皇帝たちの絶大な力を物語る中国最大の宮殿建築
1987年に世界遺産に登録され、2004年に「明、清朝の皇宮群」として追加登録された中国・北京にある故宮博物院は、中国文明の至宝を180万点も所蔵し、中国の歴史を堪能できる世界有数の博物館。ここはかつて「紫禁城」と呼ばれ、庶民が立ち入ることのできない聖域でした。
1406年、明の永楽帝が14年の歳月をかけて築き上げたこの宮殿は、歴代の皇帝24人が居城し、清朝最後の皇帝・宣統帝溥儀にいたるまで、500年近くにわたり政治の中枢として君臨していました。
南北961m、東西753m、面積約72万平米、部屋数はおよそ9000。世界最大といわれるこの宮殿の敷地は、「天子南面す」という故事に従い、すべて南向きにつくられ、主要な宮殿がみごとな左右対称の形をなしています。乾清宮より南が公の行事を行う「外朝」、北側が皇帝たちの生活の場である「内廷」と呼ばれますが、中でも宮殿の中心部にあたる太和殿は重要な式典を行った最も権威ある場所。直径1メートルの太い柱が92本立つ中国最大の木造建築の建物内部には、龍の彫刻が施された黄金の玉座が。
『ラストエンペラー』では3歳の愛新覚羅溥儀がここに座り、清朝最後の第十代皇帝“宣統帝”として即位の儀を行った場が描かれますが、赤・黄色・黒の衣装をまとった官吏たちが、太和殿の前庭一面にずらりと並び三跪九叩頭の礼（さんききゅうこうとうのれい）を行う場面の荘厳な美しさは、映画のもっとも印象的なシーンといえるでしょう。
『音もなく1万年王朝がゆれている
その時、最後の皇帝わずか3才。
』
■Introduction
激動の時代に生きた中国の最後の皇帝溥儀の生涯を描く。製作はジェレミー・トーマス、監督は『1900年』『ルナ』のベルナルド・ベルトルッチ。『アイスマン』『イヤー・オブ・ザ・ドラゴン』のジョン・ローンのほか、ミュージシャン・作曲家として世界的に活躍している坂本龍一などが出演している。清朝最後の皇帝、溥儀の人生を壮大なスケールで描いた歴史超大作。1987年度のアカデミー賞ではノミネートされた9部門（作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣裳デザイン賞、美術賞、作曲賞）全てで受賞するという快挙を達成した。
■Story
1950年、ハルビン駅では次々と中国人戦犯たちが送りこまれていった。800人を越えるその人の中には愛新覚羅溥儀清朝最後の皇帝、ラスト・エンペラ―宣統帝愛新覚羅溥儀（ジョン・ローン）がいた。彼は人目を避けてトイレに入り手首を切り、自殺を試みる。薄れゆく意識の中で、様ざまな過去が彼の脳裏をよぎった。わずか3歳で清朝皇帝の地位につきながらも、近代化の嵐にもまれ、孤独な日々を送らざるを得なかった溥儀。彼が即位してから文化大革命以降に至るまで、多くの人々と出会い、どのような人生を送ることになったのか…。
ニューヨーク最大のイベントといえば、大晦日のカウントダウン。毎年、会場となるタイムズスクエアには新年の瞬間を分かち合うため、世界中から数百万人が集まります。生粋のニューヨーカーである監督のゲイリー・マーシャルはこのNYの特別な1日を切り取り、大都会で暮らす人々の様々なドラマを描き出しました。
物語の主人公は、イベントの責任者や元恋人と偶然再会したシェフ、2人の妊婦、死期が迫った老人と彼を看護する看護婦、1日で1年の目標を叶えようとする女性などさまざまな思いを抱えた総勢18人の男女たち。その中のひとり、コミック作家のランディとその隣人であるエリーズは、エレベーターに閉じ込められてしまうのですが、このエレベーターがアコーディオン扉の手動式とかなりクラシックなのが印象的です。地震がないNYでは、築100年以上のれんが造りの建物も珍しくないようで、日本では姿を消したこのタイプのエレベーターもまだまだ現役。また一般的に家賃は高いのでニューヨーカーたちは、ランディのように古いアパートで友人とシェアしたり、グリフィン＆テス夫妻のように狭い部屋を工夫する、キム＆ヘイリーのように家賃の安いエリアに住むなど、それぞれのライフスタイルに合わせた住まいを選択しています。
さて、年越しのメインイベント、ボールドロップがはじまり人々の熱気と興奮が頂点に達するとき、翌日の“新しい自分”になるために奔走していた愛すべき主人公たちのドラマは少しずつ重なり、やがて意外な関係性が見えてきます。はたして彼らはどんな1日を送り、どんな新年を迎えるのでしょうか？
『今日一日の勇気が、希望の年を連れてくる。』
■Introduction
主人公のペネロピを演じるのは、『スリーピー・ホロウ』や『モンスター』など幅広い役柄をこなす演技派であり、キュートな魅力あふれるクリスティーナ・リッチ。相手役マックスには、『ナルニア国物語／第1章:ライオンと魔女』などの話題作に出演しているイギリスの若手注目株ジェームズ・マカヴォイ。そして、『ウォーク・ザ・ライン／君につづく道』でアカデミー賞やゴールデングローブ賞を受賞したリース・ウィザースプーンが、ペネロピの友人役とプロデューサーを務めている。カラフルな世界で魅了するロマンティックなおとぎ話。
■Story
先祖が魔女にかけられた呪いのせいで、豚の鼻と耳をもって生まれたペネロピ（クリスティーナ・リッチ）。呪いを解く方法はただ一つ。「ペネロピと同じ名家出身の“仲間”が、ペネロピに永遠の愛を誓うこと」。屋敷の中だけで育てられ、完璧な花嫁教育を施されたペネロピは、集められた名家の子息との見合いを繰り返していた。彼女の顔を見たとたんに逃げ出す見合い相手たち。そんな中、マジックミラー越しの会話で、自然体のマックス（ジェームズ・マカヴォイ）に心惹かれていくペネロピ。彼女が姿を現わしても逃げ出さなかったマックスに、ペネロピは必死の思いで自分からプロポーズするが、結果は“1000回分の失恋”。ある晩、マフラーを巻いて鼻を隠したペネロピは、ついに一人で屋敷を飛び出すのだった。
