2019(令和元)年度 一級建築士学科試験 総評

2019(令和元)年度 1級建築士学科試験「解答・解説会」ダイジェスト動画

現在、全国の当学院各校にて2019(令和元)年度 1級建築士学科試験の特徴やポイントがよくわかる『2019(令和元)年 1級建築士 学科試験 「解答・解説会」』を無料開催中!
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総論

2019(令和元)年度と2018(平成30)年度の難易度を比較すると、学科W(構造)は同程度、その他の科目は得点しやすい問題でした。

出題内容としては、各科目ごとに新しいキーワードが部分的に見られたものの、過去の出題を正しく理解していれば正答を導ける問題が多くを占めました。正答肢が初出題の問題は125問中35問であり、2018(平成30)年度の43問から減少しました。

2019(令和元)年度は試験の難易度が低くなりましたが、建築士試験の受験資格が変更になると発表されている2020(令和2)年度以降は、再び難易度が高くなる可能性があります。

対策としては、依然として、新規出題傾向のポイントをおさえた学習と、原理・原則を正しく理解し、身につけた知識を使って正答を導き出す力をつける学習が重要です。

[正答肢が初出題の問題数]

  学科T
(計画)
学科U
(環境・
設備)
学科V
(法規)
学科W
(構造)
学科X
(施工)
合計
2019
(令和元)年度
7問
/20問中
4問
/20問中
9問
/30問中
7問
/30問中
8問
/25問中
35問
/125問中

【学科T(計画)】

建築史・作品関連・都市計画の事例を含む問題が計8題出題

建築計画10問(うち、数値に関する問題2問、作品関連2問)、都市計画3問(うち、「都市計画に関する用語」1問、「都市再生の事例」1問、「ニュータウンの事例」1問)、建築史・作品4問、設計・工事監理1問、マネジメント用語1問、建築積算1問が出題されました。建築作品においては、「木材を活用した建築物」という近年注目を集めている事例が出題されました。

「防犯計画」に関する問題が出題

No.5では、「防犯計画等」に関する問題が出題され、近年の防犯対策を強く意識した内容が出題されました。

高齢者・障がい者に配慮した細かい内容が出題

No.9では、ホテルのエレベーターにおける籠内の階数ボタン等の点字表示をどこに設けるかという詳細な内容が出題されました。オリンピック等を見据えたユニバーサルデザインへの要求事項が反映された内容と考えられます。

建設積算は数値ではなく単位に関する問題が出題

例年、建築積算では図解問題や数値に関する内容が多く出題されていましたが、本年度のNo.19では、「面積(m2)」と「体積(m3)」の単位がキーワードとなる問題が出題されました。

<初出題の主なキーワード>

No.1-4スマートシティ、No.2-3賀茂別雷(かもわけいかずち)神社、No.3-2アーヘンの宮廷礼拝堂、No.3-3サン・カルロ・アッレ・クァットロ・フォンターネ聖堂、No.4-1 隙間なし天井、No.5-1セキュリティレベル、No5-4ゲーテッド・コミュニティ、No.6-1越屋根、No.6-3クールスポット、No.10-1インナーシティ問題、No.10-2ブラウンフィールド、No.10-3二地域居住、No.14-1能楽堂、No.14-2シェークスピア劇場、No.15-1住田町役場、No.15-2群馬県農業技術センター、No.15-4出雲ドーム、No.17-1ニューヨーク近代美術館、No.17-2ロサンゼルス現代美術館、No.17-3フォートワース現代美術館、No.17-4アスペン美術館、No.20-1 ECI方式、No.20-2 コミッショニング、No.20-4 CRE戦略

今後の学習対策

■建築史・建築作品は過去問を確実におさえる

2019年度は、建築史・作品関連・都市計画の事例を含む問題が8問出題されましたが、その内6問の正答肢は過去に出題された作品・事例でした。こうした問題で確実に得点するために、過去に出題された作品の名称・形式・特徴はしっかり整理しておくことが必要です。

