令和6年度 1級建築士 設計製図試験 課題
課題名
大学
要求図書
- 1階平面図・配置図(縮尺1/200)
- 各階平面図(縮尺1/200)
※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定する。 - 断面図(縮尺1/200)
- 面積表
- 計画の要点等
建築物の計画に当たっての留意事項
- 敷地の周辺環境に配慮して計画する。
- バリアフリー、省エネルギー、二酸化炭素排出量削減、セキュリティ等に配慮して計画する。
- 各要求室を適切にゾーニングし、明快な動線計画とする。
- 大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする。
- 建築物全体が、構造耐力上、安全であるとともに、経済性に配慮して計画する。
- 構造種別に応じて架構形式及びスパン割りを適切に計画するとともに、適切な断面寸法の部材を計画する。
- 空気調和設備、給排水衛生設備、電気設備、昇降機設備等を適切に計画する。
注意事項
「試験問題」及び上記の「建築物の計画に当たっての留意事項」を十分に理解したうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
なお、建築基準法等の関係法令や要求図書、主要な要求室等の計画等の設計与条件に対して解答内容が不適合又は不十分な場合には、「設計条件・要求図面等に対する重大な不適合」等と判断されます。
令和6年度 設計製図試験『大学』課題分析
当年度課題の出題背景
令和6年度の1級建築士の設計製図試験で「大学」が出題された背景には令和4年に大学教育のニーズの多様化等の明確化の観点から大学の設置基準等の改正が行われたことなどが考えられます。
1.設計の多様性と複雑性の反映
大学は多様な機能を持つ建物であり、教室、研究室、図書館、学生寮、スポーツ施設など、多岐にわたる施設が求められます。このような多様性と複雑性を持つ課題を通じて、受験生には総合的な施設設計が求められると考えられます。
2.現代のニーズとトレンドへの対応
近年、大学の設計においては、環境に配慮した設計や、学生の多様な学習スタイルに対応する柔軟なスペースの提供が重要視されています。また、高齢者や障がい者を含む全ての人が利用しやすいバリアフリー設計も必要となり、現代のニーズとトレンドに対応した設計能力を確認するための課題設定と考えられます。
3.公共建築の重要性
大学は公共性の高い建築物であり、その設計には高い社会的責任が伴います。受験生が公共建築に求められる機能を理解し、適切に設計できるかどうかを評価する意図があると考えられます。
4.教育と研究の拠点としての重要性
大学は次世代の教育と研究の拠点として重要な役割を果たしています。そのため、適切な教育環境や研究環境を提供するための計画が求められます。計画の社会的貢献度も評価されると考えられます。
課題名から見る、出題のポイント
多種多様な形態が考えられるため、学習要素が絞れない課題⽤途
「大学」という用途について、1級建築士設計製図の試験課題では初出題となります。
さらに『用途の使われ方をイメージするためのサブタイトルがない』という点は、近年の傾向ですが、この点においても【ヒント(学習の手掛かり)が少ない】出題形式と言えます。
今回も要求図面が「各階平面図 ※各階平面図については試験問題中に示す設計条件等において指定する」という発表内容でした。「構成が絞れない」「階数がわからない」ことから、さまざまなパターンの学習が必要となります。
また、「大学」という用途から建築関連法規以外にも、大学の設置基準等、関連基準にも対応した計画や必要諸室等の学習が必要になります。
さらに「留意事項」にもある通り「大地震等の自然災害が発生した際に、建築物の機能が維持できる構造計画とする。」という要求からは、能登半島地震等の近年の大地震を踏まえ、災害への十分な備えを有した計画とする必要があることが読み取れます。
過去本試験に関連性のある出題例
- 図書館 R4 図書館、H24 地域図書館
- 研修施設 H25 ⼤学のセミナーハウス
- 基礎免振構造 H27 市街地に建つデイサービス付き⾼齢者向け集合住宅
- スポーツ施設 H30 健康づくりのためのスポーツ施設
※類似課題ではありません
令和6年度 1級建築士 設計製図試験対策
【最短合格をめざす】令和6年度 1級建築士 設計製図コース
8/3(土)・8/4(日)・8/7(水)開講
本コースは実績No.1スクールのベーシック製図対策コース。
学科試験後からのスタートで当年度課題を集中的に対策し合格を勝ち取ります。
作図プロセスの指導と講師の巡回指導をセットで行いプランニング力と作図力を確実に養成します。
【7/31より開催】令和6年度 1級建築士 設計製図 課題攻略ガイダンス
本年度の設計製図試験のポイントを解説!!
本ガイダンスは、7/26に試験実施機関から発表された「令和6年度 1級建築士設計製図試験の課題」を当学院が分析し、課題攻略のポイントを詳しくお伝えするガイダンスです。
近年の出題傾向や本年度課題の特徴などを徹底分析し、「合格に直結」する本年度試験のポイントをお伝えします!