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受験生必見のコンテンツで今年の試験を徹底検証します!

設計製図試験「気になる」ポイント総選挙

試験の「気になる」ポイント結果発表!

受験生の皆さん、試験おつかれさまでした!
ところで、今年の課題で気になっているポイントはありませんか?総合資格学院は、皆さんが今年の試験でモヤモヤと気になっている部分をスッキリ解決するために、「気になる」ポイント総選挙を開催しました。今年の課題で重要なポイントをあらかじめ4つ選出し、皆さんに投票してもらった結果は…、ぜひご確認ください。

第1位 屋内の廊下の有効幅員(利用者ゾーン&管理ゾーン)

課題文では、留意事項の(2)において「屋内の廊下については、有効幅員1.8m以上を確保する」と明記されていました。ここには、利用者ゾーン、管理ゾーンについての記載はないため、建物全体に対する要求と捉えるのが自然な読み取りです。計画としては、利用者ゾーン、管理ゾーン問わず、廊下幅を有効1.8m(壁芯では2.5m程度)確保する対応がベストだと言えるでしょう。

今回、この廊下幅に関するポイントが、気になるポイントの1位となったことや当学院の受講生への聞き取りから、多くの受験生が廊下幅についてどのように計画すべきだったのか疑問に感じており、同時に、管理ゾーンの廊下幅まで有効1.8mを確保することが難しかったという状況が見えてきました。多くの受験生が同じ傾向であれば、このポイントだけでは差がつきにくいかと考えられますが、合格発表の際にも注目すべき点となりそうです。

第2位 ユニットの配置パターン(東西or南北)

ユニットの配置パターンについて悩まれた方も多かったようです。当学院の受講生の傾向では、東西の配置パターンと南北の配置パターンがほぼ半数ずつといった状況でした。

ユニットを構成する上で大切なポイントは、配置する方向ではなく、適切なグルーピングが行えているかです。
東西の配置でも、南北の配置でも、利用者エレベーターから共用部を介して、それぞれのユニットにアクセスできる計画になっているか、玄関を入口として独立した生活が営める計画となっているかが重要なチェックポイントとなります。

第3位 構造計画に採用した耐震計算ルート

設計製図試験において「耐震計算ルート」が問われるのは初めてであり、悩んだ受験生も多かったのではないでしょうか。学科Ⅳの学習範囲ですので、今年学科試験に合格された方は、記憶も新しく記述しやすかったかもしれません。

ルートについては、どれを選択しても計画・記述は可能です。ポイントになるのは、選択したルートと整合した記述ができていたか。ルート1を選択した場合は「許容応力度計算」、ルート2を選択した場合は「剛性率・偏心率」、ルート3を選択した場合は「保有水平耐力」など、個々の算定における特徴的なキーワードを用いて、耐震性に配慮した記述ができていれば、良い解答だと言えるでしょう。

第4位 共同生活室とデイルームの自然採光

共同生活室とデイルーム、それぞれの特記事項には「自然光を採り込み、快適な空間となるようにする」と記載がありました。どちらの室も、日常、長時間過ごす室であることや、計画の要点でもこの計画について考慮した点が問われていたことから、採光を確保した計画とするために、南側を強く意識した受験生も多かったのではないでしょうか。

しかし、今回の敷地条件は四方に公園などの環境の良い条件がない上に、南側は隣地(住宅地)だったため、室の配置が難しくなったと思われます。
共同生活室とデイルームを隣地に向けた場合、両室にはバルコニーの要求もあったため、バルコニーの先端から隣地境界線までは適切な離れを確保する必要があることも注意すべき点でした。

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総合資格学院の試験総評

本映像では、令和2年度 1級建築士設計製図試験の特徴や採点のポイントとなる部分について解説いたします。

クリックで総評チェック

1.令和2年度課題の概要

  • (1)出題の概要

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  • (2)計画に当たっての留意事項

(1)居室の採光について適切に計画する。

(2)屋内の廊下については、有効幅員1.8m以上を確保する。

(3) 基礎構造については、地盤条件や経済性を踏まえ適切に計画する。

(4) 日射負荷抑制が必要な室のガラスは、Low₋Eガラスを使用する。

(5) 各種設備については、環境負荷低減に配慮して計画する。

(6) 設備機器の搬出入及び更新に配慮して計画する。

(7) インフルエンザやノロウイルスへの対策を考慮して計画する。

(8) 建築物の外壁の開口部で延焼のおそれのある部分には、所定の防火設備を適切に計画する。また、防火区画(面積区画、竪穴区画)が必要な部分には、所定の防火設備を用いて適切に区画する。

(9) 地上に2以上の直通階段を適切に計画する。また、必要に応じて、「敷地内の避難上必要な通路」を適切に計画する。

(10)計画に際し、「建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じた延焼のおそれのない部分の計算」、「天空率に関する規定の計算」及び「避難上の安全の検証」は行わないものとする。

