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SPECIAL INTERVIEW
制すべきは自分との戦い

小出 孟さん (24) 令和4年度 1級建築士合格
- 学歴:
- 大学
- 勤務先:
- 大学院2年生(工学専攻)
- 教室:
- 名古屋校
計画:15点 環境/設備:17点 法規:21点 構造:28点 施工:23点
受講講座
- 受験回数:
- 学科1回/設計製図1回
現在の仕事の道に進もうと思ったきっかけ
論理的な建築の評価軸の確立
もともと学部3年まで意匠設計がしたいと思っていました。しかし、「良い建築とはなにか?」「自分はこの時代を生きる人間としてどのような建築を残すべきなのか?」とわからなくなっていました。そんなとき、東京に遊びに行った際、代々木体育館を見て構造の言語で建築を語れることのスマートさに希望をみることができました。構造家としてそんな建築を設計しようと思い、建築家と一緒に模索できる構造設計アトリエを就職先に選択しました。
在学中に1級建築士試験の受験を決断した理由・きっかけ、また受験を決める際に不安だったこととその克服法
時間との勝負だからこそ学生のうちに挑戦したかった
1級建築士試験はそこまで難しくないと勉強をはじめたときから現在までずっと思っています。難しいのは出題される問題ではなく、カバーしなくてはいけない知識の量だと感じていたので、時間さえ確保できれば受かると思っています。要は自分の勉強時間確保が合否を分けると思ったときに、時間の余裕のある学生からはじめるのが圧倒的有利と感じて決断しました。逆に今受からなければ一生受からないと思い取り組んでいました。
独学または、他の学校利用ではなく「総合資格学院」に決めた理由
最短距離で合格できると感じた
他の資格学校とも比較検討しましたが、大きな決め手はサポート体制でした。1級建築士は時間との勝負です。時間確保するのも大事ですが、もうひとつ大事なことに理解スピードを上げることが考えられます。いちいちひとつの問題で止まっていては、いくら勉強時間を確保できても一向に終わりません。講師や教務スタッフが近くにいて聞きたいことがすぐ聞けるという環境に魅力を感じました。また、テキストが図やカラーを多用していてわかりやすかったことも決め手でした。
合格したからこそ言える失敗談や反省点、受験期間中の印象に残るエピソード
カバンを破壊するほどのテキスト情報量!
総合資格学院のテキストは膨大な1級建築士の情報量を洗練してまとめ上げられているため、厚く重量もあります。法規の講義の日、テキストに加えて法令集もカバンに入れて教室に向かったところ、気に入っていたカバンのファスナーが重さと体積に耐えられなかったのか壊れました。お気に入りのカバンの使用は避けましょう(笑)。
周りの1級建築士に対する学習状況
1級建築士は今年じゃない!という雰囲気
勉強を開始したのが、大学院1年の秋です。大学院1年の秋といえば、まわりは就活で1級建築士の勉強どころではありませんでした。自分は就活をすることなく就職先がすぐに決まったので勉強に打ち込めました。
当学院で学習した内容が、学校生活または就職活動などで役立ったエピソード
建築の基礎が身につく
勉強をする前までは、どのような工程で建築物ができあがっていくかが理解できていないところがありました。例えば、計画でのスケール感覚、環境・設備での空調システム、施工での基礎工事など、いままで知らなかった知識が広くつき、全体像が把握できました。そうすると新しい視点ができ、街を歩くとき、建築をみるとき、本を読むとき、同じことをしていても新たに入れられる情報が大きく増え、今後の理解速度に大きく関わると感じています。
当学院指導の大きな特長である、講師によるライブ講義を受けて良かったこと
すぐに質問できる環境があること
間接的ではありますが、ほかの受講生が講師に質問する内容などで「そんな考え方があるのか」など、学ぶことができ、新たな知識が得られたのは良かったです。また、講師が映像や黒板やプリントをうまく活用してわかりやすく説明してくださったのも良い点でした。それでも自分の理解が追いつかないときは、講義後や自習中にすぐに聞けるのがとてもいい環境でした。
得意科目と苦手科目
得意科目
苦手科目
得意にできた理由、もしくは苦手科目の克服法
実務を知らないハンデを勉強法や動画で克服
もともと構造は不得意だったのですが、必死で勉強をして得意科目に引き上げた経験から心配はしていませんでした。一方、施工と法規は学生の自分は実務を行っておらず、まったくイメージがつかずに苦戦しました。この2つは勉強法を考えるところからはじめました。施工はポンチ絵を描いたり、語呂合わせで覚える勉強法、動画で確認する方法で克服し、法規は法令集の目次を利用して掲載位置を覚える勉強法で取り組んだら、苦手意識がなくなりました。
