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今月のオススメの一冊

シックハウス

『健康・快適な住宅づくりのチェックポイント』

健康・快適な住宅づくりのチェックポイント 2003年の建築基準法改正により建築材料の使用制限が義務付けられ、メディアで大きく取り上げられる事のなくなったシックハウスですが、まだまだなくなっていないのが現状です。健康な住居作りのポイントがまとめられた本書では、なかでも特徴的な健康影響因子として“ギ酸”を取り上げています。これまで重要視されてこなかったギ酸ですが、その蒸気は人の皮膚や粘膜に強い刺激性があり、人の健康以外にも絵画や銅像などに変色や腐食などの影響を及ぼします。ギ酸の生成経路は木材系材料からの放散、ホルムアルデヒドを前駆物質とする室内化学反応によるもの、ホルムアルデヒド以外のVOCsからの生成、という3つが考えられています。その他にも消臭剤の人体への影響や建築後に起こる室内の化学反応により二次的に生成する有害物質に対しての配慮が必要だと本書は訴えています。

『健康・快適な住宅づくりのチェックポイント』 健康・快適な住宅づくりのチェックポイント

『世界で一番やさしい家づくりガイド2012-2013』

世界で一番やさしい家づくりガイド2012-2013マイホームが欲しい人に向けて執筆された本書ですが、家を建築・設計する上でも参考となります。シックハウス症候群を引き起こす可能性のある化学物質を含む接着剤、防腐剤、断熱材、仕上げ材、塗料が一覧としてまとめられており、さらにはそれによって引き起こされる健康被害についても確認する事ができます。例えば、塗料の項目では、油性塗料に含まれる有機溶剤トルエン、キシレンなどの物質に気を付ける必要があると記しています。トルエン、キシレンは倦怠感、吐き気、知覚異常や皮膚・目への刺激などをはじめとする様々な症状を引き起こす可能性がある物質です。対して健康に配慮された、自然塗料や伝統塗料などに代表される水性塗料の使用を薦めています。建設する上で使用しやすい建材は多くありますが、人体への影響を考慮した選択が必要だという事を改めて教えてくれる一冊です。

『世界で一番やさしい家づくりガイド2012-2013』 Ahaus NO.8
  • ■発行:エクスナレッジ
  • ■価格:¥1,890(税込)
  • ■参考サイト:エクスナレッジ


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