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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

ミックマック
  • ミックマック
  • 『ミックマック』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:株式会社KADOKAWA
  • ■価格:¥1,800+税
  • 監督:ジャン=ピエール・ジュネ
  • 出演:ダニー・ブーン アンドレ・デュソリエ
    オマール・シー ドミニク・ピノン
    ジュリー・フェリエ 他
 

2009(C)EPITHETE FILMS-TAPIOCA FILMS-WARNER BROS. PICTURES-FRANCE 2 CINEMA-FRANCE 3 CINEMA

オルセー美術館(フランス〜パリ)

駅舎を経て美術館となった印象派の殿堂


ウォルト・ディズニー・コンサートホール(アメリカ〜ロサンゼルス)

(C)rdnzl

想像力豊かでちょっと不思議な女の子の恋を描き一世を風靡(ふうび)したジャン=ピエール・ジュネ監督の『アメリ』。その8年後に製作された『ミックマック』は、発砲事件に巻き込まれ、頭に銃弾が残ってしまった男が一風変わった仲間と共に兵器製造会社へ復讐(ふくしゅう)を企てる物語です。『アメリ』同様、濃厚な色彩と少し毒っ気のあるジュネ独特の映像は本作でも発揮されており、パリを舞台にワクワクするような物語が展開します。

主人公バジルが、彼を助ける7人の仲間の1人と出会った場所が、セーヌ川左岸に建つオルセー美術館前です。フランスの国立美術館であるここには、1848年から1914年までの西洋美術を専門とした作品が展示されており、ルノワール、モネ、マネなどの印象派作品やポスト印象主義と呼ばれるセザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどの絵画作品の他、彫刻、写真、装飾芸術など4000にも及ぶ作品を鑑賞することができます。

オルセー美術館がオープンしたのは1986年。美術館としての歴史は比較的新しいですが、1900年のパリ万博に合わせて建設されたパリ・オルレアン鉄道のオルセー駅を基にしており、建物自体は古い歴史を持っています。時代の波に合わず、長距離列車のターミナル駅から近距離列車駅へと役目を変えたオルセー駅は、取り壊しの危機を乗り越え、元の建物を生かした美術館として生まれ変わることになります。コンバージョンを担ったのは、A.C.T.建築事務所の若い建築家3人。内部装飾はイタリア人建築家ガエ・アウレンティが担当しました。鋳鉄の支柱やボザール様式の装飾、駅のシンボル「大時計」などはそのまま残し、天蓋(てんがい)の下の空間を柔らかな自然光が降り注ぐ彫刻展示スペースに、プラットホームをギャラリーに変え、かつての駅舎は19世紀当時の雰囲気も残しながら、名作をゆったりと味わう美術館へと華麗な変身を遂げました。また、2011年には大規模改修を行い、これまで白やベージュを基調としていたギャラリーは、ダークトーンへ一新。最新の照明技術や温かみのあるフローリングなどにより、名画の魅力をより味わえる展示室となっています。

世界が平和でありますように。

■Introduction

『デリカテッセン』『アメリ』などのヒット作を手掛けたジャン=ピエール・ジュネが監督・脚本を務めた、ユーモラスでファンタジックなハートウォーミングコメディー。主演にフランスを代表するコメディアン、ダニー・ブーンを迎え、巨悪と戦うために「ミックマック(いたずら)」大作戦を繰り広げる男のドラマを描く。

■Story

レンタルビデオ店で働くバジル(ダニー・ブーン)はある日、店の外の発砲事件に巻き込まれ、頭にピストルの弾を受けてしまう。一命は取り留めたものの、頭には弾が残ったまま。仕事も家も失ったバジルの前に現われたのは、とても“ユニーク”な仲間たちだった。新たな人生を歩み始めたバジルは、ある日、自分の頭に残った弾を作っている会社を見つける。さらにその向かいにあったのは、父の命を奪った地雷の製造会社だった。バジルはユニークな仲間たちと共に、誰も思い付かないような“死の商人”への仕返しを開始する。

