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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

トランスフォーマー/ロストエイジ
  • トランスフォーマー/ロストエイジ
  • 『トランスフォーマー/ロストエイジ』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:¥1,429+税
  • 監督:マイケル・ベイ
  • 製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ マイケル・ベイ
    ブライアン・ゴールドナー マーク・ヴァーラディアン
  • 出演:マーク・ウォールバーグ ニコラ・ペルツ ジャック・レイナー
    スタンリー・トゥッチ 他
 

(C) 2014 Paramount Pictures Corporation. All Rights Reserved. HASBRO, TRANSFORMERS and all related characters are trademarks of Hasbro. (C) 2014 Hasbro. All Rights Reserved. TM, (R)&(C) 2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

北京国家体育場(中国〜北京)

唯一無二のデザインが光るスタジアム


北京国家体育場(中国〜北京)

アジアでは20年ぶり、中国では初開催となった2008年の北京オリンピック。日本人選手団は史上初の2連覇を達成した水泳の北島康介や、「上野の413球」の力投で見事、金メダルに輝いた女子ソフトボールの活躍などにより、合計25個のメダルを獲得。オリンピック開閉会式が行われたメイン会場の北京国家体育場でも、陸上男子400メートルリレーがトラック競技初となる銅メダルに輝きました(※2018年、ジャマイカの不正発覚により銀メダルに繰り上がり)。

その感動の舞台となった北京国家体育場、通称「鳥の巣」。まるで枝で作られた鳥の巣のような独特の外観は強烈なインパクトを残します。手掛けたのは、イギリスの「テートモダン」、東京の「プラダ青山店」などで知られるスイスの建築家ユニット、ヘルツォーク&ド・ムーロン。建築素材に加工を施し、従来の素材のイメージを覆すような自由な表現方法で高い評価を得ている彼らは、約4200トンもの鋼鉄を複雑に絡ませた斬新なデザインでコンペを勝ち抜きました。このデザインを作るにあたり参考にしたのは、中国伝統の美術品。現代美術家のアイ・ウェイウェイを芸術顧問に迎え、中国伝統の透かし彫りや、陶磁器などを表現しています。また、約8万人を収容できる観客席は、中国で縁起のよい色とされる赤を基調にしており、夜にはライトアップされた美しい姿を見せてくれます。

金属生命体オートボットとディセプティコンが地球で激しいバトルを繰り広げるマイケル・ベイ監督のSF超大作『トランスフォーマー』。シリーズの4作目『トランスフォーマー/ロストエイジ』では、人造トランスフォーマーの量産をたくらむKSIが中国の製造工場へ向かう途中に、“鳥の巣”の外観が映し出されます。幸い、この鳥の巣はトランスフォーマーに壊されなかったものの、シリーズでは各都市の有名建築が見るも無残な姿に。その見事なまでの壊れっぷりにもご注目ください。

共に戦うか、滅びるか。

■Introduction

マイケル・ベイ監督×スティーブン・スピルバーグ製作総指揮によるSFアクション『トランスフォーマー』のシリーズ第4作。人類の存亡を懸け、メガトロンとセンチネル・プライムの野望を打ち砕いたシカゴでの戦いから4年後の姿を描く。ケイド役のマーク・ウォールバーグ、テッサ役の新星ニコラ・ペルツら、キャストは前作から一新。渡辺謙が、オリジナル字幕版にてオートボットのトランスフォーマー、ドリフトの声を担当している。

■Story

発明家のケイド(マーク・ウォールバーグ)はある日、偶然、安価で仕入れた古いトラックが正義のトランスフォーマー「オプティマスプライム」であることを知る。だが、すべてのトランスフォーマーは人類の敵と見なされ、オプティマスは米政府から激しい攻撃を受ける。さらに、宇宙最強の戦士ロックダウンが巨大な宇宙船と共に襲来。オプティマスとケイドの一人娘テッサ(ニコラ・ペルツ)が連れ去られてしまう…。

