試験内容について

2級建築士になるためには、都道府県知事が行う2級建築士試験に合格し、その都道府県知事の免許を受ける必要があります。
2級建築士試験は、 「学科の試験」と「設計製図の試験」が行われ、「設計製図の試験」は「学科の試験」に合格しなければ受験することができません。なお、「学科の試験」に合格し、残念ながら「設計製図の試験」に不合格となった人、又は受験しなかった人は、本人の申請により、「学科の試験」の合格翌年から4 回の試験のうち2 回( 合格年度の設計製図の試験を欠席する場合は3回)について「学科の試験」が免除されます(学科試験合格の有効期限は5年間)。

学科試験はどのような試験ですか?

2級建築士「学科の試験」に出題されるのは、「建築計画」「建築法規」「建築構造」「建築施工」の4科目。各科目25点満点、4科目合計100点満点の試験で、出題形式は5肢択一のマークシート方式です。試験時間は「建築計画」「建築法規」が合わせて3時間、「建築構造」「建築施工」が合わせて3時間、合計で6時間の試験となります。また、合格をするためには、合格基準点(全科目合計の合格ライン)と科目基準点(それぞれの科目の合格ライン)の双方をクリアする必要があります。

学科試験はどのような問題がでますか?

2級建築士「学科の試験」に出題されるのは、「建築計画」「建築法規」「建築構造」「建築施工」の4科目となります。

もっと詳しく

学科Ⅰ「計画」:
建築計画は、「計画原論」「計画各論」「建築設備」「建築史」の4つの分野から出題されます。「建築史」については毎年2問の出題が定番です。令和元年度は定番の問題が多く出題されましたが、近年話題性のある建築作品は出題の可能性が高く、過去に出題された作品だけでなく、幅広い知識が必要となっています。新聞やニュースなどで話題となっている建築物と設計者、その設計者の他の建築物にも知識の範囲を広げましょう。
「計画原論(環境工学)」については原理・原則を正しく理解する必要があります。問題解法にあたっては必要な図や公式などを自分で書いたうえで、正誤を判断する問題が目立っています。難化傾向にある応用問題に対応するためにはこのような学習・解法が必要です。
「計画各論」は用語と数値の理解が重要です。用語については他人に説明ができるぐらいの知識が必要になっています。また高齢者・障害者に対応した車いすの寸法やスロープなど、設計製図試験でも出題される内容も多く含まれているので、得意分野とすることが合格のために必要です。
「建築設備」は新規内容の出題比率が高くなりやすく、よく出題される項目であっても、正誤の判断が難しくなっています。最近では省エネ関連の最新技術なども出題されていますので、近年の技術動向を的確につかみ学習する必要があります。

学科Ⅱ( 建築法規):
建築法規は、「建築基準法」「その他関係法令(「建築士法」「バリアフリー法」「長期優良住宅普及促進法」「耐震改修促進法」「住宅品質確保法」など)」から出題されます。この科目の大きな特徴は、法令集を見ながら問題を解くことができること。まずは、法令集に慣れることが大切です。自分にとって使いやすい法令集を作成(インデックス、アンダーラインを活用)し、問題集の解説に書かれている条文は法令集で確認しながら学習しましょう。

学科Ⅲ( 建築構造)
建築構造は、「構造力学」「一般構造」「建築材料」の3つの分野から出題されます。特に、例年多くの受験生がこの科目を苦手としています。理由は「構造力学」という分野が、計算力がないと解答を導きだすことができないからです。
力、力の分解、力のつり合い、反力を理解できるまで徹底的に学習し、構造力学の問題を解答するための最低限必要な知識を初期段階で必ずマスターし、その上で問題演習に取り組んでください。
なお、構造力学以外の分野は、暗記中心の学習になるので、学習時間をしっかり確保すれば、得点は伸びていきます。焦らず取り組んでください。

学科Ⅳ( 建築施工):
建築施工は、「計画・管理」「各部工事」「その他(積算・見積など)」の分野から出題され、各分野をまんべんなく理解していないと試験に対応できません。 「計画・管理」の分野は比較的得点しやすい分野ですので、しっかりテキスト等の内容を理解することが大切です。
施工計画のネットワーク工程表や、各種材料の保管方法など、頻出の要点を中心に学習してください。「各部工事」は非常に重要です。特に「鉄筋工事」「型枠工事」「コンクリート工事」「鉄骨工事」「木工事」など、建物の構造となる分野がメインになり、これらの分野が一番難しく感じられます。テキスト等でこの分野を一通り熟読し、工事の流れのイメージをつかんだ上で用語・数値を覚えてください。「その他」の分野は、しっかりと学習すれば理解しやすい分野です。

設計製図試験はどのような試験ですか?

設計製図試験は事前に課題名、要求図書、注意事項等が発表されます。
試験当日は、事前に発表された課題に基づいた問題が出題され、その問題に対して要求図書を、制限時間内に完成させる試験です。設計条件等の詳細は試験当日までわからないため、課題のタイトルから想定される様々なパターンの準備をしておく必要があります。例年、平面図、立面図、断面図、伏図、部分詳細図(矩計図)、面積表、計画の要点等などから6~9種類程度が要求されます。
受験者の図書類は、採点によりランクⅠ~Ⅳに区分され、ランクⅠが合格となります。

設計製図試験は、どのような「課題」がでますか?

令和4年度の非住宅 (保育所) をはじめ、 令和3年度の「歯科診療所併用住宅」、 令和2年度の「シェアハウスの併設」 、令和元年の 「設計事務所の併設」 など、長年にわたり「プラスα」の題材が出題されていましたが、 令和5年度は「専用住宅(木造)」となり例年と比べシンプルな課題となりました。
このことから 「建築士」 としての本質 (知識・技能) を問う試験 となっていることが伺えます。・・
課題名 構造
令和5年度 専用住宅(木造) 木造
令和4年度 保育所 木造
令和3年度 歯科診療所併用住宅 RC造
令和2年度 シェアハウスを併設した高齢者夫婦の住まい(木造2階建て) 木造
令和元年度 夫婦で営む建築設計事務所を併設した住宅(木造2階建て) 木造
平成30年度 地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅 RC造
(ラーメン構造)
平成29年度 家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅 木造
平成28年度 景勝地に建つ土間スペースのある週末住宅 木造
平成27年度 3階に住宅のある貸店舗(乳幼児用雑貨店) RC造
(ラーメン構造)

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