令和7年度 構造設計1級建築士講習 修了考査 総評
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総評
令和7年度 修了考査の特徴
法適合確認では、 選択理由記述式4肢択一での初出題率は正答肢で6割となり、例年の出題範囲とは異なる4月1日までの法改正内容も出題されました。今年改訂された「2025年版 建築物の構造関係技術基準解説書(黄色本)」で記載箇所を確認できるよう十分に読み込んでおく必要があり、理由記述も練習を積んでおかないと、対応が難しかったと考えられます。記述式では、5割が初出題となり、過去出題内容は確実に正解出来ることが絶対条件で、それに加え、「増分解析」「一貫構造計算プログラム」など近年の傾向を的確にとらえた対策が必須であったといえます。構造設計では、選択理由記述式4肢択一での初出題率は正答肢で3割でしたが、記述式では2/3が初出題となり、過去問内容を取りこぼさず、初出題にも丁寧に対応することが求められたといえます。
(初出題率は学院分析による)
法適合確認について
出題傾向
選択理由記述式4肢択一の出題項目
出題項目は、構造設計のあるべき姿、構造関係規定の適用、地震力、荷重及び外力、鉄骨造の耐震計算、鉄筋コンクリート造建築物の保有水平耐力計算、木質構造、耐風設計、保有水平耐力計算、一貫構造計算プログラムで、例年同様の出題となりました。青本・黄色本と建築士法、建築基準法の構造規定からの出題となりました。
4月施行法改正に関する問題
選択理由記述式4肢択一のNo.7で、令和7(2025)年 4月施行の建築基準法の改正について、「壁量基準」の見直しと学校の木造の校舎の基準の2選択肢が出題されました。
増分解析に関する問題
問題1の鉄筋コンクリート造建築物の荷重増分解析による保有水平耐力の確認では、柱のせん断力やせん断耐力についての過去問の発展形問題や、最も耐力低下が危惧される柱と対策といった初出題があり、応用力が問われました。
一貫構造計算プログラムに関する問題
問題2のNo.1は、一貫構造計算プログラムを用いた屋根面ブレースのある鉄骨造建築物のモデル化と断面検討に関する設問で、RC造スラブ屋根と折板屋根についての初出題となり、断面検討が不足している部材とどのような応力に対して検討を追加するかが問われました。
木造についての初出題
問題2のNo.2は、木造トラスの鉛直荷重に対する合掌尻の長期許容耐力に関する初出題問題でしたが、問題に示される計算手順に従い、正しく計算を進めれば、正解できる比較的容易な問題でした。
出題傾向からの対策
法規定を中心に、 青本と黄色本で確実に根拠確認 できるようにトレーニングすること、青本掲載のものを中心に 構造計算適合性判定での指摘事例を十分に理解し、確認しておくこと、問題文を丁寧に読み解いて解答する問題演習を近年の傾向を反映した内容で、かつ十分な問題量で行っておくことが必要です。
構造設計について
出題傾向
選択理由記述式4肢択一の出題項目
出題項目は、構造力学として、プレストレスが導入されたケーブルのある点に力を作用させた場合のケーブルの軸力が10年振りに出題され、その他は、鉄筋コンクリート構造の材料、構造計画・構造解析、耐震設計、鉄骨構造、鉄筋コンクリート造、木質構造、免震・制振構造、地盤・基礎、耐震診断・耐震補強と、例年同様の出題項目でした。
新規出題など
問題1では、柱頭に水平力を受けるトラス梁を有する単層門形鉄骨架構について、No.2の終局状態に至る過程での、トラス部材の座屈や引張降伏、トラス梁の耐力、架構の荷重、終局耐力といった初出題のほかにも、No.3のトラス梁の節点の接合部の納まりスケッチが初めて出題されました。 問題2No.1の鉄筋コンクリート造柱梁接合部の短期荷重時設計用せん断力についての数式の穴埋め問題は初出題であり、No.2の梁端に曲げ降伏後のせん断破壊が生じた梁のひび割れの図示は発展的内容でした。問題3No.2杭頭に水平力が作用するSC杭の曲げモーメントは、平成23年の過去問の発展形問題でした。
出題傾向からの対策
過去問は確実に正解出来るようにしておく必要があります。初めて見る問題であったとしても、丁寧に問題を読み取り、計算を進められるよう、問題文の条件を正確に読み取り、構造設計における構造設計者としての正しい判断を行い、量の多い計算を関数電卓でミスなく進めるトレーニングを十分に行っておく必要があります。