歴史的建造物に囲まれた、文化の薫り漂う広場
モーツァルトの生地としても有名なオーストリアの中心都市、ザルツブルクにあるレジデンツ広場は、旧市街の中で最も大きな広場です。広場の中心には“アトラス神の噴水”と呼ばれるバロック様式の噴水がそびえ、周囲を取り囲む宮殿、グロッケンシュピール(州庁舎)、大聖堂などの歴史的建造物に取りかこまれたこの広場は、1996年に「ザルツブルク市街の歴史地区」として世界遺産(文化遺産)に登録されました。
その名の由来はもちろん、周囲を大司教の宮殿(レジデンツ)が囲んでいることから。現在の宮殿は1616年に完成されたもので、かつては歴代の大司教がここに居住し、政治を執り行った場所でもありました。また、「神童」として名高かった5歳のモーツァルトが演奏会を開いた広間や、ハプスブルク家の人々の肖像画が飾られた皇帝の部屋、銀の間、白の間、フランチスカーナ教会へと抜ける隠し扉など、歴史的建造物ならではの見どころも多く残っていることでも有名です。
映画『サウンド・オブ・ミュージック』の中では、レジデンツ広場のほかにも、数々のオーストリアの名所が登場します。1965年の公開後には、映画のロケ地を求めて各地をめぐる観光客が急増したそうです。
『陽が輝き緑がもえて「ド・レ・ミの歌」が大空にひろがる……
しあわせと感動の凱歌!』
■Introduction
アカデミー賞堂々5部門に輝いた、感動のミュージカル映画。リチャード・ロジャース、オスカー・ハマースタイン2世の同名ミュージカルを原作に、『地球の静止する日』『ウエスト・サイド物語』などのロバート・ワイズ監督が映画化した。主役のマリアを演じるのは、『メリー・ポピンズ』『引き裂かれたカーテン』などのジュリー・アンドリュース。また、トラップ大佐を、『ある日どこかで』『マルコムX』などのクリストファー・プラマーが演じている。
■Story
歌を愛する修道女見習いのマリア(ジュリー・アンドリュース)は、トラップ家の7人の子供達の家庭教師となる。トラップ家は、父親であるトラップ大佐(クリストファー・プラマー)の教育もあって、軍隊式の規律で守られた厳格な家庭だった。だが、トラップ大佐が婚約者の男爵夫人を迎えにウィーンに行っている間、マリアは持ち前の明るさと歌で、音楽の楽しさ、歌うことのすばらしさを教え、子供たちの心を開いていく。その後、帰宅した大佐は子供たちの変りように驚きマリアを責めるが、皆の美しいコーラスを聞き、音楽を愛した昔の自分を思い出すのだった。そうして、トラップ一家にも再び明るい笑顔が戻るが、ナチス台頭に揺れる時代の波が一家にも襲いかかり--。

アジアンリゾートの癒しムード満天のゲストハウスが舞台の映画『プール』。そのタイトルの通り、プールのあるゲストハウスを舞台にしたお話です。
登場人物たちのバックボーンは最後まで語られないまま。その何ともいえない距離感を彩っているのがタイ、チェンマイのゲストハウスのインテリアです。
“バーンロムサイ”という名の実在するゲストハウスを利用して撮影された本作には、アジアンリゾートの魅力が盛りだくさん。小林聡美演じる京子がつくるおいしそうな料理は、ゲストハウスの共有スペース、オープンダイニングキッチンから生み出されます。さらに開放感あふれる高い天井は、萱葺きの屋根で作られおり、雨の日でも音が響かない工夫がされています。壁のない開放的なつくりは、夏場でも涼しく快適に過ごせるように、との配慮です。この映画の中で注目が集まるのはなんといっても美味しそうなタイ料理!そして、キッチンに生える調理道具もゲストハウスの立派なインテリアとして存在感を放っています。白い床と木製のいすとテーブルというナチュラルなインテリアにしっくり溶け込んだ野田琺瑯のポットや揚げバナナを豪快に盛り付けたシュロの葉のかごなど、ゆったり空間になじむキッチン用具にも注目です。
ちいさなプールの周りに集まった5人の六日間の物語。癒しの空間を演出するインテリアも要チェックの一本です。
『理由なんて、愛ひとつで十分だ。』
■Introduction
タイの古都・チェンマイを舞台に、6日間をともに過ごす5人の物語。原作は、人気マンガ家・桜沢エリカが映画化を前提として書き下ろした新作。監督は、ドラマ「不機嫌なジーン」や映画『ヘブンズ・ドア』『デトロイト・メタル・シティ』など数々のヒット作の脚本を担当し、『2番目の彼女』『ネコナデ』で映画監督としても高い評価を得ている大森美香。そして出演するのは、『かもめ食堂』『めがね』で唯一無二の“ほっこりコンビ”ぶりを見せてくれた小林聡美、もたいまさこに、『めがね』にも出演していた加瀬亮、映画初出演ながらモデルならではの佇まいが印象的な伽奈、そしてタイの少年、シッティチャイ・コンピラと、柔らかな個性を身にまとった俳優たち。
■Story
4年前、祖母と娘さよのもとを離れ、チェンマイの郊外にあるゲストハウスで働き始めた母・京子(小林聡美)。さよ(伽奈)は大学の卒業を目前に控え、母を訪ねて、一人チェンマイにやってくる。小さなプールがあるゲストハウスには、母の仕事を手伝う市尾(加瀬亮)とビー(シッティチャイ・コンピラ)という名前のタイ人の子供、そして不思議な空気感を持つオーナーの菊子(もたいまさこ)がいた。さよは久々に会った母が、初めて会う人たちと楽しそうに暮らしている姿をどうしても素直に受け入れることができず、最初は戸惑いを感じていた。しかし、それぞれが問題を抱えながらも、その現実を自然に受け入れつつ、相手を思いやりながら生きている彼らと接するうちに、さよは次第に心が開いていくのを感じ始める……。
