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今月のオススメの一冊

バウハウス

『新装版 バウハウス叢書 3 バウハウスの実験住宅』

新装版 バウハウス叢書 3 バウハウスの実験住宅1923年のバウハウス展のために、ドイツ・ヴァイマールにあるバウハウスの工房が協働で建設した「実験住宅」の理念とプロセスを記したドキュメント。編者であるアドルフ・マイヤーは、ドイツ生まれの建築家で、1919年、当時校長を務めていたモダニズムを代表する建築家ヴァルター・グロピウスからバウハウスに招かれ、実験住宅では技術指導者として関わっています。この実験住宅は名前を「ハウス・アム・ホルン(アム・ホルンの家)」といい、機械化された工場生産の時代にふさわしい、合理的で効率的な「規格化住宅」を目指したバウハウス建築最初の実例。1996年には一連のバウハウス関係建築群とともに、世界文化遺産にも指定されています。現在では当たり前になっている“住宅のプロダクト化”ですが、その先駆けとなったのがこのバウハウスの実験住宅。本書には規格化住宅の建築法式について、技術や形式はもちろんのこと、国民経済にまで視点を広げて論じられ、その様子がまとめられています。当時の資料のため、図面は古く、写真は白黒。しかしそこには時代を超えて伝わる機能美が記されており、思わずハッと息をのむページも。ハウス・アム・ホルンは家具のデザイン・制作までバウハウスが手掛けていたため、「着色のくもりガラス」や「温熱機器の取り付け」、「食堂内の照明器具」、「婦人の化粧台」など多数のインテリアも写真とともに紹介されており、バウハウスがインテリアをどう捉えていたのかが分かる点も見どころといえるでしょう。

『新装版 バウハウス叢書 3 バウハウスの実験住宅』 『新装版 バウハウス叢書 3 バウハウスの実験住宅』

『バウハウスってなあに?』

バウハウスってなあに?建築について学ぶ人なら一度はその名を耳にしたことがある「バウハウス」。しかし何となくは知っていても、歴史や功績となると、実は詳しく理解をしていないという人も多いのではないでしょうか。そんな人にお薦めなのが、建築家の磯崎新氏やプロダクトデザイナーの深澤直人氏も推薦する、この絵本です。建築家の父が子供と一緒にデッサウのバウハウスを訪れる様子を絵本にした作品で、子供の視点を通しバウハウスについて一から学ぶことができます。子供から投げ掛けられる質問は、「バウハウス工房って何だったの?」「どうしてバウハウスには曲線の飾りがないの?」「どうして白いの?」「どうしてデッサウに建っているの?」など造形や歴史的背景に関するものから、「バウハウスってIKEAにもあるの?」「バウハウスって今でも建てることができるの?」「どうして今でもこんなにたくさんの人がここにやって来るの?」といった現在の在り方についてまで、全部で50個。その一つ一つに父親は優しく丁寧に答え、子供たちと読者にバウハウスの理念や当時の様子、バウハウス製品の特長を伝えます。絵本らしいカラフルでおしゃれなイラストも見ていて楽しく、子供の頃に抱いていたようなワクワクとした好奇心を思い起こさせてくれます。巻末には人名解説と用語解説、バウハウス年譜付き。これからバウハウスについて学ぶ人に、まずは手に取っていただきたい、バウハウス入門絵本です。

『バウハウスってなあに?』『バウハウスってなあに?』
  • ■発行所:白水社
  • ■著者:インゴルフ・ケルン
  • ■訳:大宮萌恵
  • ■参考サイト:白水社のウェブサイト
  • ■価格:¥2,000+税


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