国際連合本部(ニューヨーク〜アメリカ)
コルビュジェ×ニーマイヤー。巨匠たちが生み出すモダニズム建築
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ニコール・キッドマン&ショーン・ペン主演の『ザ・インタープリター』は、一国の大統領暗殺計画を偶然耳にしたことから命を狙われる女性通訳と、彼女に疑いを抱きながらもその身を守る捜査官の姿を描いたポリティカル・サスペンスです。監督のシドニー・ポラックが、アナン事務総長(当時)に掛け合い、初めて国連本部での撮影が許可された作品だけあって、誰もいない夜の総会議場や通訳室、要人の部屋など、普段見られない数々の場所が作品にリアルな表情を与えています。
安全保障と経済・社会の発展を目的に、第二次大戦後の1945年に発足した国際連合(国連)。その本部はニューヨークの1番街、イーストリバー沿いにあります。アメリカ人建築家ウォレス・ハリソン率いる11人の建築家が関わった国連本部は、ドームを冠した総会議場ビル、川に面した長方形の理事会議場ビル、39階建ての事務局ビル、ダグ・ハマーショルド図書館の4つのビルから構成されており、流れるような流線型の総会議場ビルとシャープなガラスの事務局ビルによる対比は、ル・コルビュジェとオスカー・ニーマイヤーというぜいたくなタッグが生み出した、ニューヨークを代表するモダニズム建築です。
193の加盟国の代表団および関係者約1,800名以上を収容できる総会議場は国連の中心機関。ニコール・キッドマン扮(ふん)するシルヴィアが働く通訳ブースは、国連紋章が掲げられた議場を見下ろすように配置されています。会議では通訳たちが常時英語・フランス語・ロシア語・中国語・スペイン語・アラビア語による同時通訳を行っており、見学ツアーではこの総会場を間近で見ることができます。アメリカでありながら加盟国の国際領土である国連本部。訪れたら地下にある国連郵便局から手紙を送ってみてはいかがでしょうか。
過去を失った国連通訳 妻を失ったシークレット・サービス
「哀しみは、これで終わりにしたかった」
国連を舞台に、大統領暗殺計画をめぐって何者かに命を狙われることになった国連通訳の女性と、彼女に疑いの目を向けながらもその身を守るために行動する捜査官の姿をスリリングに描くポリティカル・サスペンス。主演は『めぐりあう時間たち』でアカデミー賞主演女優賞に輝いたニコール・キッドマンと、『ミスティック・リバー』でアカデミー賞主演男優賞を受賞したショーン・ペン。監督は『愛と哀しみの果て』でアカデミー賞監督賞を受賞しているシドニー・ポラックが務めるなど、最強の布陣で製作。国連内部でロケを敢行し、細部までリアリティにこだわった作りとなっている。
■Storyアフリカのマトボ共和国では、独裁的な大統領ズワーニが国を治める中、民主化を目指す多くの活動家の命が無残に奪われていた。マトボに生まれたシルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は、現地のクー語の通訳として5年前からニューヨークの国連本部で働いていた。ある日、シルヴィアはズワーニ暗殺計画にまつわる会話を偶然耳にしてしまう。すぐさま当局に通報したシルヴィアだったが、それ以来、彼女の身辺では不穏な動きが付きまとうようになる。彼女を守るため、トビン・ケラー(ショーン・ペン)や女性捜査官ウッズらシークレット・サービスのメンバーが送り込まれたが、ケラーはシルヴィアが何かを隠しているような直感を抱き、彼女への疑念を強めていく。