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今月のオススメの一冊

窓

『世界の美しい窓』

世界の美しい窓「世界の美しい窓」はその名の通り、日本を含むアジア、中近東、ヨーロッパ各国、アメリカなどから、えりすぐりの美しい窓を紹介する本です。歴史を感じさせるクラシックな窓や、不思議な形の窓、そして「これが窓!?」とビックリするようなものなど、魅力的な窓を美しい写真と共に多数、掲載しています。もちろんその窓がなぜこのような形になったのか、どのように使用されているかは、建築評論家である著者・五十嵐太郎氏がきっちりと解説。建築史的な視点から、窓のデザインの秘密を読み解くことができます。本書は、窓が外部と内部の結束点に位置していることに従って、大きく2部構成となっています。すなわち1章は「窓を外から見る」、2章は「窓を内から見る」。1章では建築の外観を撮影した写真が続きますが、それらを眺めていると、窓が建築のキャラクターを決める重要な一部分であることが分かります。2章では一転して、室内から外の風景を撮影した写真に。窓からの眺めだけでなく、窓枠のデザインや窓辺の空間、室内と窓の関係といった視点で窓の魅力に触れることができます。日本からは長野県の「奈良井宿の街並み」や、神奈川県にある住宅「54の窓」、東京の「プラダ・ブティック青山店」などが紹介されており、“窓”で切り取るだけでこれほどまでに建築が違って見えるものかと驚かされます。あなたの知らない窓に出会えること間違いなしの一冊です。

『世界の美しい窓』 世界の美しい窓

『窓と建築をめぐる50のはなし』

窓と建築をめぐる50のはなし窓メーカーであるYKK APは、2007年より<窓は文明であり、文化である>の思想の下、窓を学問として多角的に探求する“窓学”という研究活動に取り組んでいます。「窓と建築をめぐる50のはなし」は、そんな窓学の10周年を記念し、これまでの研究成果の一部を紹介する本です。内容は世界中の街並みを彩る美しい窓の紹介や、「なぜ窓が必要なのか?」という窓の“基本のキ”、窓の歴史や芸術の世界で描かれる窓など、窓にまつわる約50のトピックを分かりやすく解説しています。東京大学大学院准教授の清家剛氏による「窓の改修学と窓のリサイクル」や、建築人類学者である佐藤浩司氏の「住まいにとって窓は最大の矛盾だった?−民俗学からみる窓の起源」、社会学者である町村敬志氏の「窓のレジリエンス―窓が減る時代に“窓”の力を考える」といった学術的なコラムがあると同時に、「両津勘吉の敵は窓からやってくる」や「少女漫画に描かれる窓越しの恋模様」などの読み物として楽しめるページもあり、専門家以外の人でも十分に読み応えを感じられる内容になっています。一冊を通して読むことで、窓は単に建物の一部分というだけでなく、実は建築、歴史、文化、改修、健康などあらゆる分野と深く関わっていて、私たちの暮らしに大きな影響を与えていることが分かります。読み終わると、窓越しに見える世界が少し変わって見える、そんな一冊です。

『窓と建築をめぐる50のはなし』窓と建築をめぐる50のはなし

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