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今月のオススメの一冊

北欧のディテール

『北欧の照明 デザイン&ライトスケープ』

北欧の照明 デザイン&ライトスケープ暗くて長い冬の間、室内で過ごす時間を楽しむため、北欧では優れた照明器具が多数、生み出され、都市空間を彩る照明手法が発達しました。本書は北欧の建築・デザインに関する研究を専門とする著者が、北欧の照明デザインと光の扱いについてまとめた一冊です。「近代照明の父」とも呼ばれるデンマーク人デザイナー、ポール・ヘニングセンやフィンランド建築の礎を築いた巨匠アルヴァ・アールトに加え、家具デザイナーであり、教育者としても活躍したコーア・クリント、デンマーク機能主義建築の先駆者であるヴィルヘルム・ラウリッツェン、モダン様式を代表する1人アルネ・ヤコブセンなど、20世紀を代表する北欧の建築家およびデザイナー11人が手掛けた100の名作について、デザインと機能、空間の照明方法を500点におよぶ写真と図面で紹介しています。もちろん北欧デザインのアイコンにもなっているペンダントランプ「PH5」も、ヘニングセンを取り上げた章で紹介。PHランプの特質や誕生までの歴史が細やかに解説されており、PH5が世界中で長く愛され続ける理由が深く理解できます。また「オーフス大学メインホールのスパイラルランプ」、「教会のキャンドル器具」、「ヴィープリ図書館の照明」、「森の火葬場の照明」など、それぞれのシーンにおける照明方法の在り方、考え方に触れられる点も本書の魅力。北欧の照明デザインや明かり文化に興味がある方には、必読書といえる一冊です。

『北欧の照明 デザイン&ライトスケープ』 『北欧の照明 デザイン&ライトスケープ』

『アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール』

アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール近代建築の巨匠の1人にも数えられているフィンランドの建築家、アルヴァ・アールト。その活動は建築設計や都市計画にとどまらず、家具や照明器具、さらにはガラスの器などプロダクトデザインにまで及び、これまでさまざまな北欧のモダンデザインをけん引してきた存在です。本書はそんな多岐にわたるアールトの作品を、エレメントやディテールに着目しながら紹介する作品集。住宅や公共建築、商業施設、家具、照明器具に至るまで、構造や技術を反映した合理的なデザイン、素材や形へのこだわり、使いやすさが発揮された170のディテールについて、多数のカラー写真と図面を用いて解説しています。取っ手や手すり、扉といった細かなものから、ヴォルフスブルク文化センターのピロティやヘルシンキ工科大学の大講堂のリブフレーム、アールトスタジオの壁面といった大きなものまで章ごとにまとめられていますが、規模の大小やシーン、建築時期に関わらず、そのすべてを貫いているのがアールトの設計思想。「建築を人間的にする」「物質の世界を人間の生活と調和させる」というアールトの大きな目的が全ページを通して伝わってきます。アールトの建築作品の約9割が母国フィンランドに建てられており、本書にはその所在地リストを収載。現地でアールトの存在の大きさを感じたい方は、本書と一緒にフィンランドを訪れてみてはいかがでしょうか。

『アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール』『アルヴァ・アールトの建築 エレメント&ディテール』

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