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SPECIAL INTERVIEW
「建築への興味」と「一発で合格するという気持ち」

栁田 陸斗さん (24) 令和5年度 1級建築士合格
- 学歴:
- 大学
- 所属:
- 大学院2年生(建築学プログラム)
- 教室:
- 鹿児島校
計画:19点 環境/設備:18点 法規:25点 構造:28点 施工:22点
受講講座
- 受験回数:
- 学科1回/設計製図1回
現在の仕事の道に進もうと思ったきっかけ
空間をつくる楽しさ
幼いころからものづくりが好きだったことが大きいと思います。高校時代は映像制作に興味があり、美術部でアニメーション制作をしていたのですが、部室の一角にアニメーションスタジオを作ることが楽しくなってしまい、空間をつくる楽しさに目覚めました。
在学中の1級建築士試験の受験を決断した理由・きっかけ、また受験を決める際に不安だったこととその克服法
親の勧め
受験の理由は見出し通り「親の勧め」です。私自身は大学院での活動に専念したかったのですが、「就職後の受験はきついだろう」という理由から親に在学中の受験を勧められました。就職について親の意向とはまったく別の進路に進もうと考えていたので、建築士受験に関しては親の勧めを受け入れることにしました。なお、両親とも建築関係の職業ではありません。また、在学中の受験について大学院の中でも賛否があったので、自分を実験台にして後輩たちに受験体験のフィードバックしようという思いもありました。大学院での活動にどのくらい影響が出るのかが不安だったので、実際に在学中に合格なさった大学院の先輩に、体験談を伺いました。
独学または、他の学校利用ではなく「総合資格学院」に決めた理由
「1年で決める!」という思い
1年で効率よく合格したいと思ったので、資格学校に通うことにしました。総合資格学院には学生団体の設計展でお世話になっていたことや、多くの先輩方が通っていて合格実績があったことから、総合資格学院に決めました。
合格したからこそ言える失敗談や反省点、受験期間中の印象に残るエピソード
就活とのバランス
受験するのは、大学院修了後の進路が決まってからの方がよかったと思います。建築士試験の勉強をしながらの就活だったので、スケジュールについて、やはり多少の不自由はありました。就活も途中かなりいいところまでは行けたのですが、最終的に少し希望と違う方向になってしまったので、もう少し進路検討に費やす時間を増やせばよかったと思います。建築士試験は、就職後でも受けられるので……。
ご自身が学習開始された際、同級生の1級建築士の学習状況はどうだったか
同級生には負けないという思い
僕は修士2年での受験だったのですが、修士1年で受験した同級生が学年の1∼2割程度いました。なかなか厳しい結果だったようで、改めて気を引き締めました。講義が始まったときは、同級生が1人、1年下の後輩が6人、同じ教室にいました。絶対に負けないと心に決め、毎回のテストに勝負のつもりで挑みました。
当学院で学習した内容が、学校生活または就職活動などで役立ったエピソード
建築の実務的な内容を学べる
普段から建築が好きなので、実務的な内容が身につくのは楽しかったです。修士論文では、都市計画の内容が役に立ちました。また後輩の設計課題のTA(授業補助)をする際に、実務的な知識が多少役に立ったと思います。あと、大学の先生方との雑談や飲み会の場で現実的な実務のこと(どんな制約や厳しさがあるのか)を知っていると、盛り上がりました。就職活動として長期間の模型アルバイトに何社か参加したのですが、学習した実務の内容が役に立ちました。逆に、模型アルバイトで学んだ内容が、資格学習に役立ったこともありました。
当学院指導の大きな特長である、講師によるライブ講義を受けて良かったこと
講師の人間味
まずは、その場で質問できることです。それと、講師の人間味が出てくると、印象に残り、知識が身につきやすかったです。「これ大事!」とか「ここ勘違いしやすいけど、実はこうなんだよねぇ~」とか、感情を出して説明していただけると、受講生も「なるほど!」「やっぱりそうか!」と、共感する気持ちで理解しやすかったです。加えて、講師は、本業で実際に設計等をなさっている方々なので、実際の仕事での体験談・実務での話を織り交ぜてくださると、興味が出てきて覚えやすかったです。
得意科目と苦手科目
得意科目
苦手科目
得意にできた理由、もしくは苦手科目の克服法
興味が大事! 法規は工夫で克服できる