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焼肉ドラゴン
  • 焼肉ドラゴン
  • 『焼肉ドラゴン』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売・販売元:株式会社KADOKAWA
  • ■価格:¥3,800+税
  • 監督・脚本:鄭 義信
  • 出演:真木よう子 井上真央 大泉 洋
    桜庭ななみ 大谷亮平 ハン・ドンギュ
    イム・ヒチョル 大江晋平 宇野祥平 根岸李衣
    イ・ジョンウン キム・サンホ 他
 

(C) 2018「焼肉ドラゴン」製作委員会

時代と闘うエネルギッシュな在日韓国人一家の物語

高度経済成長期に浮かれる時代の片隅で暮らす在日韓国人一家を描いた『焼肉ドラゴン』。本作の基になった同名の舞台は、2008年に日韓で上演されるや観客を熱狂させ、朝日舞台芸術賞グランプリなど数々の演劇賞を受賞。その後も2度再演されるなど高い評価を得ている作品です。『血と骨』の脚本で知られる鄭義信氏は、この舞台の作者であり、本作が自身初の監督作品。図らずも社会の底流で生きることになった在日韓国人たちのたくましさと悲哀をエネルギッシュに映し出しています。

時は1970年、大阪・伊丹空港の近く。バラック小屋がひしめく集落にある小さな焼き肉屋「焼肉ドラゴン」。木材とトタンでできた簡素な店舗兼、住宅では親子6人が肩を寄せ合って暮らしています。戦争で片腕を失った父・龍吉と肝っ玉母ちゃんの英順、龍吉の前妻の子供である静花と梨花、英順の連れ子の美花、夫婦の間に生まれた時生。ちょっとずつ血がつながっていて、ちょっとずつ血がつながっていないこの家族の日常は、娘の恋人や夫、ツケばかりで店に入り浸る常連たちも加わり、いつもにぎやかです。しかし、家族はそれぞれに事情を抱えていて、毎日はそれなりに深刻。梨花・哲男夫婦と静花との微妙な関係、美花の不倫、理不尽ないじめを受けている時生、国から立ち退きを迫られている両親…。

故郷は近くとも遠く、日本で闘って生きていかなければならない在日韓国人であるが故の悩みを、監督は自身の体験を盛り込みながら活写します。本作はそんな在日韓国人ならではの問題を描いた物語であるとともに、親子愛や未来を信じて頑張る姿などを描いた、普遍的な物語でもあります。好景気の片隅で時代に翻弄(ほんろう)されながらも、健気にそしてパワフルに生きる彼らの姿に勇気がもらえます。

何があっても、本気でぶつかり、本気で生きた。 ■Introduction

『月はどっちに出ている』『血と骨』などで脚本家としも名高い劇作家・演出家の鄭義信が、自身作・演出による舞台「焼肉ドラゴン」を映画化。本作が長編映画初監督作品となる。小さな焼き肉店「焼肉ドラゴン」を営む夫婦を『隻眼の虎』のキム・サンホと『母なる証明』のイ・ジョンウンが演じ、夫婦の間の3姉妹を真木よう子、井上真央、桜庭ななみが演じる。

■Story

舞台は万国博覧会が催された昭和45年、高度経済成長に浮かれる時代の片隅。関西の地方都市の一角で、小さな焼き肉店「焼肉ドラゴン」を営む亭主・龍吉(キム・サンホ)と妻・英順(イ・ジョンウン)は、静花(真木よう子)、梨花(井上真央)、美花(桜庭ななみ)の三姉妹と一人息子・時生(大江晋平)の6人で暮らしていた。なくした故郷、戦争で奪われた左腕。つらい過去は決して消えないけれど、“たとえ昨日がどんなでも、明日はきっとえぇ日になる”それが龍吉のいつもの口癖だった。しかし強い絆で結ばれた「焼肉ドラゴン」にも、次第に時代の波が押し寄せてきて―。

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