
令和8年度 1級建築士 設計製図 課題攻略ガイダンス ダイジェスト
令和8年度 一級建築士 設計製図試験 課題
課題名
ホテル
要求図書
- 1階平面図・配置図(縮尺1/200)
-
各階平面図(縮尺1/200)
※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。 - 断面図(縮尺1/200)
- 面積表
- 計画の要点等
建築物の計画に当たっての留意事項
- 敷地の周辺環境や既存建築物の現状保存に配慮して計画する。
- バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量削減、セキュリティ等に配慮して計画する。
- 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
- 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
- 構造種別に応じて架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
- 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。
注意事項
「試験問題」及び上記の「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
なお、建築基準法等の関係法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不適合又は不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。
令和8年度 設計製図試験『ホテル』課題分析
当年度課題「ホテル」について
1級建築士の設計製図試験で「ホテル」が出題された背景には、観光を地域経済・日本経済の発展をリードする戦略産業と位置づけ、持続可能な観光、消費額拡大、地方誘客、観光とまちづくりの連携を進める国の政策動向があると考えられます。
なお、令和8年度は「既存建築物の現状保存」という新たな留意事項が示され、地域の歴史・景観を継承しながら新たな宿泊機能を計画する総合的な計画力が求められる課題と考えられます。
■ 現在のホテルに求められるもの
1.観光立国と地方誘客の推進
令和8年3月に閣議決定された観光立国推進基本計画では、観光を戦略産業として持続的に発展させ、地方誘客や観光と交通・まちづくりとの連携を強化する方針が示されています。 ホテルは、地域での滞在時間と消費を生み出す観光拠点として重要性が高まっています。
2.地域資源を生かした高付加価値な滞在
宿泊するだけの施設ではなく、地域の自然・文化・食・交流を体験できる滞在拠点が求められています。ロビー、ラウンジ、飲食、交流空間、外部空間等を地域特性と結びつけて計画する力が問われます。
3.既存建築物の保存と活用
文化財行政では、建造物の「保存」と活用」が重要な柱とされています。今回の留意事項からは、敷地内外の既存建築物を維持しつつ、新築棟との配置・接続・用途分担・景観調和を成立させる計画が重要になると考えられます。
4.脱炭素・省エネルギーへの対応
ホテルは、客室の空調・換気、照明、給湯、厨房等の負荷が継続的に発生します。日射制御、自然採光、高効率設備、再生可能エネルギー等を建築計画と設備計画の両面から組み立てる必要があります。
5.多様な宿泊者への対応と安全性
高齢者、車椅子使用者、子ども連れ、外国人旅行者等、多様な利用者を想定したバリアフリー、わかりやすい案内、避難、安全管理、宿泊者エリアのセキュリティが必要となります。
6.運営効率とサービス動線
宿泊客の快適性とホテル運営を両立するため、宿泊者・外来利用者・従業員・搬入車両の動線を分離し、バックヤード、リネン、清掃、搬入等を効率的に計画する実務的な視点が求められます。
出題のポイント
条件に応じて計画を組み立てる対応力が必要
「ホテル」は、平成29年度の「小規模なリゾートホテル」以来の出題です。ただし、令和8年度は用途を限定するサブタイトルがなく、立地、規模、階数、ホテルの種類、付帯機能を課題名から絞ることができません。
近年の出題と同様に、ヒント(学習の手掛かり)が少なく、条件に応じて計画を組み立てる対応力が必要です。
要求図書は「各階平面図」とされ、階数や構成は本試験まで公開されません。客室の基準階をもつ構成、低層のゾーン型構成、既存棟と新築棟を組み合わせる構成など、複数の建物構成に対応できる学習が必要となります。
「敷地の周辺環境や既存建築物の現状保存に配慮して計画する。」が最大の特徴
令和8年度最大の特徴は、「敷地の周辺環境や既存建築物の現状保存に配慮して計画する。」という文言です。
保存対象の位置・範囲・利用条件を正確に読み取り、既存建築物を避けるだけでなく、新築棟との関係、接続方法、構造、防火、避難、バリアフリー、景観等を総合的に解決することが求められる可能性があります。
ホテル計画では、宿泊部門、共用・付帯部門、管理・サービス部門を適切にゾーニングし、宿泊者、外来利用者、従業員、搬入車両の動線を明快に分離することが基本となります。特に、客室階のコア・避難・設備シャフト、エントランス、サービスヤードの計画は重点的な学習が必要です。
令和7年度まで記載されていた「大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする。」という項目は今回の発表文から除外されました。ただし、構造安全、設備、避難等の重要性が低下したことを意味するものではなく、既存建築物を含む安全性の確保は引き続き不可欠です。
このような幅広い条件を6.5時間という限られた時間で整理し、合格レベルの図面・計画の要点等を完成させるには、「読取り、エスキス手順・作図手順・チェック手順」を習得し、課題分析を踏まえた多様な課題実習に取り組むことが不可欠です。
過去本試験に関連性のある出題例
- H29 小規模なリゾートホテル
- H20 ビジネスホテルとフィットネスクラブからなる複合施設
- H17 防災学習のできるコミュニティ施設 (※既存建築物)
総合資格学院の製図指導
- 総合資格学院では発表された当年度課題名に関する徹底した情報収集・分析を基にオリジナル課題を制作。
- 講義内ではオリジナル課題を用いて、数多くの当年度課題演習を実施。複数パターンの課題に取り組むことで試験への対応力を確実に養成。
- 過去問中心の学習とは大きく異なり、当年度用途に正しく対応した学習が可能(特に今年は例年にはない「既存建築物の現状保存」が示されており、新築建築物だけを計画する従来型の対策では対応しにくい課題のため、対策にあたっては注意が必要です)。
- 断片的な学習ではなく、当学院では、読み取り/エスキス/作図手順の指導から、演習時のチェックまで一体的に指導するため、効率よく時間内に合格図面を完成させる力を身につけることができます。
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