修司氏(滋賀県立大教授)

主催

京都建築学生之会

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