2.課題で問われた内容

今年は、令和元年と比較しても国から求められている「建築物の設計における基本的かつ総括的な知識及び技能」の有無がより強く問われた試験となりました。特に課題文の文章量については年々増加傾向ではありましたが、さらに今年は近年にも例がない程の文章量となりました。
文章量の増加から、「多種多様かつ数多くの情報を適切に整理し、まとめ上げる能力を有した建築士」を求めている国の意向を読み取ることができます。

3.出題の特徴(5つのポイント)

今年の課題攻略にあたっては、大きく下記の5つのポイントがあげられます。

  • (1)3階建では最大級規模の計画
  • (2)周辺環境に配慮した計画
  • (3)要求室に対する複雑かつ多数の特記条件
  • (4)より専門性の高い構造計画の記述要求
  • (5)建築基準法令遵守の計画
  • (1)3階建では最大級規模の計画

今回の出題規模は、2,400㎡以上 3,000㎡以下となっており、最大で3,000㎡規模の建物の計画を行うような条件でした。過去30年間においても、3階建てで、この規模で設定されたことはなく、また、要求室数についても、計27種にも及ぶ室の要求に加え、『その他介護に必要な室等は、適切に計画する』や『その他施設の運営に必要な室等は、適切に計画する』といった条件があったため、高齢者介護施設として必要な室(汚物処理室やリネン室等)を含めると30種近い室の計画が必要となりました。

  • (2)周辺環境に配慮した計画

【課題文から抜粋】

敷地の隣地条件(敷地図より)
北側:歩道付き8m道路。道路の反対側は住宅地。
東側:住宅地
南側:住宅地
西側:歩道なし道路。道路の反対側は認定こども園。

要求室の特記条件(要求室表より)
居住施設の共同生活室 及び 居宅サービス部門のデイルーム
⇒自然光を取り込み、快適な空間となるようにする。

留意事項
居室の採光について適切に計画する。

今回の課題の周辺環境では、二方向が道路、もう二方向が隣地となっていました。そのような周辺環境に対し、居住部門の『個室や共同生活室』、居宅サービス部門の『宿泊室やデイルーム』など、景観や開放性を配慮した方が望ましい室が多くあったため、隣地(住宅地)側や北側に計画する居室に多くの受験生が悩み、エスキスに予想以上に時間がかかってしまった受験生もいたと考えられます。

  • (3)要求室に対する複雑かつ多数の特記条件

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今回の課題における居住施設では、近年の介護施設の傾向と同様に『ユニット型』が出題されました。各ユニットはそれぞれ独立して日常生活を営むための空間として計画する必要があるため、各ユニットには専用の『ユニット玄関』が要求されました。また、各空間は独立しつつも、介護という観点からはそれらを安全に見守りいつでも介助することができるようにするための『スタッフルーム』が共用空間という位置づけで要求されています。このような課題条件からも各室の使われ方や機能を正確に理解し、適切な配置やゾーニングを行う必要がありました。

それぞれの部門や室については、設置階の指定もありませんでしたが、部門同士の関連性や面積ボリュームからは、最上階に居住施設(3ユニットの内の2ユニット)を計画し、2階には居住施設の一部と居宅サービス部門、1階に共用・管理部門といった計画が基本的な構成として考えられます。

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  • (4)より専門性の高い構造計画の記述要求

構造計画については専門性の高い内容が記述の設問で出題されました。

設問(4) 建築物の構造計画について、建築物の特性に応じて採用した構造種別・耐震計算ルートとそれらを採用するに当たり、耐震性を確保するために考慮したこと

⇒耐震計算ルートについては初出題となりました。構造計算における『耐用年限中に一度遭遇するかもしれない程度の大地震に対する安全確認のための二次設計』の計算手順(ルート1~3)を選択し、その具体的計画方法まで記述する必要がありました。

設問(5) 車寄せの屋根・庇等となる部分の寸法、有効高さ及び車寄せの屋根・庇等の構造計画(各種寸法、部材の材質、支持方法及び耐震性等)について考慮したこと

⇒令和元年の『屋上庭園のスラブ下げと防水設計のディテール(詳細な納まり)』と同様の出題形式で、今年度は介護施設に特徴的な車寄せの上部構造について、ディテールを正しく理解していないと記述できない内容が出題されました。

設問(6) 地盤条件や経済性を踏まえた、支持層の考え方、採用した基礎構造とその基礎底面のレベルについて考慮したこと

『既存建築物の撤去範囲』(平成30年に初出題)に建築物を新設する際の基礎の計画について問われました。これについては、目新しい要素ではありませんでしたが、十分な過去問研究を行っていない場合、対応は難しかったといえます。

  • (5)建築基準法令遵守の計画

今回も昨年に引き続き、「延焼のおそれのある部分」、「防火区画」については『防火戸表示』が出題されました。さらに今年は道路斜線制限も出題されましたが、これは昨年12月の再試験で出題された1面道路に対する道路斜線制限より、難度の高い角地の2面道路における道路斜線制限への対応が求められました。

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