クラブ・エス ウェブマガジン

アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

トランスフォーマー/ロストエイジ
  • ウィンストン・チャーチル
    ヒトラーから世界を救った男
  • 『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
  • ■価格:Blu-ray ¥1,429+税
  • 監督:ジョー・ライト
  • 出演:ゲイリー・オールドマン クリスティン・スコット・トーマス
    リリー・ジェームズ スティーヴン・ディレイン
    ロナルド・ピックアップ ベン・メンデルソーン 他
 

(C) 2017 Focus Features LLC. All Rights Reserved.

ウエストミンスター宮殿(イギリス〜ロンドン)

議会政治を生み出した英国の誇り高き象徴


北京国家体育場(中国〜北京)

(C)photolibrary

EU離脱問題で揺れるイギリス。その行方について国会は紛糾していますが、英国の政界において“伝説の政治家”と呼ばれた人物が第61代、第63代英首相ウィンストン・チャーチルです。第90回アカデミー賞で主演男優賞とメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したゲイリー・オールドマン主演の『ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男』では、ナチスの侵攻が迫る第二次世界大戦下で首相になったチャーチルの首相就任時から、ダンケルクの戦いまでの知られざる27日間が描かれます。

ロンドンの顔ともいえる時計台・通称“ビッグベン”を擁する国会議事堂(ウエストミンスター宮殿)は、議会制民主主義発祥の国にふさわしい歴史と風格のある美しい建物で、1987年にはウエストミンスター大寺院、聖マーガレット教会と併せて世界遺産に登録されています。11世紀、エドワード懺悔(ざんげ)王の王宮として建てられた後、13世紀には議会の審議場となりましたが、19世紀に火事で焼失。現在私たちが目にしている壮麗なゴシック・リバイバル様式の建物は、建築家チャールズ・バリーの設計によって再建されたものです。全長約265メートル、部屋数1100以上、100の階段や11の中庭など、壮大なスケールの建物内部は、タイル張りの床やステンドグラスが彩る窓、壁の絵画や彫刻など隅々に至るまで実に豪華で、その内装はまさに王宮そのもの。

議会は聖職者や貴族から成る上院と、選挙で選ばれた代表者から成る下院の二院制。現在、テレビなどで見る対面式の下院では、EU離脱を巡って与党と野党が激しく火花を散らしていますが、1940年の戦乱の時代にチャーチルが直面していたのは、ヒトラーとの和平交渉か、徹底抗戦か…という問題でした。国の行方を決めるこの難問に彼はどう立ち向かったのか。映画のクライマックスでゲイリーによって再現されたチャーチルの名演説をぜひお聞きください。

英国一型破りな男が、 ダンケルクの戦いを制し、 歴史を変えた。

■Introduction

名優ゲイリー・オールドマンがメイクに200時間以上かけ、内面も外見もイギリスの政治家ウィンストン・チャーチルに成り切り、第90回アカデミー賞で主演男優賞を受賞した歴史ドラマ。監督を務めたのは『つぐない』のジョー・ライト監督。チャーチルの首相就任から「ダンケルクの戦い」までの知られざる4週間を描く。チャーチルを支える妻クレメンティーン役を『イングリッシュ・ペイシェント』のクリスティン・スコット・トーマスが演じる他、『ベイビー・ドライバー』のリリー・ジェームズ、『名もなき塀の中の王』のベン・メンデルソーンらが共演。

■Story

1940年、第二次世界大戦初期。ナチス・ドイツの勢力が拡大し、フランスは陥落間近、イギリスにも侵略の脅威が迫っていた。連合軍がダンケルクの海岸で窮地に追い込まれる中、ヨーロッパの運命は、新たに就任したばかりの英国首相ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)の手に委ねられた。度重なる失策から“政界一の嫌われ者”であったチャーチルは、政敵たちに追い詰められながら、ヨーロッパのみならず、世界にとっての“究極の選択”を迫られる。

ページトップ

焼肉ドラゴン
  • 未来のミライ
  • 『未来のミライ』
  • ■発売日:Blu-ray&DVD 発売中
  • ■発売元:バップ
  • ■価格:Blu-ray ¥4,800+税 DVD ¥3,800+税
  • 監督・脚本・原作:細田 守
  • 出演:上白石 萌歌 黒木 華 星野 源
    麻生久美子 吉原光夫 宮崎美子
    役所広司 福山雅治 他
 

(C) 2018 スタジオ地図

小さな家に広がる無限の世界

『サマーウォーズ』や『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』など、次々とヒットを生み出している細田守監督の最新作『未来のミライ』は、4歳の男の子くんちゃんと“未来からやってきた妹”ミライちゃんという兄妹の、ちょっと不思議な冒険物語です。これまで一貫して“家族”を描いてきた細田監督ですが、今回は突然やってきた赤ちゃんに嫉妬する4歳の男の子が、過去と未来の家族と交流し成長していく姿が描かれます。

本作で物語の重要な要素となるのが、くんちゃんたちの「家」。建築家のお父さんが自ら設計した家は、傾斜地を利用したステップフロアの平屋建て。映画の冒頭で祖母が「おかしげな家を建てたもんだね」と言っていますが、なるほど、キッチンの上の層にはリビング、その上に寝室があり、そのすべてを見渡せる吹き抜けという構造は、一般的な家とは大いに異なっています。この家の設計を手掛けたのは、気鋭の建築家・谷尻誠。実際の建築事務所がアニメの家を設計するというのは異例で、彼の持ち味である大胆で自由な発想の、とてもワクワクする家になっています。

過去・現在・未来への時空をつなぐ、“中庭の木”を中心に出来上がったというこの家。両親の関心が自分から妹に移り、すべてに腹を立てている4歳の男の子は、今は会えない家族との不思議な体験を通して1歩1歩成長していきます。そして、くんちゃんだけではなく、くんちゃんの家族もまた同じ。オロオロするばかりだったお父さん、働きながら自分らしい母親像を模索するお母さん、着実に大きくなっていくミライちゃん。物語の舞台は“家の中だけ”。しかしそこに広がるのはとても壮大で温かい世界です。

ボクは未来に出会った。 ■Introduction

『バケモノの子』『おおかみこどもの雨と雪』の細田守監督が手掛けるオリジナルの長編劇場用アニメーション。アニメ界のアカデミー賞と呼ばれる第46回アニー賞では、日本人監督として初めて長編インディペンデント作品賞を受賞、第91回アカデミー賞でも、日本作品としてはスタジオジブリ作品以外で初めて長編アニメーション賞にノミネートされた作品。本作でアニメ声優デビューを飾る上白石萌歌が主人公のくんちゃん役を務め、細田作品は3度目となる黒木華がミライ役を担当。両親役に星野源、麻生久美子、祖父母役に宮崎美子、役所広司らが声優を務める。

■Story

とある都会の片隅の小さな家に住む、甘えん坊のくんちゃん(声:上白石萌歌)の元に、生まれたばかりの妹がやってきた。妹に両親の愛情を奪われ、寂しさでいっぱいのくんちゃん。ある日、くんちゃんは家の庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ不思議な少女と出会う。彼女は未来からやってきた妹ミライちゃん(声:黒木華)だった。ミライちゃんに導かれ、時を超えた家族の物語へと旅立つ、くんちゃん。そこでくんちゃんは、初めてさまざまな「家族の愛」の形を知ることになる―。

ページトップ