【学科U(環境・設備)】

各分野の出題数は例年通り

環境工学10問(うち、計算問題3問)、建築設備10問が出題されました。

環境工学は計算問題が多数出題

No.2「室内空気の重量絶対湿度の計算」、No.3「温度差換気による換気量の比較」、No.7「水平面照度の計算」が計算問題として出題されました。例年1〜2問程度だった計算問題が増加したことにより、やや難しい内容だったといえます。No.10-2「公共施設における吸音処理」は初出題であり、基本となる用語の定義から一歩進んだ内容を理解しているかを問う内容でした。

建築設備は言い回しを変えた表現が増加

No.11-3「外気冷房」やNo.13-1「アスペクト比」は基本的な内容ですが、過去に本試験で出題された際とは言い回しや切り口を変えた出題でした。また、設備の運用・管理に関連した記述も多く見られ、「ZEB建築」などこれからの設計に必要な知識が問われる出題も増加しています。

<初出題の主なキーワード>

No.9-2カラレーション、No.11-1ペリメータレス化、No.12-3空調機のウォーミングアップ制御、No.13-2セントラルダクト方式、No.17-4ブラインドの自動制御、No.20-1微気候、No.20-2バスタブ曲線

今後の学習対策

■環境工学の基本原理を正確に理解する

環境工学においては、基本的な原理・原則を正確に理解する必要があります。過去問を丸暗記するのではなく、問われている内容に関する基本原理まで踏み込んで理解していく学習が効果的です。また、計算問題を得点源にするために、公式を暗記して、計算手順を正確に身につけておくことも重要です。

■建築設備は省エネルギーと運用・管理の内容も含めて理解する

建築設備の問題においては、管理・運用と省エネルギーがどのように関連しているかを理解することがポイントです。建築設備と環境工学の関連なども整理し、増加傾向にある言い回しを変えた記述に対応する必要があります。

【学科V(法規)】

各分野の出題数は例年通り

建築基準法20問、関係法令10問が出題されました。
「建築士法」は単独問題として3問、建築基準法・建築士法として1問の計4問が出題されました。

直近の法改正に関する出題

No.14-2では、建築基準法において2018(平成30)年に改正された「道路の接道規定」から、建築物の用途及び規模に関する基準について出題されました。
No.15-2では、建築基準法の「用途地域」において、2018(平成30)年に新設された「田園住居地域」から出題されました。
No.19-2では、建築基準法融合問題において、2018(平成30)年に改正された「老人ホーム等の共用廊下、階段部分の容積率算定基礎延べ面積への不算入」の規定が出題されました。
No.30-1では、2017(平成29)年4月1日に全面施行された「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」から、「届出規定」が出題されました。

「出題のされ方」に特徴があった問題

No.12「構造強度」について、4肢すべてが「保有水平耐力」における仕様規定が問われる問題でした。
No.13「構造強度」について、「木造住宅の軸組最小長さ」を求める図解問題が3年連続で出題されましたが、本年度は「地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する区域内における3階建て」という与条件での出題となりました。
No.16「容積率」について、計算問題としては4年連続で「容積率の最高限度を求める問題」として出題されました。また、「特定道路緩和」を考慮することが求められました。

「容積率・高さ制限」は正しい手順で確実に解ける問題

No.16「容積率」について、敷地が2つの地域にまたがっており、特定道路緩和を受けることができる場合での出題でした。手順どおりに計算すれば確実に解ける問題でした。
No.17「高さ制限」について、2面道路以外に特別な条件付けは無かったため、手順どおりに計算すれば確実に解ける問題でした。

<初出題の主なキーワード>

No.13 地盤が著しく軟弱な区域、No.14-2 150 m2の一戸建て住宅、No.15-2 田園住居地域、No.19-4 火葬場、No.24-2 仮設興行場、No.26-3 車椅子の転回  

今後の学習対策

■基礎力を身につける

「条文に出てくる用語の意味」や「条文の目的」を理解することが法規の学習の基礎となります。法令集を引きながら、この基礎力を身につけましょう。条文の目的・内容をきちんと理解しておくことで、設問の正誤に正しくたどり着くことができます。

■判断力を強化する

条文の規定をそのまま照らし合わせるだけでなく、具体的な手続きや建築物に適合するかしないかの判断力を問う出題が増えています。近年の出題傾向を踏まえた学習対策が必要です。

