ウエストミンスター宮殿(イギリス〜ロンドン)
議会政治を生み出した英国の誇り高き象徴

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EU離脱問題で揺れるイギリス。その行方について国会は紛糾していますが、英国の政界において“伝説の政治家”と呼ばれた人物が第61代、第63代英首相ウィンストン・チャーチルです。第90回アカデミー賞で主演男優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したゲイリー・オールドマン主演の『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』では、ナチスの侵攻が迫る第二次世界大戦下で首相になったチャーチルの首相就任時から、ダンケルクの戦いまでの知られざる27日間が描かれます。
ロンドンの顔ともいえる時計台・通称“ビッグベン”を擁する国会議事堂(ウエストミンスター宮殿)は、議会制民主主義発祥の国にふさわしい歴史と風格のある美しい建物で、1987年にはウエストミンスター大寺院、聖マーガレット教会と併せて世界遺産に登録されています。11世紀、エドワード懺悔(ざんげ)王の王宮として建てられた後、13世紀には議会の審議場となりましたが、19世紀に火事で焼失。現在私たちが目にしている壮麗なゴシック・リバイバル様式の建物は、建築家チャールズ・バリーの設計によって再建されたものです。全長約265メートル、部屋数1100以上、100の階段や11の中庭など、壮大なスケールの建物内部は、タイル張りの床やステンドグラスが彩る窓、壁の絵画や彫刻など隅々に至るまで実に豪華で、その内装はまさに王宮そのもの。
議会は聖職者や貴族から成る上院と、選挙で選ばれた代表者から成る下院の二院制。現在、テレビなどで見る対面式の下院では、EU離脱を巡って与党と野党が激しく火花を散らしていますが、1940年の戦乱の時代にチャーチルが直面していたのは、ヒトラーとの和平交渉か、徹底抗戦か…という問題でした。国の行方を決めるこの難問に彼はどう立ち向かったのか。映画のクライマックスでゲイリーによって再現されたチャーチルの名演説をぜひお聞きください。
英国一型破りな男が、 ダンケルクの戦いを制し、 歴史を変えた。
■Introduction名優ゲイリー・オールドマンがメイクに200時間以上かけ、内面も外見もイギリスの政治家ウィンストン・チャーチルに成り切り、第90回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した歴史ドラマ。監督を務めたのは『つぐない』のジョー・ライト監督。チャーチルの首相就任から「ダンケルクの戦い」までの知られざる4週間を描く。チャーチルを支える妻クレメンティーン役を『イングリッシュ・ペイシェント』のクリスティン・スコット・トーマスが演じる他、『ベイビー・ドライバー』のリリー・ジェームズ、『名もなき塀の中の王』のベン・メンデルソーンらが共演。
■Story1940年、第二次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は、新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)の手に委ねられた。度重なる失策から“政界一の嫌われ者”であったチャーチルは、政敵たちに追い詰められながら、ヨーロッパのみならず、世界にとっての“究極の選択”を迫られる。