第28回JIA 神奈川建築WEEK かながわ建築祭2017 卒業設計コンクール
第28回JIA 神奈川建築WEEK かながわ建築祭2017 卒業設計コンクール
名称 |
第28回JIA 神奈川建築WEEK |
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日程 | 作品展示:2017年2月25日(土)〜2月26日(日)
公開審査:2017年2月26日(日) |
会場 | みなとみらい線「馬車道駅」コンコース |
審査委員長 | 野沢 正光氏(野沢正光建築工房) |
審査委員 | 西村 浩氏(ワークヴィジョンズ)
保坂 猛氏(保坂猛建築都市設計事務所) 永山 祐子氏(永山祐子建築設計) |
主催 | 公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 神奈川地域会(JIA神奈川) |
共催 | 株式会社 総合資格 |
2017年2月24日(金)〜2月26日(日)の3日間「第28回 JIA神奈川建築WEEK かながわ建築祭2017」の一環として、様々なシンポジウムやコンクール、ワークショップなどが「まちの楽しさ・面白さを考えよう」と云うテーマのもと開催されました。
「卒業設計コンクール」は25〜26日の2日間、みなとみらい線「馬車道駅」コンコースを会場にして行われました。会場周辺地域は多くの歴史的建造物や煉瓦造りの壁・舗装道などが今なお点在する、美しい街並みで知られ、観光客も訪れる地域です。会場では一般の来場者も多数みられ、立ち見が出るほどの賑わいとなりました。
審査会は26日の朝から行われ、今年は7大学の卒業設計優秀作品32点を一堂に展示し、公開審査を経て、各種受賞作品を選出しました。入賞作の上位2点は、推薦作品として例年6月末に行われるJIA全国学生卒業設計コンクール(全国大会)に駒を進めます。
午前中には1次審査が行われ、審査員が各作品のブースを巡回して全作品を閲覧し、作品を評価。2次審査に進むファイナリストの8作品を選出しました。ブース前で待機している学生から制作の意図を詳しく聞き取ったり、その場でディスカッションを行うなど、作品に込められた熱量が伝わる1次審査となりました。
■2次審査進出作品
ID | 名前 | 学校名 | 作品名 |
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05 | 森島 駿平さん | 神奈川大学 | 大谷の石の継承〜大谷石採掘場跡地と複合した文化体験施設の提案〜 |
12 | 大西 慶太郎さん | 慶應義塾大学 | 型取られる都市〜壁が伝える銀座の記憶〜 |
13 | 加藤 有里さん | 慶應義塾大学 | Phantom〜ミュージカル「オペラ座の怪人」の多解釈を誘発する仮設移動型劇場〜 |
15 | 山下 翔平さん | 慶應義塾大学 | Node of the City |
27 | 山元 隆志さん | 明治大学 | ある街への巣喰い〜家族を説かれた戸建て住宅〜 |
28 | 井原 賢士さん | 横浜国立大学 | 都市とオリンピック |
30 | 楠元 彩乃さん | 横浜国立大学 | 東糀谷のヒトダマリ ミズタマリ モノダマリ |
32 | 鈴木 菜摘さん | 横浜国立大学 | とむらいRIDGEWAY |
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- 野沢 正光氏
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- 西村 浩氏
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- 保坂 猛氏
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- 永山 祐子氏
午後からの2次審査では、ファイナリストの8名がそれぞれの作品に込めた思いを、プレゼンテーションを通して審査員にアピールしました。続く質疑応答では、建築の第一線で活躍するプロフェッショナルから投げかけられる、鋭い問いに対して、学生たちが与えられた持ち時間を使い切って言葉を尽くしました。長時間に及ぶ選考の末、公開審査中にすべての受賞作が決まらず、審査員控室で非公開の議論が行われることとなり、審査結果発表は交流会の「CROSS × CROSS パーティー」へ持ち越されました。
ファイナリストから金銀銅の上位3点、ファイナリスト選外も含めた、全作品から審査員賞4点と総合資格賞1点の計8作品が選出されました。
金賞 |
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ID-30 横浜国立大学 楠元 彩乃さん 東糀谷のヒトダマリ ミズタマリ モノダマリ 敷地は東京都大田区東糀谷の南前堀緑地。かつて地域を結んでいた堀りとそこに流れる水路は、治水技術の発達により不要となり、区画を断絶する深い溝と化している。再度掘りに水を通し、物流をつかさどる運河として再利用することで、町工場の点在するモノづくりの街、東糀谷を再ブランディングする計画。 審査委員長の野沢氏から「リノベーティブな仕組みで問題を解決すると云う、素直で力強い動機を感じる一方で、水辺に心地よい空間を作ろうとする、ささやかな楽しみがある作品で素晴らしい。」と賞賛され、他の審査員からも「実現性がある作品」と、高い評価を受け、見事金賞の栄冠に輝きました。 |
銀賞 |
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ID-28 横浜国立大学 井原 賢士さん 都市とオリンピック 現在米軍基地に指定され立入禁止となっている瑞穂埠頭。その埠頭が2059年を目途に市に返還されることを想定した都市再開発計画「横浜構想」にのっとり、敷地に新たなオリンピックスタジアムを提案。スタジアムのフレームを活かし、オリンピック終了後も様々な施設や交通網を抱きかかえながら、都市とともに未来に残る建築を計画する。 永山氏からは「今の社会に対する批評性があり、未来に向けたポジティブで明るい提案で魅力的。」と一連の提案内容が評価されての受賞となりました。 |
銅賞 |
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ID-12 慶應義塾大学 大西 慶太郎さん 型取られる都市〜壁が伝える銀座の記憶〜 東京都中央区銀座は近年の大規模な再開発によって巨大建築が立ち並び、江戸時代から続く路地や街並みといった個性が失われつつある。現在あるビル群を型枠としてコンクリートを流し込み、過去と現在の街並みの記憶を残しつつ、滞在性・空間性の高い新たな商業施設へと転換する計画。 西村氏からは「大胆だが可能性がある作品で、パブリックな空間を周辺のビルオーナーなどと共同で運営するなど、リアルに成立させる方法が考えられる。」と、作品が内包する可能性について評価するコメントが送られました。 |
野沢 正光賞 |
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ID-32 横浜国立大学 鈴木 菜摘さん とむらいRIDGEWAY |
西村 浩賞(ファイナリスト選外) |
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ID-24 明治大学 小久保 友貴さん 自由を手に入れるための対価 |
保坂 猛賞 |
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ID-15 慶應義塾大学 山下 翔平さん Node of the City |
永山 祐子賞 |
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ID-13 慶應義塾大学 加藤 有里さん Phantom〜ミュージカル「オペラ座の怪人」の多解釈を誘発する仮設移動型劇場〜 |
総合資格学院賞(ファイナリスト選外) |
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ID-04 神奈川大学 野村 奏実さん 出会い、育つ〜左近山団地における保育園と学童保育の提案〜 |

集合写真