設計製図試験を見据えた、学科学習時から正しく理解し、記述できるよう指導を行いましたが、感じた効果を教えてください。
長い目で見たときの効率的な勉強だった
まったく知らないより「このあたりは製図で問われるな」と思いながら勉強していると意識が違うと感じました。学科がゴールじゃない勉強法が製図へとスムーズに移行できました。製図の講義を早い段階で受けられたので、学科の勉強におけるパワーバランスの計画にもつながったため、製図と学科を分けない勉強方針は効果的だったと思います。
学科合格のポイント
安定した生活習慣を毎日送ること長期戦の勉強だったので今日だけがんばるのではなく、翌日にもつながるような生活スタイルを送ろうと考えました。今日覚えたことでも、翌日休むことで定着率が低くなるのは避けたいと思い、そのためにも睡眠時間の確保を固定。22時30分〜5時の睡眠時間を確保するというマイルールだけ崩さないと決めていました。日中は学校で研究をしているので、だいたい5時30分〜8時と20時30分〜22時30分あたりを勉強時間にあてて、そのペースを続けました。
エスキスや記述(プランニング)で苦労した点や克服法、講義で役に立ったこと
エスキスは一個ずつ確実に、記述はキーワードの引き出し作り
)エスキスで大事なのはルーティン化とていねいさだと思います。講義で言われ続けたことですが「自分で決めた位置に毎回同じプロセスを書く」「色ペンを使って丁寧に描いていく」と工程を決める心がけをしただけでだいぶ余裕が生まれました。これは講師がつくってくれたプリントを最初はひたすら真似て描き、そこから自分のエッセンスを加えながら仕上げていきました。記述は毎課題でいただく模範解答例からキーワードを抽出し、それだけを覚えていました。最終的には記述することを決めてから、設計方針を決めていました。
作図で苦労した点や克服方法、講義で役立ったこと
マラソンと一緒で自分のペースを体で覚えていきました
自分はエスキスが速くなる自信がなかったので、作図強化講座までに自分の製図道具を使いこなすことと手順の自動化の確立が必至でした。手順は各工程で大体何分かけていいかを計算して、そのペースを体に染み込むまで描き続けました。工程ごとに得意不得意があったので、例えば断面図は15分で描けるようになるまで描き順を変えたりして何度もそこだけ繰り返すようなトレーニングをしていました。その結果、作図は2時間あれば確実に描けるくらいになりました。それがまた自信につながりエスキスが落ち着いてできたのだと思います。
製図試験において、学科対策期間中からやっておいてよかった、あるいはやっておけばよかったと感じたことを教えてください。
普段からスケール感覚を磨く
日頃からレーザー距離計を持っており、通路の幅、天井の高さ、トイレの奥行きなどを調べていました。この習慣が計画の勉強や、実際に製図するときの感覚にもつながったのでこれがとても役に立ちました。
製図合格のポイント
徹底的なルーティン化いつもどおりのことをすれば受かる自信がありました。その目安が時間配分です。逆算しながら時間を頭に叩き込んで試験中もいつもどおりを心がけました。当日はエスキスがいつもより少し早く終わってしまったので、調子の良さが裏目に出ないように一度トイレ休憩を入れて落ち着かせました。それくらい時間配分を忠実に守りました。
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合格サイクル+継続学習
勉強が定着しているか振り返りのタイミングを強制的に与えてもらっていたので、自分のわかっていないことの確認になりました。勉強のモチベーションと記憶の維持につながったため、勉強リズムが整い効率良く学べました。
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学科模擬試験
何が弱いのかを数字で見ることができて、効率的な学習指針を再構築するのに役立ちました。結果が出るのが早くて驚いたのもあります。順位の貼り出しを見て、自分の立ち位置を客観的に知ることができたのも良かったです。
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交換添削実習
他の人はどのような考えで設計するのか垣間見られて、純粋に楽しかったです。無駄を削ぎ落とす作業の材料になりました。また、図面提出のときに、自分の図面がグループからとても評判が良く自信につながったこともモチベーションになりました。