試験分析映像
採点基準を読み解き、当学院合格者の分析データ・図面を交えて合格に必要だった力と今後の対策をお伝えします。
令和6年度 1級建築士設計製図試験 採点基準分析映像
令和7年度 1級建築士設計製図試験 対策映像
合格発表の概要
令和6年度 1級建築士 設計製図試験 | |
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受験者数 | 11,306人(前年10,238人) |
合格者数 | 3,010人(前年3,401人) |
合格率 | 26.6%(前年33.2%) |
採点結果の区分 (成績) |
○採点結果については、ランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳの4段階区分とする。 ランクI:「知識及び技能」(※)を有するもの ランクⅡ:「知識及び技能」が不足しているもの ランクⅢ:「知識及び技能」が著しく不足しているもの ランクⅣ:設計条件及び要求図書に対する重大な不適合に該当するもの ※「知識及び技能」とは、一級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。 ○なお、採点の結果、ランクⅠ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳのそれぞれの割合は、次のとおりであった。 ランクⅠ:26.6%(前年33.2%) ランクII:1.5%(前年2.1%) ランクIII:23.9%(前年22.1%) ランクIV:48.0%(前年42.6%) ○受験者の答案の解答状況 ランクⅢ及びランクⅣに該当するものが多く、具体的には以下のようなものを挙げる ことができる。 ・設計条件に関する基礎的な不適合:「階段の不成立」、「要求室・施設等の特記事項の不適合」等 ・法令への重大な不適合:「道路高さ制限」、「延焼のおそれのある部分(延焼ライン)の明示と防火設備の設置」等 |
合格基準 | 採点結果における「ランクⅠ」を合格とする。 |
合格発表分析
『採点結果の区分』について
令和6年度の1級建築士設計製図試験の合格率は26.6%(令和5年度: 35.5%)で平成21年度の試験見直し以降過去最低の合格率でした。
「ランクⅢ」が23.9%(令和5年度:22.1%)、「ランクⅣ」が48.0%(令和5年度:42.6%)となっており、「ランクⅡ」は1.5%(令和5年度:2.1%)と令和5年度同様に低い数値となりました。このように合格者以外のほとんどが「ランクⅢ:知識技能が著しく不足している」以下という明暗のはっきり分かれた評価からは、建築士に求める知識・技能の水準(合格基準)がより厳格なものとなってきていることが考えられます。本年度は、ランクⅢ・Ⅳの合計が71.9%(過去10年で最高の割合)となっていることからも本年度試験の難度の高さが伺えます。
『受験者の答案の解答状況』について
令和6年度の1級建築士製図試験において発表された『受験者の答案の解答状況』では、主にランクⅢ及びランクⅣの該当要因が以下のように記載されていました。
・設計条件に関する基礎的な不適合:「階段の不成立」、「要求室・施設等の特記事項の不適合」等
・法令への重大な不適合:「道路高さ制限」、「延焼のおそれのある部分(延焼ライン)の明示と防火設備の設置」等
また、試験元より公表された標準解答例について、
【設計条件のうち今回の試験において不十分な答案が多かった「道路高さ制限」、「延焼のおそれのある部分(延焼ライン)」、「防火設備」に関する一つの考え方を示す】
と明示されていることから、今後も法令遵守(すなわち法知識を十分に備えた建築士の輩出)の傾向がますます高まっていくと考えられます。
『標準解答例』について
基礎免震構造の特性を踏まえた計画について
令和6年度の「大学」という課題に対し「基礎免震構造を採用した大学の建築学科棟を計画する。」と要求され、要求図書の特記事項に建築物の外周部に床用の免震エキスパンションジョイントのカバーの設置範囲の明示も要求されました。
駐車場も車椅子使用者用として、1台要求されたことから、免震エキスパンションジョイント上を避けて、車椅子使用者用駐車場は計画しなければならないことが1つのポイントでした。設計者として考慮すべき基本原則をいかに意識して計画ができたかがポイントだったと考えられます。
また、基礎免震構造の内容は、計画の要点記述の設問(2)イメージ図でも問われており、出題者の意図を正しく読み取り、図面・要点記述で正しく答えることが重要であったと考えられます。
※車椅子使用者用駐車( HP)の計画は、標準解答例①は、建物内(ピロティ)に計画/標準解答例②は外部に計画。
アプローチについて(主要な出入口)
試験実施機関より公表された「標準解答例※」の構成は「大学」という課題に対し、西側の駅前広場及び東側道路からのアプローチとなっていました。
駅前からのアプローチだけではなく車椅子使用者用駐車場の配置や周辺環境を踏まえ、利用者の動線等を考慮した計画となっており、ここからは建築士としてあるべき実務レベルの力が求められたことが伺えます。
※標準解答例①②とも西側及び、東側アプローチ
法令及び設計条件の遵守については、両解答例ともに十分意識されており、評価のポイントであったことが伺えます。
発表された「合格基準」から、採点のポイントと計画の要点の設問がほぼ同じとなっており、「建築計画」では、「建築を学ぶうえで、参考(教材)となるような建築物の計画」、「学生や教職員の多様性への配慮及びユニバーサルデザインに配慮した計画」、「学生間の交流や学生と教員との交流の場に配慮した計画」、「構造計画」では「基礎免振構造の特性を踏まえた計画」、「講堂の構造計画」、「設備計画」では「学生や教職員の帰宅困難者の一時滞在に配慮した計画」、「屋上に設置する設備機器等の計画」が挙げられ図面と計画の要点との整合性も評価のポイントであったと考えられます。
『合格者の属性』について
・「年齢別」-「20代の合格者」は67.7%、「23才以下」12.1%ともに過去最高
・「平均年齢」-「29.0才」昨年により0.5%低下
「年齢別」において、「20代の合格者」の割合が、令和5年度に引き続き、平成21年度の新試験以降最高の67.7%となりました。
また、「23歳以下」の割合についても12.1%となり、令和2年度の建築士法改正後、最高の割合となりました。
加えて、合格者の平均年齢は令和5年度の29.5才をさらに下回り、29.0才となりました。
令和2年度の建築士法改正により、大学、専門学校等において指定科目を収めて卒業すれば、実務経験なしに受験ができるようになりました。若いうちに受験をすることは、学習時間を確保しやすい、学んだ知識を早期から実務に活かせる、学生の方であれば、知識の習得や就職活動時のアピールポイントとなる等、数多くのメリットがあります。
企業によっては、建築士試験に合格したうえでの入社を推奨している企業もあることからも、新卒や在学中に建築士試験を受験する方が増加していると考えられます。当学院としても早期の学習スタートを皆様におすすめしております。
・「男女別」- 「女性」の割合が30.7%と高い水準を維持
「合格者の主な属性」において、女性合格者の割合が過去最高だった令和5年度(30.8%)に続き、令和6年度は、30.7%となりました。令和5年に「女性活躍・男女共同参画の重点方針2023(女性版骨太の方針2023)」に続き、「「女性活躍・男女共同参画の重点方針2024(女性版骨太の方針2024)」の決定を国が公表するなど、女性の活躍を後押しする取り組みがさらに進んでいます。
国だけでなく、業界団体や企業単位でも継続的な取り組みが行われていることもあり、女性活躍の機会が広がってきていることが今回の結果からも読み取れます。
合格図面展示について
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開催概要
開催場所 |
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開催期間 | 2024年12月25日~ | 参加費 | 無料 |
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補足事項
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