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アーキテクト・イン・シネマ 〜映画に観る建築・住まい・家族〜

インディ・ジョーンズ 最後の聖戦
  • インディ・ジョーンズ 最後の聖戦
  • 『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:パラマウント ジャパン
  • ■価格:¥2,625(税込)
  • 監督:スティーブン・スピルバーグ
  • 出演:ハリソン・フォード、ショーン・コネリー、デンホルム・エリオット、アリソン・ドゥーディ、ジョン・リス=デイビス 他
 

TM & (C) 1981-2008 Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved. Used Under Authorization.

エル・カズネ <ヨルダン ペトラ>

バラ色の古代都市を象徴する謎に満ちた遺跡

エル・カズネ <ヨルダン〜ペトラ>

ヨルダン中南部に位置する古代都市ペトラ。紀元前2世紀ごろ、遊牧民族ナバテア人が築いたこの都市は、アラビア半島とアジア、地中海を結ぶ絹や香辛料などの交易の拠点として発展しました。ギリシア語で「岩」を意味するとおり、ペトラは深い赤みを帯びた砂岩が生み出す美しさから「バラ色の都」とも呼ばれています。

高さ100メートルもの巨大な岩壁に挟まれた「シーク」というせまい回廊を1キロほど進んでいくと、突然視界が開け巨大な建造物「エル・カズネ」(王の宝物殿)が姿を現します。映画『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』では聖杯をめぐってインディ父子が最後の攻防を繰り広げましたが、その外観は思わず息をのむ迫力に満ちています。高さ43メートル、間口30メートルの2階構造で、コリント式の円柱やギリシアやエジプトの神話をモチーフにした細かい装飾が施された壁は、東西の文化が広く浸透していたことをうかがわせます。外観の壮大さに比べて、内部は大広間と2つの小部屋があるのみで、宝物殿と呼ばれているものの祭壇や霊廟、寺院に使用されたという諸説もあり、詳しいことはいまだ謎となっています。

106年にローマ帝国に占領されて以降、19世紀初めヨーロッパ人に発見されるまで長い間砂に埋もれていたペトラ。1985年にユネスコの世界遺産(文化遺産)へ登録され、また2007年には新・世界七不思議に選出されながらも解明されていないことが多く、その神秘的な佇まいは人々を惹きつけてやみません。

『キリストの聖杯を巡って、
インディとナチスが再び熾烈な争奪戦を展開する!』
■Introduction

『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』に続く、スティーブン・スピルバーグ監督、ジョージ・ルーカス製作総指揮、ハリソン・フォード主演によるアクションアドベンチャー第3弾。磔にされたキリストの血を受けたとされる聖杯を巡ってインディが父と共に大冒険を繰り広げるアクション映画。インディの父親役を名優ショーン・コネリーが演じ、ハリソン・フォードと絶妙のコンビネーションを披露する。また、少年時代のインディを亡きリバー・フェニックスが演じているのも注目。脚本は『インナー・スペース』のジェフリー・ボーム、撮影はダグラス・スローカム。

■Story

時代は1938年。インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は冒険家、そして考古学教授として多忙な日々を過ごしていた。あるとき彼は、長らく音信不通だった父、ヘンリー・ジョーンズ(ショーン・コネリー)を探す旅に出かけることに。聖杯研究の第一人者として知られるヘンリーは、秘宝探しに燃えるナチスに誘拐されていたのだ。ベニスではネズミだらけの地下に閉じ込められ、ドイツ上空では複葉機に乗ってナチスの追撃をかわし、最強の戦車にも勇敢に立ち向かう。そしてミステリアスなパワーを秘めた聖杯を守るために、インディは決死の冒険に挑み、やがて聖杯が隠されている<太陽の神殿>に向かうのだが…。

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8人の女たち
  • 8人の女たち
  • 『8人の女たち』
  • ■発売日:発売中
  • ■発売元:ギャガ(株)
  • ■販売元:東北新社(株)
  • ■価格:¥2,625(税込)
  • 監督:フランソワ・オゾン
  • 出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、イザベル・ユペール、ファニー・アルダン、ヴィルジニー・ルドワイヤン 他

(C)2001- Fidelite Productions-France2 Cinema-Mars Films.

色彩の美しさに酔うゴージャスな密室推理劇

カトリーヌ・ドヌーブ、ファニー・アルダン、エマニュエル・ベアール、ルディヴィーヌ・サニエなど、フランスを代表する女優たちが歌って踊る『8人の女たち』は、クリスマスの日に殺された邸宅の主人を巡って疑心暗鬼になる女性たちを描いた異色のミステリーです。

閉ざされた空間、限られた登場人物、犯人は誰か……という設定といえばミステリーの王道「密室推理劇」。しかし、気鋭の監督が生み出した「密室」は実にオリジナリティにとんだ空間となっています。赤を基調とした玄関、続くリビングには白い腰板が張られた深緑とゴールドのダイヤ柄の壁紙と真っ赤なカーペット。さらに部屋の中央には黄色のソファーも置いてあり、19世紀の英国風のどっしりとした邸宅からは想像もつかないビビッドな“現場”は事件が一筋縄ではいかないことを予感させます。妻、娘、義母、妹、義妹、メイド……。誰が主人を殺したのかと疑心暗鬼になった彼女たちはやがて隠された裏の顔を見せていくのですが、毒気とユーモアを交えた独特の描写はオゾン監督の真骨頂といえるでしょう。

50年代にディオールが提供した“ニュールック”からインスピレーションを得たという女優たちの色とりどりの個性的なファッションや、モダン、ロマンチックなど一部屋ごとに違うテイストのインテリア、女たちが突如ミュージカル風に歌い踊るシーンなど、本作では視覚・聴覚を大いに刺激されるに違いありません。

『一家の主を殺したのは誰…?』 ■Introduction

カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール、イザベル・ユペールほか8人のフランス大女優が一堂に会し、大輪の花束のように咲き誇る“奇跡の舞台”。本作は、フランスに続いて公開されたドイツでも大ヒットを記録し、ベルリン映画祭では8人全員に銀熊賞が授与された。監督は『まぼろし』のフランソワ・オゾン。豪華な邸宅、カラフルな50年代ファッションなどヴィジュアルは美しく、またドラマにミュージカルシーンを挿入することで、全体的にポップでコミカルな味わいに仕上がっている。秘密の匂いいっぱいのクリスティ風推理劇を下敷きに、歌と踊りで味付けされた本作は、観客を非日常的な夢の世界へと誘ってくれる。

■Story

1950年代のフランス。クリスマス・イブの朝、雪に閉ざされた大邸宅で、一家の主人が殺されていた。彼の背中には短剣が刺さっており、自殺ではない。容疑者は、クリスマスを過ごそうと集まった家族とメイドを含めた8人の女たち。クリスマス気分で和気あいあいだった家族が、一転してお互いを詮索し始めた。その結果、疑心暗鬼となり、殺された主人をめぐって、それぞれの思惑や事情、抱えていた人には言えない秘密が次々と暴露されていく。長い捜査の一日が始まった。一家の主を殺した犯人は、いったい誰なのだろうか…?

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