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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

  • アマルフィ
  • 『アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:フジテレビジョン
  • ■販売元:ポニーキャニオン
  • ■価格:¥3,990(税込)
  • 監督:西谷弘
  • 出演:織田裕二、天海祐希、戸田恵梨香、佐藤浩市、大塚寧々、伊藤淳史、小野寺昭、平田満、佐野史郎 他
 

(C)2009 フジテレビジョン/東宝/電通/ポニーキャニオン/日本映画衛星放送/アイ・エヌ・ピー/FNS27社

サンタンジェロ城 <イタリア〜ローマ>

大天使が見守る歴史ある城

サンタンジェロ城 <イタリア〜ローマ>

135年ハドリアヌス帝が霊廟として着手し、139年アントニヌス・ピウス帝の時代に完成した歴史ある建築物です。84メートル四方の基壇の上にのった直径64mの円筒形の建物には、ハドリアヌス帝や後の皇帝たちが埋葬されましたが、271年アウレリアヌス帝の時代以降からは城壁が作られ要塞や監獄など軍事施設として用いられるようになります。

この城塞が“サンタンジェロ”という名前になったのは590年のこと。ペストが流行したその時代に、教皇グレゴリウス1世がペストの終焉を告げる天使ミカエルの姿を見たということから、現在の「サンタンジェロ(聖天使)城」と呼ばれるようになったといいます。また城の頂上には、その由来にちなんで剣を振るう大天使ミカエルの像が奉られています。

法王の居室やヴァチカンの避難所、牢獄などさまざまな形で利用されてきたこの城ですが、現在は武器や絵画などが展示されている国立博物館となっています。薄暗いサンタンジェロ城内部のらせん状のスロープや階段を昇れば、ローマ市内やヴァチカンを一望できる展望台に。本作では、この城を借り切って、黒田と紗江子が誘拐犯の要求に応えるべく、息を切らせながらこの展望台を目指す様子が映し出されています。

『外交官・黒田が見出した事件の全貌とは…。』 ■Introduction

イタリアロケによる壮大なスケールの映像と美しい音楽、さらに、豪華キャスティングと緻密なストーリーが詰まったサスペンス超大作。エグゼクティブプロデューサーに『踊る大捜査線』シリーズの亀山千広、企画・プロデュースに『冷静と情熱のあいだ』の大多亮を迎え、サスペンス界の名手・真保裕一が今作のために書き下ろしたオリジナル原作を、『容疑者Xの献身』の監督・西谷弘が演出する。主演は、『踊る大捜査線』シリーズの織田裕二。共演するのは、圧倒的な人気を誇る女優・天海祐希、『誰も守ってくれない』『ザ・マジックアワー』の佐藤浩市、「ライアーゲーム」の戸田恵梨香。さらに、大塚寧々、伊藤淳史、福山雅治など贅沢で華やかなキャストがスクリーンを賑わせる。

■Story

クリスマス目前のローマ。イタリアでのテロ予告をうけ、1人の男がイタリア・ローマに降り立った。その男の名は、外交官・黒田康作(織田裕二)。そんな中、きらびやかにライトアップされた街で1人の日本人少女が失踪する事件が発生。営利誘拐か、それともテロの序章か。黒田は、大使館に赴任して間もない研修生・安達(戸田恵梨香)とともに、誘拐事件の通訳を担当することになる。しかし、少女の母・紗江子(天海祐希)の元にきた犯人からの電話を受けたことで、紗江子の“偽りの夫”として事件に巻き込まれていく。警察の包囲網を撹乱する犯人グループ。一向に進展しない捜査。様々な想いが交錯する中、全ての鍵はイタリア南西に位置する美しい港町・アマルフィにあることが分かるが…。

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マザーウォーター
  • マザーウォーター
  • 『マザーウォーター』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元・販売元:バップ
  • ■価格:¥5,040(税込)
  • 監督:松本佳奈
  • 出演:小林聡美、小泉今日子、加瀬亮、市川実日子、永山絢斗、光石研、もたいまさこ、田熊直太郎、伽奈 他

(C) 2010パセリ商会

作り手の個性があらわれた京都のとある店の物語

これまで『かもめ食堂』『めがね』『プール』で、人と人とのゆるやかな関係を描いてきた製作チームが次に選んだ舞台は古都・京都。観光名所ではない、地元の人々の暮らしが息づく場所にやってきた3人の女性の物語です。

独特の空気感が魅力の一連のシリーズですが、今回もおいしそうな料理やインテリアがドラマの華を添えています。ウィスキーしか置いていないバーを営むセツコ、疎水沿いで喫茶店を開くタカコ、この街で念願の豆腐づくりを始めたハツミ。彼女たちの店をはじめ、映画に登場する多くの場所は実在するものを利用して撮影されましたが、映画では彼女たちの個性を表しているかのような店構えにアレンジされました。ブルーグレーの珪藻土の壁にウォールナット色の磨きこまれたカウンター。一切のムダを削ぎ落としたセツコのバーは、彼女の凛とした佇まいそのものです。窓際の席から疏水を眺められるタカコの喫茶店は、バラバラだけれども統一感のあるソファや淡い黄色とピンクのタイルを貼ったカウンターなど、ナチュラルな温もりに満ちています。真摯に豆腐と向き合うハツミの店は、素朴という言葉がよく似合う昔ながらの店構え。

そんな彼女たちの店には、“好奇心のカタマリ”のマコトや家具屋のヤマノハなどさまざまな人々が訪れます。ウィスキーを仕込む水「マザーウォーター」がウィスキーをじっくりと熟成させていくように、彼女たちも彼らと出会い語らうことで、少しずつ何かが変わっていくようです。

『あしたへは、ダイジなことだけもってゆく。』 ■Introduction

『かもめ食堂』ではフィンランド、『めがね』では南の島・与論島、『プール』ではタイのチェンマイを舞台に“人と場所”をテーマにした一連の作品の制作プロジェクトによる第4弾。本作では京都を舞台に、清らかでおいしい水に誘われた3人の女性を中心に、その場所に住む人たちの日々が描かれている。出演は小林聡美、もたいまさこなどお馴染みのメンバーの他、加瀬亮、市川実日子、光石研、そしてプロジェクト初参加となる小泉今日子、永山絢斗が集結。また、過去3作品でも劇中の料理を担当した人気フードスタイリスト飯島奈美が手掛ける真心こもった美味しいごはんも映画に彩りをそえている。

■Story

街の中を流れる大きな川、そしてそこにつながるいくつもの小さな川や湧き水。そんな確かな水系を持つ、日本の古都、京都。そんな京都に、3人の女たちがそよ風のように暮らし始める。ウィスキーしか置いていないバーを経営するセツコ(小林聡美)。疎水沿いにコーヒー店を開店させたタカコ(小泉今日子)。そして、水の中から湧き出たような豆腐を作るハツミ(市川実日子)。3人の女たちに接していくうちに、近所の住人の中にも新しい水が流れ始める。家具工房で働くヤマノハ(加瀬亮)、銭湯の主人オトメ(光石研)、銭湯を手伝うジン(永山絢斗)、“散歩する人”マコト(もたいまさこ)。そして彼らの真ん中にはいつも機嫌のいい子ども、ポプラがいる…。今一番大事なことは何なのか。そんな思いが静かに強く、京都の川から流れ始める。

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