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建築設備士「第一次試験」(学科)総評

総評

試験制度が変更されて2年目となった令和3年の建築設備士学科試験は、令和2年と比較して出題構成は同じであり、出題傾向についても類似していました。

出題傾向について、建築一般知識における建築計画の分野では、環境・省エネルギーに関する内容が出題され、環境計画の計算問題では、熱貫流の計算問題が初めて出題されました。

建築法規については、試験制度が変更される前から大きな変化はなく、過去問が中心ではありましたが、建築基準法の建築設備関連については告示を引かなければならない問題がありました。また、関係法令では電気事業法や電気設備に関する技術基準を定める省令からの内容が出題されました。

建築設備については、計算問題が空気調和設備で3問、給排水衛生設備で3問、電気設備で4問の計10問出題され、そのうち4問は初めて出題された内容でした。その他の文章問題については、過去問を中心に、一部で過去問の言い回しを変えたり、過去問を発展させたりしている内容が出題されました。

建築一般知識

令和2年の試験制度変更により、出題形式4肢択一式での出題数27 問となりました。令和2年同様、建築計画・防災計画からの出題は8問、環境計画からの出題は10 問、建築構造・建築材料からの出題は5問、建築施工からの出題は4問でした。

◆建築計画・防災計画(1〜8):

従来は集合住宅や商業建築等の各種施設に関して出題されていましたが、令和2年の試験制度変更からの傾向と同様に、環境・省エネルギーに関する内容が出題されました。

特に、1のBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)対策に関する内容は初出 題であり、戸惑った受験生の方が多かったと考えられます。2〜4は、環境・省エネルギーに関する出題であり、正答肢は過去に出題されている内容でした。

防災計画については、7が初出題の内容であり、細かい数値に関する規定が出題されました。

◆環境計画(9〜18):

計算問題が11と12で出題されました。特に、11で出題された熱貫流の計算問題は初出題であり、屋内外における熱取得をイメージした上で式を立て、設問の条件を当てはめて計算しなければならないため、難度が高い問題であったと考えられます。12は、温度差換気による換気量を求める問題であり、平成28年に出題された換気量の大小関係を求める問題に類似した内容でした。その他は、9では方位別の終日直達日射量の図に関する内容が出題された他、13では数値に関する内容が出題されたり、その他では用語や大小関係に関する内容が出題されたりとバランスのよい問題構成であったと言えます。

◆建築構造・建築材料(19〜23):

19 の構造力学では、例年、反力や応力に関して出題されますが、今年は初めて断面二次モーメントに関する内容が出題されました。この出題は、断面二次モーメントの公式を理解していれば容易に答えることができますが、これに関する対策をしていなかった受験生が多かったと考えられます。建築材料では、22のガラスに関して、正答肢が初出題でした。熱線反射ガラスと熱線吸収ガラスの定義を区別し、判断しなければならない難度の高い問題でした。

◆建築施工(24〜27):

26の鉄骨工事と27のタイル工事・張り石工事が初出題の内容でした。いずれも、施工に関する幅広い知識を持っていないと正答肢を判別できない問題でした。

建築法規

令和2年の試験制度変更により、出題形式4肢択一式での出題数18問となりました。建築基準法からの出題は令和2年同様12問、関係法令からは例年通り6問でした。

◆建築基準法(1〜12):

「用語の定義」「面積・高さ等の算定方法」「制度規定」「一般構造」「耐火・防火」「避難施設等」が1から6で出題されました。令和2年では出題されなかった「一般構造」 が4で出題され、替わりに令和2年に4で出題された「構造強度」が出題されませんでした。

建築設備系は令和2年と同様に7から12で出題され、ほぼ隔年交互に出題されてきた「排煙設備」と「非常用照明装置」は、今年は「排煙設備」が出題されました。

建築基準法や施行令の範囲で解ける問題と告示まで調べなければならない問題が混在しており、細かい確認が必要でした。

◆関係法令(13〜18):

「消防法」2問、「建築士法」「電気事業法」各1問は例年通りだが、令和2年は関係法令融合問題の1選択肢として出題された「電気設備に関する技術基準を定める省令」が今回は単独出題され、結果、「関係法令融合問題」は1問のみの出題となりました。

近年の改正事項として、5「耐火・防火」の防火区画等から2肢が出題され、関係法令からは 18-4「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」が出題されました。

建築設備

昨年の試験制度変更による出題形式4肢択一式での出題数60問において、昨年同様、空気調和設備及 び給排水衛生設備からの出題はそれぞれ15問、電気設備からの出題は24問、設備工事からの出題は6問でした。

◆空気調和設備(bP〜15):

計算問題に関しては、5、8、10の3問が出題されました。 8、10については、過去に出題されている計算問題とほぼ同じ内容でしたが、5について は、全熱交換器を経た外気の顕熱負荷の値を求めるという初出題の内容であったため、受験生のみなさんは 少々戸惑ったと考えられます。

文章問題に関しては、過去出題されている内容が中心ではありますが、空気調和設備に関する計画 や方式及び送風機や冷凍機など各部に関する事柄などから出題され、細かい知識と正しい理解が問われる内容でした。

◆給排水衛生設備(16〜30):

計算問題に関しては、19、21、23 の3問が出題されました。23 は、衛生器具の器具排水負荷単位数から、それを受け持つ器具排水負荷単位数を累計し、排水管の管径を求める問題でした。基本の解法を理解していないと正答を導けず、また、新たな条件(排水ポンプ)が加わったため、受験生のみなさんは少々戸惑ったと考えられます。

19、21で出題された計算問題は、過去問の演習により手順に沿って計算することができれば、正答を導き出せる内容でした。27 は、消防用設備等の計画の基準となる数値に関する問題でした。消防用設備等に関しては法律で定められている数値が多く、似たような数値を混同して覚えていると誤答してしまいます。きちんと消防用設備ごとの基準を整理することが重要となります。

◆電気設備(31〜54):

計算問題については、33、37、41、51の4問が出題されました。33 は、交流回路のスイッチを閉じる前と閉じた後の電流の変化量を求める問題であり、抵抗とコンデンサが組み合わされているところがポイントになっている初出題の内容でした。

51は、金属管工事において、異なる太さの絶縁電線を同一金属管内に収める場合の最低必要な金属管の太さを 求める問題であり、その絶縁電線の断面積の総和が、金属管の内部断面積の32%以下となることを覚えている上で、設問の条件から計算をしていく難度の高い問題でした。

その他の文章等の問題については、32では配線用図記号に関して、また、54ではエレベーターの管制運転等に関して2年連続で出題され、また、38では電力貯蔵設備に関して出題さ れ、いずれも初出題の内容でした。

◆設備工事(55〜60):

出題傾向については例年通りで、過去に出題されている内容をしっかり理解していれば、得点できる内容でした。

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