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1級土木施工管理技術検定第一次検定は、土木施工管理に必要な工学基礎知識を確認する目的で、令和6年度から新たに土質工学、構造力学、水理学の分野が追加されました。これにより問題数および解答数が前年度から5問増加し、全101問中70問を解答する形式(選択問題30問、必須問題40問)に変更になりました。(すべて四肢択一式)

 

問題Aでは、令和6年度から工学基礎知識(必須問題)が出題されました。大学等で履修する内容ですが、出題範囲は広く、土木施工管理技士の試験では過去に出題されたことのない範囲だったため、大半の受検生には難解な問題だったことがうかがえます。また、土木一般と専門土木では、土木工事の施工に関する原理原則の理解が求められ、単なる暗記では正誤を判断できない内容も多く、実務経験が少ない受検生には難しく感じられたと考えられます。

 

一方、問題Bに関しては、共通工学・施工管理法、施工管理法(応用能力)とも、過去問を学習していれば対応できる問題が多く出題され、しっかりと対策を講じていた受検生には得点しやすい内容でした。しかし、施工管理法(応用能力)は「15問中9問以上(60%以上)の得点」が合格基準になっているため、細心の注意を払う必要がありました。

【工学基礎知識】問題A No.1~No.5/全問解答

土質工学、構造力学、水理学から計5問が出題されました。No.1(湿潤密度、飽和度)とNo.2(粒径加積曲線、三角座標による土質分類)は、土工に関連する内容のため、解答の糸口を見つけることは可能だったと考えられます。一方、No.3(最大曲げモーメント)、No.4(断面一次モーメント、図心)、No.5(流速、流量)に関しては、物理的な原理に対して十分な理解が必要であり、難度の高い問題でした。

【土木一般】 問題A No.6~No.20/15問中12問解答

土工、コンクリート、基礎工から計15問が出題されました。過去に出題されていた内容が多く、比較的解きやすい印象でした。しかし、中には初出題の用語や、原理原則の理解が必要な内容などが含まれる問題もあったため、一肢ずつ丁寧に問題を読み込んだ上で、どの問題を選択し解答するか、判断する注意力が必要でした。

【専門土木】問題A No.21~No.54/34問中10問解答

各種工事から計34問が出題されました。土木工事の中でも専門分野に関する内容のため、一筋縄ではいかない範囲ですが、過去問等でポイントをおさえた学習を行うなど、適切な対策を講じていれば十分対応は可能でした。また、34問から10問を選択する形式で選択の幅が広いことから、自分が正解できる問題を的確に見極めることも重要でした。

【法規】 問題A No.55~No.66/12問中8問解答

土木工事に関連する法規から計12問が出題されました。近年は特に過去問の出題割合が高く、その傾向が今年度も継続されていたため、しっかりと事前の対策を行っておくことでこの範囲は確実に得点できたと考えられます。

【共通工学・施工管理法】問題B No.1~No.20/全問解答

施工管理に関する基本事項や頻出事項が出題され、それぞれの出題範囲をしっかり学習していれば十分に得点可能でした。初出題の内容や10年以上前の過去問からの出題も散見されましたが、落ち着いて内容を確認し、選択肢を絞り込むことで答えを導き出すことができたと考えられます。

【施工管理法「応用能力」】問題B No.21~No.35/全問解答

正誤判断を迷う難しい内容もありましたが、基本事項や過去問が比較的多く出題されたため、記述の正誤を的確に判断していけば解答できたと考えられます。ただし、合格するためには15問中9問以上の正解が必要なため、取りこぼしは許されない範囲です。問題文の読み間違え等のケアレスミスにも注意し、細心の注意を払って解答する必要がありました。