ルーヴル美術館の歴史は1190年、パリの街を守るためにフィリップ2世が作らせた城塞に始まります。
当時の遺構は今も一部保存されていますが、建物内部で唯一現存するのは「サン・ルイの間」。壁面装飾などに中世の名残を見ることができます。
そして1364年以降、国王の邸宅へと変貌を遂げ、レオナルド・ダ・ヴィンチのパトロンとしても知られるフランソワ1世によって贅を尽くしたルネサンス様式の宮殿へと大改修が行われました。その後ルイ14、15世によって、私たちが目にする建物の姿が徐々に作られていきます。
さらにアンリ4世時代の1595年、隣のチュイルリー宮とつなぐ大回廊「グランド・ギャラリー」の建設がスタート。長さ450mにも及ぶため、単調にならないよう2人の建築家に委ねられたというこの大回廊は今、絵画展示の中心部として、本作でサスペンスの舞台になります。
フランス革命後の1793年に美術館となった後も、ナポレオンからミッテラン大統領まで時の権力者によって改修・増築が重ねられてきたルーヴル。
多様な建築様式が混在し、I.M.ペイのガラスのピラミッドのように、物議を恐れず多くの建築家に個性を印す機会を与えてきた“美の宮殿”は、芸術にかけるフランス人の心意気を感じさせます。

『ダ・ヴィンチは、その微笑みに、何を仕組んだのか。』
■Introduction
2003年の刊行以来、44ヵ国語に翻訳され、全世界で3800万部を超える驚異の大ベストセラーとなったダン・ブラウンの「ダ・ヴィンチ・コード」を『ビューティフル・マインド』のロン・ハワード監督が映画化。主人公のロバート・ラングドンには、『フィラデルフィア』と『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞を2度受賞したトム・ハンクス。他にもフランスを代表する女優、『アメリ』のオドレイ・トトゥや『レオン』のジャン・レノが出演。観光名所や歴史的に有名な建築物が多数登場する原作に従い、パリとロンドンを結ぶ大々的なロケが敢行された。
■Story
ルーブル美術館で殺された館長のジャック・ソニエールはレオナルド・ダ・ヴィンチの「ウィトルウィウス的人体図」を模した形で横たわっていた。容疑者として現場に連れてこられたラングドン(トム・ハンクス)は、館長の孫娘で暗号解読者のソフィー(オドレイ・トトゥ)に助け出される。ファーシュ警部(ジャン・レノ)をはじめとする警察の厳しい追跡をかわしながら、暗号の謎を解き始める2人。しかし、それは新たな謎の始まりに過ぎなかった。ソニエールが深く関わっていたらしい、秘密結社の目的とは?ダ・ヴィンチが絵画に残した、歴史を揺るがす暗号とは…?

主人公の恋人・慶太は、ガウディに憧れる建築専攻の大学生。サグラダ・ファミリアの写真に「世界で一番好きな建築」と目を輝かせ、卒業旅行でついに恋人とバルセロナを訪れます。
イスラムの影響を受けたムデーハル様式と幾何学の要素をネオ・ゴシック様式に注入したとされる独創的な聖堂の造形。未完の最高傑作を前にして、慶太はショックを受けたように立ちすくみます。
憧れの建築と感動の対面を果たした慶太は、日本人彫刻家の中島と出会い、年月をいとわない仕事ぶりに新たな感銘を受けることに。この中島は、実在するサグラダ・ファミリア初の日本人主任彫刻家・外尾悦郎がモデルと思われます。
本作にはそのほかにも、曲線的なデザインが圧巻のカサ・バトリョ邸 、破砕タイルで彩られたグエル公園などのガウディ作品が次々登場します。
日本に戻り、設計事務所で働き始めた慶太の図面が、波打つような曲線で描かれていたのはきっと偶然ではないでしょう。
「いつか自分が設計した建築物を」と夢見る慶太に昔の自分を重ねたり、仕事と恋の両立に悩む様に今の自分を重ねたり。建築士ならだれもが共感できる、ひたむきな若き日の姿が本作に描かれています。
『ほら 思ったとおりに かなえられてく…』
■Introduction
人気グループDREAMS COME TRUEのラブソング「未来予想図」「未来予想図II」の2曲をもとにした映画が誕生。監督は、鈴木清順、伊丹十三、平山秀幸など多くの監督の作品で助監督をつとめ、本作が長編初監督となる蝶野博。ヒロインのさやかを演じるのは、ドラマ、CMなどでの活躍に加え、ピアニスト、歌手としての活動も好調の松下奈緒。恋人の慶太には、テレビ「仮面ライダー剣」で人気となった若手俳優のホープ・竹財輝之助を抜擢。さらに、弓削智久、原田泰造、西田尚美、関めぐみ、加藤雅也、石黒賢、松坂慶子と、気鋭の若手からベテランまで、豪華な顔ぶれが作品を彩る。
■Story
印刷会社に勤める普通のOL・宮本さやか(松下奈緒)。スペインの建築家・ガウディに憧れて建築事務所で働く福島慶太(竹財輝之助)。ふたりは大学時代からの恋人である。さやかには雑誌編集者になる夢があったが、一度は断念していた。口下手ながら自分の夢をひたむきに追い続ける慶太の言葉に後押しされ、さやかは再び夢をかなえるべく転職活動をはじめる。面接で不器用ながらも自分の思いを説明するさやかは、面接官・後藤(石黒賢)の目に留まり採用される。そんな矢先、慶太にスペイン赴任の話が持ち上がる。念願の話に慶太はスペイン行きを決意し、それぞれの夢を追う二人は別々の道を歩き始める…。
