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今月のオススメの一冊

ビンテージマンション

『四谷コーポラス 日本初の民間分譲マンション(1956-2017)』

四谷コーポラス 日本初の民間分譲マンション(1956-2017)四谷コーポラスは1956年に建設され、2019年に建て替えられた、「日本で初めて民間企業が分譲した」とされているマンション。5階建て28戸の集合住宅として計画され、当時はまだ珍しかったメゾネットタイプが採用されました。区分所有法が制定される1962年以前の建築物であり、所有形態の位置付けや共有部の管理責任などが明確ではないなか、手探りで管理運営がなされたこと、また住宅ローンが一般的ではない時代に住宅の割賦販売が実施されたことなどから、日本のマンション販売の原点となった建物ともいわれています。しかし四谷コーポラスは公的住宅ではなく個人向けの分譲共同住宅であったため、企画や設計、建設記録が系統立てて記録されておらず、断片的な情報によってしかその特徴の一端を知ることができない“都市伝説的”な存在でもありました。本書はそんな四谷コーポラスをテーマに、解体前の写真、居住者や建設当時の関係者へのインタビュー、竣工当時の資料などを収録した初の資料本です。1章「前史と計画」、2章「管理とサービス」、3章「四谷コーポラスに流れた時間」、4章「建替まで」、5章「再生へ」の構成で、長年の暮らしの軌跡をたどるとともに、建て替え後の未来についても考察する内容となっています。分譲マンションという、いまや都市型住宅の“普通”がどのように構築されていったのかをひもとく上で欠かせない一冊です。

『四谷コーポラス 日本初の民間分譲マンション(1956-2017)』 『四谷コーポラス 日本初の民間分譲マンション(1956-2017)』

『ビンテージマンションで楽しむスタイルのある暮らし VINTAGE APARTMENT』

ビンテージマンションで楽しむスタイルのある暮らし VINTAGE APARTMENT建築好きなら憧れる人も多いであろうビンテージマンション。ただ築年数が古ければビンテージマンションと呼ばれるわけではなく、落ち着いた重厚感やゆったりとした佇まいなど、積み重ねた歴史を芳醇(ほうじゅん)な魅力として備えた建物だけが「ビンテージマンション」になり得るといえるでしょう。本書は都内のビンテージマンションにスポットを当て、紹介する一冊。趣あふれる部屋はもちろん、住人でなくては見ることができない共有部や、屋上からの景色なども掲載しています。ピックアップしたのは、「一番町パーク・マンション」「広尾ガーデンヒルズ」「ビラ・セラーナ」「シャトー東洋南青山」「パレス青山」「ホーマットグリーンヒルズ」「目黒柿の木坂アビタシオン」「秀和青山レジデンス」「秀和北青山レジデンス」など、東京を代表する名ビンテージマンション21軒。ミッドセンチュリー家具やアート、グリーンを粋に配置したハイセンスなお部屋の様子も多数、掲載されており、インテリアの参考書としても役立ちます。新築マンションからは得ることができない古きよきデザインや、暮らしの数々を見ていると、古さは決してデメリットではないことがよく分かります。写真集のようにめくって眺めるだけでもOK。日本にもこんなにかっこいい建物があるのだと、どこか誇らしい気持ちになれるはずです。

『ビンテージマンションで楽しむスタイルのある暮らし VINTAGE APARTMENT』『ビンテージマンションで楽しむスタイルのある暮らし VINTAGE APARTMENT』

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