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今月のオススメの一冊

建築とアート

『直島 瀬戸内アートの楽園』

直島 瀬戸内アートの楽園 世界的にも有名な現代アートの地・直島、豊島、犬島を舞台に運営されているアートプロジェクトを解説した完全ガイド本です。著者の一人である安藤忠雄氏は、ベネッセアートサイト直島の中核施設「ベネッセハウス ミュージアム」をはじめ、直島内の多くの建築物を手掛けた建築家です。彼の作品は、まさに建築とアートの融合を体現するものばかり。その中のひとつ「地中美術館」にはクロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリアの作品が設置されており、アーティストと建築家の構想がぶつかり合った巨大なサイトスペシフィック・ワークとなっています。景観を損なわないよう大半が地下に埋設していますが、館内には自然光が降り注ぎ、作品や空間の表情が刻々と変わるような設計となっています。多くのアート作品が設置され、一言では語り尽くすことができない多くの魅力が溢れる直島の、一旦を垣間見ることができる一冊です。

『直島 瀬戸内アートの楽園』 直島 瀬戸内アートの楽園
  • ■発行:新潮社
  • ■著者:福武總一郎、安藤忠雄
  • ■参考サイト:新潮社のウェブサイト
  • ■価格:¥1,680(税込)


『思考都市 坂口恭平 Drawings 1999-2012』

思考都市 坂口恭平 Drawings 1999-2012作家、絵描き、踊り手、歌い手としてマルチに活躍するアーティスト・坂口恭平氏。そのもう一つの顔が建築家です。現代のライフスタイルに問いを投げかける坂口氏の建築は特殊で、その本質はアート作品であるように感じられます。そんな彼の作品をまとめた初のドローイング集である本書は、モバイルハウス、図面、写真、さらには路上のスケッチ、感銘を受けた本につけた挿絵にいたるまでを掲載しています。本人の解説はもちろん、制作当時の思い出や作品を見て今思うことが手書きで添えられており、彼の代表作でもあるモバイルハウスの思考原点を垣間見ることができる机の家や、大学卒業後に描いたソーラー0円ハウスの実測図など、坂口氏が作品を作るまで、また現代にいたるまでの軌跡を辿ることができる一冊になっています。アイディアに詰まった時には、想像力を刺激される作品の数々を眺めて、インスピレーションを求めてみてはいかがでしょうか。

『思考都市 坂口恭平 Drawings 1999-2012』思考都市 坂口恭平 Drawings 1999-2012

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