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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

新しい靴を買わなくちゃ DVD通常版
  • 新しい靴を買わなくちゃ DVD通常版
  • 『新しい靴を買わなくちゃ DVD通常版』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:キングレコード
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督・脚本:北川悦吏子
  • 出演:中山美穂 向井 理 桐谷美玲 綾野 剛 アマンダ・プラマー 他
 
 

(C) 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会

シャイヨー宮<パリ〜フランス>

エッフェル塔の美しさを堪能できる文化施設


シャイヨー宮(パリ〜フランス)

(C) KavalenkavaVolha - Fotolia.com

数々のヒットドラマを手掛けた北川悦吏子監督と、中山美穂&向井理主演で贈る『新しい靴を買わなくちゃ』は、パリ在住の女性と旅行で訪れた男性の3日間の恋を描いた物語です。全編オールパリロケで撮られた本作ですが、偶然、出会った2人の恋心が燃え上がるのもロマンチックなこの街だからこそ。名所やパリジャンの暮らしなど、センの目線で観光気分が味わえるのも魅力です。

センの滞在最終日に2人で訪れた場所が16区にあるシャイヨー宮。“宮”と名が付いていますが、実際は1937年、第二次世界大戦前、最後の万博となったパリ万博時に建設された新古典派主義建築のパビリオンです。中央のテラスを挟み左右に大きく翼を広げたような建物の西棟には、現在、海洋博物館と人類博物館が、東棟には建築・文化財博物館が入っています。特に、2007年に拡大リニューアルされた建築・文化財博物館には、12世紀から18世紀の建築の彫刻部分の実物大複製が見られるムラージュ・コレクションをはじめ、ル・コルビジュエの共同住宅“ユニテ・ダビタシオン”の部屋の実物大模型など貴重なコレクションが展示されています。約1000年にわたるフランス各地の名建築が一度に堪能できるこの博物館、建築好きならぜひ訪れたい場所です。

セーヌ河を挟んでエッフェル塔の向かいにあるシャイヨー宮の中央のテラスからは、見事な均整美を描いて立つエッフェル塔の全景を眺めることができます。パリ随一の観光スポットですが、時代をさかのぼってみると、ヒトラーが占拠したパリを訪れた際に写真を撮影したり、1948年に世界人権宣言が採択されたりと、歴史的に意義深い場所でもあります。劇中ではカメラマンのセンが涙をこらえながら微笑むアオイの姿を撮影していましたが、ここから眺めるエッフェル塔は今も昔も変わらない美しい姿を見せてくれます。

『運命が変わる、三日間。』 ■Introduction

ヒールが折れた靴をきっかけに、パリに暮らす女性と、日本から観光に来た男性の恋を描いた大人のラブストーリー。ヒロインであるアオイを『サヨナライツカ』の中山美穂が、アオイと恋に落ちるカメラマンのセンを『BECK』の向井理が演じる。そのほか、『ツナグ』の桐谷美玲、『白ゆき姫殺人事件』の綾野剛など実力派キャストが揃った。監督・脚本を務めるのは、テレビドラマ「ロングバケーション」など数々の大ヒット恋愛ドラマを手掛けてきた北川悦吏子。プロデュースには『花とアリス』の岩井俊二、音楽は坂本龍一が担当している。

■Story

妹のスズメ(桐谷美玲)に付き添って、パリへとやって来たカメラマンのセン(向井理)は、到着するなり、スズメに置き去りにされてしまう。泊まるはずのホテルもわからず途方にくれるセンは、落としたパスポートが踏まれて破れてしまい、さらに困った状況に。踏んだのは、パリでフリーペーパーの編集をする日本人女性、アオイ(中山美穂)。パスポートを踏んだために、ヒールが折れてしまった彼女の靴を、接着剤で直すセン。その夜、2人は食事をするが、酔っぱらってしまったアオイを自宅まで送り届けたセンはホテルに戻れなくなり、アオイの部屋に泊まることに…。

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私の中のあなた
  • 私の中のあなた
  • 『私の中のあなた』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ギャガ
  • ■販売元:ハピネット
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督:ニック・カサヴェテス
  • 出演:キャメロン・ディアス アビゲイル・ブレスリン アレック・ボールドウィン ジェイソン・パトリック ソフィア・ヴァジリーヴァ 他
 

(C) MMIX New Line Productions Inc. All Rights Reserved.

家族それぞれの思いが交錯する命のドラマ

白血病の姉を救うためにドナーとして生まれてきた11歳の少女が、臓器提供を強いる両親を訴える…。センセーショナルな設定ゆえに、この映画は社会派ドラマ、スリリングな法廷劇、はたまた両親の狂信的な愛を描いたサスペンスなど、捉え方によってさまざまな物語に成り得ますが、監督のニック・カサヴェテスはこの家族の物語を“愛情”に絞り、胸に迫る人間ドラマとして描き出しました。

両親を訴えた妹のアナは、白血病を発病し死と隣り合わせの姉・ケイトのドナーとなるべく、遺伝子操作で産まれた子供。ケイトを救うために、これまで何度も針を刺された彼女の体への負担も相当ですが、そんなアナの犠牲も含めて母親のサラはケイトを救おうと必死です。そうした日常に突然アナから打ち込まれた「ドナー拒否」という楔(くさび)は、これまで家族が見て見ぬふりをしてきたさまざまな問題に否応なく向き合わせます。死に瀕した子供を救うためにドナーとして子供をつくることは倫理にかなっているのか?また、そのドナーとなった子供の人生は?自分らしくあるためのクオリティ・オブ・ライフとはどうあるべきなのか?どれも重く複雑な問題ですが、この家族みんなに共感できてしまうのは、心の機微が繊細に描かれているからこそ。

現実を受け入れながら前向きに過ごすケイト、大好きな姉のために懸命に尽くす妹のアナ、ケイトのために必死な母親サラ、家族を気にかけつつも寂しさを抱える兄ジェシー、歯車が狂った家族を見守る父親のジェイソン。さらに検事、弁護士、それぞれの思いが幾重にも重なり合い、紡がれる極上のアンサンブルに、最後にはきっと温かな涙が流れることでしょう。

『もう姉のドナーにはならない。』 ■Introduction

ジョディ・ピコーの大ベストセラー小説「わたしのなかのあなた」を実写映画化。監督は『きみに読む物語』で世界中を感動に包んだニック・カサヴェテス。実の娘が心臓病を患うという経験を持つ監督が、“最もパーソナルな作品”として、自らの体験をもとに家族の心情を温かく描いた。母親のサラを演じるのは、『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのキャメロン・ディアス。姉ケイトのドナーとして生きてきた娘・アナを演じるのは、『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリン。

■Story

2人の子供を持つ母親のサラ(キャメロン・ディアス)は、ある日、娘のケイト(ソフィア・ヴァジリーヴァ)が白血病であることを知る。娘を救うために残された方法は、ドナーとしてもう1人、子供を産むことだった。そうして生まれてきた妹のアナ(アビゲイル・ブレスリン)だったが、11歳になったある日、姉への腎臓提供を拒否する。ケイトに生きてほしいという思いは、家族みんな同じだと信じて疑わなかったサラ。ケイトの治療のために、これまで何度も犠牲を強いられてきたアナは、両親を相手に訴訟を起こす。

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