ゴシック様式の先駆けとなった荘厳な石造建築
イギリス中世の有名建築の数々がロケ地になっている人気のシリーズ。5作目の本作でも、ホグワーツ魔法学校の廊下のシーンは、ダラム大聖堂の石造りのクロイスター(列柱廊)で撮影されました。北東部・ダラム市の崖に立つこの大聖堂は、1130年ごろ完成したロマネスク(ノルマン)様式の最高傑作のひとつです。螺旋や菱形などの美しい文様が刻まれた列柱もさることながら、注目すべきはその天井様式。当時としては最先端の、アーチによって天井の軽量化を可能にした「ヴォールト」を採用しており、後のゴシック様式に影響を与えました。映画『エリザベス』の撮影にも使われたという大聖堂の天井は、交差ヴォールトやリブ・ヴォールトで埋め尽くされ、荘厳な雰囲気を醸し出しています。
1987年、向かいのダラム城とともに世界遺産に。ちなみに1070年代築のダラム城は現在、ダラム大学学生寮になっており、若者たちが映画のような寮生活を送っています。
『これからお前は[すべて]を失う』
■Introduction
魔法学校で学ぶハリー・ポッターとその仲間たちの成長と活躍を描く人気シリーズ第5弾。今回5年生となったハリーは、恐るべき因縁と向き合いながら、復活した宿敵ヴォルデモート卿の脅威に立ち向かう。監督はこれまでイギリスのTV界を中心に活躍してきたデヴィッド・イェーツ。
■Story
ヴォルデモート卿が復活するも、それを信じない魔法省は真実から人々を遠ざけ、更にホグワーツを監視するために闇の魔術に対する防衛術の新任教師としてドローレス・アンブリッジを送り込む。ところがアンブリッジの教える防衛術は迫り来る闇の魔術に対しては余りにも不十分で、ロンとハーマイオニーに説得されたハリーは選抜した少数のメンバーと共に、きたる魔法戦争に備えるべく秘密の訓練を開始する。善と悪がぶつかり合い、息をのむほどの頂上決戦が待ち受けるJ・K・ローリングの『ハリー・ポッター』シリーズ第5章を見事に映像化。

IT化の波に乗り遅れた一人の建築デザイナー。家庭も仕事も失い、ガンで余命を宣告された彼は突然、非行街道まっしぐらの息子と一緒に「家を建てる」ことを決意します。
旧居をハンマーで打ち壊し、建材を組むガテン労働の間にも、体をむしばむ病魔。彼は息子との共同作業の中で、今まで明かせなかったつらい過去や、不器用で家族に伝え切れなかった思いを昇華させようとします。
この主人公のように自分の手で建てないまでも、「住環境を作る」という行為は、その人の過去や好み、さらには地域や地球環境とのかかわり方を、くっきり浮き彫りにする“人生のリトマス試験紙”ではないでしょうか。人となりが問われる一大事業だけに、その片棒を担ぐ建築士とは、何と厳しく、それでいてやりがいのある仕事なのでしょう。
さて、主人公が生きた証に建てる家は、どんな形で完成するのか。じんわり深〜い感動を、ぜひ本篇で味わってみてください。
『自分のものと誇れる“何か”をお前に残してやりたかった…。』
■Introduction
主人公の建築家を演じるのは、アカデミー受賞経験のあるケビン・クライン。彼と対立する息子には、『スターウォーズ:EP2 クローンの攻撃』で一躍全世界の注目を浴びた新星ヘイデン・クリステンセン。
■Story
時代に取り残された建築デザイナー、ジョージ・モンロー(ケビン・クライン)42歳。彼には既に再婚している元妻ロビンと16歳になる反抗期の息子サム(ヘイデン・クリステンセン)がいる。ある日突然会社から解雇を言いわたされた。その上、医者には余命3ヶ月であることを告げられる。このまま死んで悔いはないのか、残された時間で自分にできることは、何か…。彼は失ったものを取り戻すため、残りわずかになった命を愛する人のために捧げる決意をし、抵抗する息子とともに家を建てることにした。彼が心から望んだ最後の願いは…。