計画に関しては、意匠・計画系の研究室に所属しているため、もともと知識があり、興味もあったので得意でした。構造に関しては、専門としているわけでは全くないのですが、構造設計・構造デザインに興味があったので、習った内容が頭に入りやすかったです。法規は、そこまで苦手というわけでもなかったですが、他の4科目に比べると習得が遅く、学科試験本番での得点も低かったです。法令集にオリジナルのアンダーラインやマークを付けることと、試験中に解くペースを工夫することで克服していきました。特に、解くペースについては、最初からすべての選択肢を法令集で引くのではなく、全問題に一通り目を通し、怪しいものから法令集で引くことで、無駄な検索時間を省きました。
講義で一番役に立ったこと、助けになったこと
単なる暗記ではなく原理で理解する
学科試験には、数値や順序、大小関係など覚えることがたくさんあります。それらを覚えるために講師が「なぜそうなるのか」という原理を説明してくださったので、理解しやすく、覚えやすかったです。そのときに講師が、感情むき出しの解説や、実際の仕事での体験談をしてくださると、印象に残り、知識が身につきやすかったです。
学科合格のポイント
建築への興味!もともと建築が大好きで、有名建築の事例・構造・ディテール・納まりなどに興味があり、それなりの知識もあったので、講義や問題演習を通して、その知識を整理していく感じでした。勉強していく上で、もちろん新しい内容や知らない知識も出てきましたが、既に知っている内容とリンクさせていく作業だったので、知識が増えていく感じが楽しかったです。
エスキスや記述(プランニング)で苦労した点や克服法、講義で役に立ったこと
エスキスのスピード
一番苦労したのはエスキスのスピードです。学院の目標時間でエスキスを終わらせなければなりませんが、試験一週間前までまったく間に合いませんでした。対策として、とにかくエスキスの数をこなすこと、そして、迷い過ぎず決めていくことが大事でした。エスキスは考えること・決めることが多いので、思い切って「もうこれでいく!」と決断することです。私は、エスキス時に線を定規で引くと決断が速くなりました。フリーハンドだと、曖昧な線を描きながら、いつまでも迷う感じだったので。
作図で苦労した点や克服方法、講義で役立ったこと
スピードと手の疲れを道具の工夫で克服
作図はスピードの遅さと手の疲れが難点でした。数をこなして手順に慣れることと、道具の工夫が大切だと思います。作図のシャーペンは、3種類を使い分けました。平面図の柱型は芯が折れにくく、濃いBの0.7mm、文字やインテリアはシャープで少し薄いHBの0.5mm、その他大半はBの0.5mmです。また、金属製で重めのシャーペンを使うことで、筆圧が濃くなりやすく、手の疲れが軽減しました。
製図合格のポイント
同じミスをしないこと
製図試験で失敗する要素の大半は、不注意によるミスだと思います。「解けない」「知らない」ということはあまりないです。ミスをなくすには、多くの演習を通して自分のミスの傾向を理解することです。記入漏れ・課題分の読み間違いなど、演習でのミスをしっかり合格ダイアリーに記録しておき、毎週それを確認することで、着実にミスを減らしていきました。
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合格サイクル+継続学習
学科試験の合格は、このサイクルのおかげだと思います。毎回の受講日で、演習テストは約9割、達成度テスト・定着度テストではほぼ満点を維持できるよう、毎週その週に完璧に仕上げるようにしました。また各試験(模擬授業および本試験)前には、演習テスト・達成度テスト・定着度テストの3つを全問正解するまで完璧にしました。講義の日に使う4冊の白冊子(プレテスト・演習テスト・達成度テスト・定着度テスト)は、基礎知識から過去問、予想新出問題までを網羅しているので、これらが最も役に立ったと思います。
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講師による添削
製図試験の合格には、講師による添削が最も役に立ったと思います。自分では気づかないミスや、そもそも判断できなかった点をしっかり見つけて指摘してくださったので、着実に成長できました。講義日に対面で解説してくださるのもありがたかったです。独学や通信講座にはできない、最大のメリットだと思います。
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学科模擬試験、製図模擬試験
模擬試験は、自分の実力や相対的なレベルを知る上で、最も役に立ちました。学科模擬試験は全4回あり、79点、88点、95点、99点という推移でした。2回目の模試(4月末)でおおよそ合格ラインを得点できたのはとても自信になりました。製図模擬試験は全2回あり、どちらもランクⅠを取れました。早く合格ラインの自信をつけたいと思い、各模試の前に重要事項や自分のミス特性を整理して、ランクⅠを取れるよう仕上げました。