「007」シリーズ第19番目の作品となった本作のオープニング。
スペインの港町・ビルバオの銀行から華麗なアクションで脱出するジェームズ・ボンドの背景で、ひときわ目を引くのがグッゲンハイム美術館の建築です。
渦巻く魚の群れや巨大な船、はたまたモダンな甲冑をまとった城のようにも見える躍動感あふれる造形は、近代建築の巨匠フランク・О・ゲーリーの代表作の一つ。
ネルビオン川に映るチタンパネルの輝きが旧市街のくすんだ色彩と強烈なコントラストを描き、
一種官能的なまでの美しさに彩られています。
官民共同の都市再生計画に基づいて建設されたこの美術館。
1997年の竣工時はセンセーショナルな外観が賛否両論を巻き起こしたものの、年間130万人以上の観光客を引き寄せ続け、さびれた工業都市だったビルバオのグローバル化に大きく貢献しています。
その開館間もない姿を撮影した本作は、記録映像としても注目すべき1本といえるでしょう。
『20世紀最後の任務。』
■Introduction
娯楽映画の金字塔、007シリーズ第19作。5代目ボンド、ピアース・ブロスナンが石油パイプラインを狙うテロリストと攻防戦を繰り広げる。冒頭のモーターボートチェイスから海や雪山を舞台に、手に汗握るアクションシーンが満点。ソフィー・マルソー、デニース・リチャーズ共演。MI6本部で石油王が暗殺される。その影に国際的テロリスト集団の影を感じたボンドは、彼に誘拐された過去を持つ石油王の娘の護衛に就く。
■Story
イギリスの石油王がMI6で爆死する事件が発生。ボンド(ピアース・ブロスナン)は彼の娘エレクトラ(ソフィー・マルソー)を警護するために、カスピ海へ飛ぶ。そこでボンドはテロ組織のリーダー、レナード(ロバート・カーライル)がロシアの核基地から核弾頭を奪い、巨大パイプラインを破壊しようとする計画を知る。ボンドは才色兼備の核エキスパート、ジョーンズ博士(デニス・リチャーズ)の協力のもと、遂に反撃に出た!
「決めることが多過ぎて、楽しい半面、しんどい」。
マイホームを建てた多くの人が、そう口にします。
間取りから壁紙まで、家づくりは「選択」の連続。本作で家を建てようとする若い夫婦は、その選択をプロに丸投げするだけで理想の家が建つと信じていました。
ところが設計を新進気鋭のインテリアデザイナー・柳沢に、施工を妻の父で大工の棟梁・長一郎に頼んだことから大騒動に発展。
家の設計は人生初ながら「ルドルフ・シンドラー風モダン建築に」と理想に燃える芸術家肌の柳沢と、「頑丈な和風建築が一番!」と譲らない昔堅気の長一郎が激しく火花を散らすのです。
さらに「間取りは風水で決めなきゃ」と夫の母まで口を出し、施主であるはずの夫婦はいつの間にか仲裁役に。
そんなマイホーム建築の喜怒哀楽が、三谷作品ならではのオフビートな笑いに包まれて描かれていきます。
「家はそこに携わった人々の個性の結晶」。改めてそう実感する傑作コメディです。
『おーい、家が建つぞー』
■Introduction
三谷幸喜監督がこの映画のための書き下ろしたもので、三谷監督自身が新居を建てる際に経験したことがアイデアの源となっている。主演は国民的ドラマ「北の国から」の田中邦衛と「ラヂオの時間」に続いて三谷作品出演の唐沢寿明。共演は「岸和田少年野球団」で映画体験済みの“ココリコ”田中と元フジテレビ女子アナ・八木亜希子、以下、三谷作品常連の名優達が競演している。
■Story
緑豊かな高台の土地にセンスのいい家を建てようと計画する脚本家の飯島直介(田中直樹)と妻民子(八木亜希子)。新進気鋭のインテリア・デザイナー柳沢(唐沢寿明)に設計を依頼するまでは良かったが、施工は妻の父親で頑固な大工の棟梁長一郎(田中邦衛)が行うこととなる。それぞれ素晴らしい資質を持つ2人だが、デザインに精通しているものの現場経験のない柳沢と、現場経験は人一倍だが柳沢の口から出るカタカナがさっぱり解せない長一郎。正反対の性格であるふたりは対立を繰り返し、遂には想像を絶するトラブルが夫婦に襲い掛かる。はたして理想の新居は完成するのだろうか?