クラブ・エス ウェブマガジン

今月のオススメの一冊

病院の建築

『患者本位で考える 病院・クリニックの設計 「患者に選ばれる病院づくり」―その実践』

患者本位で考える 病院・クリニックの設計 「患者に選ばれる病院づくり」―その実践45年にわたって病医院建築の設計者として多くの設計を手掛けてきた著者が、患者視点の考え方や実践した工夫について、豊富なカラー写真や図表などとともに解説したのが本書。事例は18項目100テーマに分けて紹介され、例えば超高齢社会を迎えるなかで盛んになる「病院を中心とした街づくり」では、名古屋市緑区や北九州市などの取り組みを元に、駅前にまず「病医院ありき」とした開発事例を解説。また「スタッフの働きやすい環境が、患者サービスを支える」のテーマでは、執務室や休憩室などの事例のほか、スキルアップのためのラーニングセンターを備えた施設も紹介しています。そのほか「バリアフリー・ユニバーサルデザイン」、「災害時と緊急時の安全と安心」、「車の動線と駐車場」といった一般的な施設でもよく見るテーマもあるものの、「採尿室の工夫―赤外線センサーによる検尿コップ感知」、「変わる手術部門―一足制と器材のコンテナ化で変わるプランニング」、「一体化した時間外診療と救命救急センター」といった、病医院を設計する上で知っておきたい、専門的な情報もずらり。正に病院・クリニックの新・改築を考えている病医院関係者向けのバイブル的書籍といえるでしょう。著者と同様、「患者によし、スタッフによし、コストよし」+「環境によし」の病医院を目指すなら、必ず読んでおきたい一冊です。

『患者本位で考える 病院・クリニックの設計 「患者に選ばれる病院づくり」―その実践』 『患者本位で考える 病院・クリニックの設計 「患者に選ばれる病院づくり」―その実践』

『建築家と共創する病院づくり』

建築家と共創する病院づくり本書は、国内最大の建築家集団・日建設計において、医療施設の設計を中心に手掛けてきた建築家2人による共著。2人は、病院のためになる建築とは、ただ単に見栄えがよい、豪華に見える病院をつくることではないといいます。ではなにが求められているのか、この点について余すところなく情報をまとめたのがこの一冊。これまで病院経営者との対話を通して、病院が抱える課題や潜在ニーズをひもとき、成功に導いてきたプロジェクトのプロセスを、写真や設計図をふんだんに使用しながら紹介しています。第1章「病院建築家と上手に付き合う方法〜パートナーの思考回路を知る〜」、第2章「病院のつくり方T〜新築・建替えを成功させるためのヒント〜」、第3章「病院のつくり方U〜未来の設計図〜」、第4章「テーマ別に見る医療施設の建築事例」と4つの章で構成。巻末には付録として2人の著書と足利赤十字病院院長の小松本悟氏との特別鼎談(ていだん)「病院建築の現在と未来を語る」も収載しています。第4章の建築事例は、がん治療、母子医療、救急医療、予防医療、災害に備えて、環境親和と細かくテーマが分けられており、それぞれに必要な視点、工夫したポイントが分かりやすく解説されています。地域や医療者の思いを実現したエポックメイキングな病院がいかにして生まれたのかを記した本書は、移転新築、建て替え、機能転換、ダウンサイジングを検討している病院や、病院建築に関わるコンサルタント、そして建築関係者の必読書です。

『建築家と共創する病院づくり』『建築家と共創する病院づくり』

ページトップ