試験分析
令和6年度1級建築施工管理 技術検定 第一次検定【総評】
令和6年度の第一次検定における各出題項目の出題数・解答形式は、下記表の通りで、全72問から60問を解答する形式(必須問題:31問・選択問題:29問)で出題されました。
- 建築学一般は令和5年度まで選択問題として15問(12問を選択解答)出題されていましたが、令和6年度はそのうち6問が必須問題(6問全て解答する)として出題されました。
- 施工法の躯体工事に関する出題は令和5年度の10問中7問解答から10問中8問解答へ、仕上げ工事に関する出題は9問中7問解答から10問中7問を解答する出題構成になりました。
- 施工管理法(応用能力)は「五肢択二式」から「五肢択一式」に解答形式が変更されたとともに、令和5年度までの6問出題から、令和6年度は10問出題に変更されました(応用能力問題以外の施工管理法が15問から10問に減少)。出題内容は、躯体工事と仕上げ工事に関する問題が各3問出題され、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理が各1問出題されました。
- 過去問の出題は、令和5年度とほぼ同程度でしたが、施工管理法(応用能力)では令和5年度より増加しました。
建築学等
No.1~No.40(解答数:32問/40問)【建築学一般・施工共通・施工法】
■ 建築学一般において、No.1~No.6が必須問題として出題
No.2は、環境工学(熱貫流)に関する基本的な問題でしたが、計算問題として初めて出題され、解答に戸惑われた方も多かったと考えられます。
No.40は、改修工事(Uカットシール材充填工法)に関する出題でしたが、過去に類似した正しい選択肢の出題が複数回あり、勘違いされた方も多かったと考えられます。
施工法(躯体工事及び仕上げ工事)は、施工管理法でも同様の出題があり得点源として非常に重要な範囲になります。また、令和6年度以降も建築学一般において、必須問題の出題が予想されるため、施工の知識だけではなく、建築学の基本的な知識も習得することも重要になると考えられます。
施工管理法
No.41~No.60(解答数:20問/20問)【施工管理法】
■ 四肢一択問題は、10問(令和5年度 15問)出題
四肢択一問題は、10問出題され、施工計画・工程管理・品質管理・安全管理からの出題となりましたが、その多くが過去に出題のあった内容でした。
■ 五肢択一問題(応用能力を問う出題)は、10問(令和5年度 6問)出題
五肢択一問題は、四肢択一問題に比べ難度が高い問題ですが、合格基準としてこの範囲の問題に対して60%以上の得点(10問中6問以上)が設定されているので、非常に重要な範囲になります。令和5年度は、躯体工事及び仕上げ工事に関する施工法からの出題のみでしたが、令和6年度は、施工計画、工程管理、品質管理、安全管理に関する内容も各1問出題されました。
No.56は内装工事(ボード張り)に関する出題でしたが、5選択肢全てが数値を問う出題で、正しい数値を正確に覚えていないと解答できない問題でした。さらに正答肢に関しては10年以上前に出題された過去問の内容でした
五肢択一問題で得点をするには、四肢択一問題以上に一肢一肢正しく判断する力が求められます。また、躯体工事・仕上げ工事に関する出題は特に数値を問うものが多いため、過去に出題のあった数値を正しく覚えておくとともに、過去出題の周辺事項についても学習していく必要があります。
法規
No.61~No.72(解答数:8問/12問)【法規】
■ 建設業法では近年の改正内容を問う問題が出題された
法規については、例年どおり、建築基準法3問、建設業法3問、労働基準法1問、労働安全衛生法2問、その他の法規3問が出題されました。
建設業法に関する出題では、近年の改正内容(令和5年1月1日施行)でもある「専任の技術者の配置」の内容を問う問題がありました。
法改正や基準書の改正内容は、直近の本試験で出題されることも考えられるので、改正情報等はこまめに入手し対策学習をしていく必要があります。