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DESTINY 鎌倉ものがたり
  • DESTINY 鎌倉ものがたり
  • 『DESTINY 鎌倉ものがたり』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:バップ
  • ■価格:Blu-ray(通常版)¥4,800+税 DVD(通常版)¥3,800+税
  • 監督・脚本・VFX:山崎貴
  • 原作:西岸良平「鎌倉ものがたり」(双葉社「月刊まんがタウン」連載)
  • 出演:堺 雅人 高畑充希
    堤 真一 安藤サクラ 田中 泯 中村玉緒
    市川実日子 ムロツヨシ 要 潤 大倉孝二
    神戸 浩 國村 隼 古田新太 鶴田真由
    薬師丸ひろ子 吉行和子 橋爪 功 三浦友和 他
 

(C)2017「DESTINY鎌倉ものがたり」製作委員会

神様も訪れる!? 不思議な雰囲気に満ちた洋館風の一軒家

『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴監督が、同作の原作者・西岸良平のコミック「鎌倉ものがたり」を実写映画化。人間と魔物と妖怪が共存している鎌倉を舞台に、堺雅人と高畑充希演じる歳の差夫婦の愛がファンタジックな映像でつづられます。「ここは鎌倉だぜ。何千年もの妖気がたまりにたまってるんだ。カッパなんて普通にいるよ」と、主人公の正和がサラリと言うように、歴史ある神社仏閣や美しい自然に囲まれた古都・鎌倉には何か不思議な力が満ちているようです。

大正や昭和初期に建てられた洋館が多く存在する鎌倉ですが、一色夫妻の家もまた、正和の祖父が大正時代に建てたという洋館風の一軒家です。実際はセットですが、すすけた赤い屋根が目印の歴史を感じさせるこの家は、落ち着いた町の雰囲気にとてもなじんでいます。玄関を入り、中央に居間と寝室を配置した“田の字型”でありながら、建物の四方に八角形の応接間、作家である正和の書斎、そして「絶対に開けるなよ!」と亜紀子に念を押した、正和の趣味で埋め尽くされた納戸が配置された間取りは、それぞれが独立した空間となっており、とても集中できそうです。家の至るところには、民俗学者だった正和の父と祖父の収集品が置かれ、インテリアは和風なのに、どこかエスニックな雰囲気も漂います。

初めは妖怪や魔物の存在に戸惑っていたものの、歳が離れた夫との暮らしや、妖怪たちがいる鎌倉での生活を満喫していた亜紀子。しかし、あるとき事件に巻き込まれて亜紀子は黄泉の国へ行くことになってしまいます。彼女と離れたくない正和は、江ノ電に乗って(!?)黄泉の国へ追い掛けることに…。CGの名手・山崎監督が描く、どこか懐かしい雰囲気の黄泉の国も見ものです。

愛する妻の命を取り戻すため、夫は黄泉の国へ旅に出る―
■Introduction

西岸良平原作のベストセラーコミック「鎌倉ものがたり」を実写映画化。これまで日本アカデミー賞において、実写、アニメ部門とも数々の賞を受賞している山崎貴監督が、『ALWAYS 三丁目の夕日』チームを再集結させて挑むファンタジー。主演には、舞台やドラマ、映画と幅広い分野で活躍する堺雅人を迎え、ヒロインには『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の高畑充希を配役。堤真一、田中泯、國村隼など「山崎組」常連俳優から、今回が初参加となる安藤サクラ、中村玉緒まで豪華キャストが集結した。

■Story

道を歩けば、魔物や幽霊、妖怪や仏様、死神まで現れる街・鎌倉は、人と“人ならざるもの”たちが仲良く暮らしている。そんな鎌倉の街で生活するミステリー作家・一色正和(堺雅人)の元に嫁いだ年若い妻・亜紀子(高畑充希)は、個性豊かな面々が現れる騒がしい日常に初めはたじろぐものの、次第に楽しく新婚生活を送るようになる。そんなある日、亜紀子が不慮の事故に巻き込まれ、黄泉の国へと旅立ってしまう。夫への愛に溢れた手紙を残して―。正和は亜紀子の命を取り戻すため、黄泉の国へ向かう決意をする。

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