■文章を読み解く力を養う

過去問または過去問に近い問題は、言い回しや数値を変えるなど、出題に変化が見られます。文章を読み解く基本的な力を養うことも重要な対策となります。

【学科W(構造)】

各分野における出題数はほぼ例年通り、初出題率は低い

構造力学6問、各種構造21問、建築材料3問が出題されました。
2018(平成30)年度に引き続き、正答肢が初出題の問題数は多くありませんでした。

構造力学

全体的には近年の出題傾向に沿って出題されていましたが、過去10年以上出題がなかった問題が2問出題されました。ただし、基本的な計算の手順や覚えるべき公式をおさえた上で、過去問に対して十分な対策ができていれば、確実に正答できる内容でした。

各種構造

全体的に過去に出題された内容が多く見られました。その中で、No.20は支持層への杭基礎の指示状況を表した図が与えられた特徴的な出題でした。また、No.22「プレストレストコンクリート造」、No.24「免震構造」、No.25「制振構造」といった、近年注目されている構造形式からそれぞれ1問ずつ出題されました。また、No.30は、建築物の設計グレードや解析モデルに関する実務的な出題でした。

建築材料

過去問を正しく理解していた受験生は、正答を導くことができたと考えられます。

<初出題の主なキーワード>

No.12-1 あばら筋比の規定の目的、No.13-4 長方形孔周辺の配筋、No.19-2 地下水の種類、No.21-2 杭の有効重量(自重から浮力を減じた値)、No.22-2 ポストテンション材の緊張材定着部の設計、No.24-2 上部構造の質量及び剛性の偏在等によるねじれ変形、 No.26-4 境界梁の曲げ耐力・せん断耐力と耐震壁の負担せん断力の関係、No.30-1 建築物の設計グレード、No.30-4 実構造物により近い複雑な解析モデル

今後の学習対策

■根拠やイメージをセットにした学習で過去出題内容の取りこぼしをなくす

本年度の試験では、初めて見る図や選択肢を含んでいても正答肢は過去出題内容という構成の出題が目立ちました。この様な過去出題内容は取りこぼしなく確実に得点する必要があります。出題時の表現が変化していても確実に正誤判断ができる応用力を身につけることも重要です。日頃から丸暗記に頼るのではなく、ひとつひとつの内容に対して、正答の根拠やイメージをセットにして理解しておくことが必要になります。

【学科X(施工)】

各分野の出題数は例年通り

例年通り、施工計画・工事管理で4問、各部工事で20問、請負契約で1問が出題されました。

正答肢のうち半分以上が数値関連

正答肢が数値関連の問題が13問と、2018(平成30)年度から3問増加しました。数値関連の出題で取りこぼしを防ぐためには曖昧な記憶ではなく、確実な判断が必要です。

監理者目線での出題

「監理者が一般に行うもの」として9問出題されました。実務はもちろん、試験においても、建築士の「監理者としての重要性」が意識された出題構成だと考えられます。No.11「コンクリート工事」は、初めて写真付きで出題され、監理者が現場で立会を行う「受入れ検査」をイメージした内容が問われました。

杭工事の適正な施工に関する出題

No.3-4は、建築物の安全性確保の観点から、社会問題にもなった既製コンクリート杭の支持層の確認について出題されました。

<初出題の主なキーワード>

No.3-4 積分電流値、No.6-2 総掘り、No.13-3 りん酸塩処理、No.14-3 レーザ孔あけ、No.14-4 トルシア形高力ボルトの標準長さ、No.15-1 ねこ土台、No.17-4 発泡合成樹脂板、No.19-4 セラミックタイル

今後の学習対策

■施工の原則(手順と役割)を理解

学科X(施工)は、まず施工の流れを理解することが重要です。さらに、各施工段階における施工上のポイントの理解も必要となります。細部の学習をする前に、工事の流れを大きく捉えて各段階のポイントをおさえるようにしましょう。

■専門用語の理解 

学科X(施工)には専門用語が多くあり、その用語を知らないと解答できない問題も出題されます。専門用語は、関連する図・写真・現場映像などと結びつけて学習することが重要です。また、近年の試験では多様な範囲からの出題が増えているため、周辺関連も意識した学習を行いましょう。

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