令和元年度 二級建築士設計製図試験 合格速報

令和元年度 2級建築士設計製図試験 合格実績

令和元年12月5日(木)に、令和元年度 2級建築士 設計製図試験の合格発表がありました。概要は下記の通りです。

実受験者数 10,884人 ※うち、製図から 3,326人
(前年 10,920人、対前年 36人減)
合格者数 5,037人 (前年 5,997人、対前年 960人減)
合格率 46.3%(前年 54.9%)
採点結果の区分 ○採点結果については、ランクI、II、III、IVの4段階区分とする。
○採点結果における「ランクI」を合格とする。

ランクI(46.3%):「知識及び技能」※を有するもの
ランクII(12.5%):「知識及び技能」が不足しているもの
ランクIII(30.1%):「知識及び技能」が著しく不足しているもの
ランクIV(11.1%):設計条件・要求図書に対する重大な不適合に該当するもの

  • ※「知識及び技能」とは、二級建築士として備えるべき「建築物の設計に必要な基本的かつ総括的な知識及び技能」をいう。

● 採点結果の区分割合の推移

  課題 ランクI ランクII ランクIII ランクIV
令和元年 木造 46.3% 12.5% 30.1% 11.1%
平成30年 RC 54.9% 14.5% 24.2% 6.4%
平成29年 木造 53.2% 15.1% 25.4% 6.3%
平成28年 木造 53.1% 16.3% 18.1% 12.5%
平成27年 RC 54.0% 14.1% 25.1% 6.8%
平成26年 木造 55.3% 13.5% 23.1% 8.1%

合格発表についての詳しい総評は、本日、第二弾を当ページにて公開します。
[12月5日(木) 10:35 更新]

合格発表をうけて

令和元年9月15日(日)に行われた2級建築士設計製図の試験の合格率は46.3%となり、平成30年度から8.6%低下して、過去10年ではじめて5割に満たない厳しい結果となりました。
学科試験を含む最終合格率は22.2%となりました。

   

採点結果の区分については、ランクI:46.3%、ランクU:12.5%、ランクV:30.1%、ランクIV:11.1%となりました。
「解答の傾向」としては、「未完成」、「設計条件の違反(要求室の欠落、外壁の仕上げ、階段の計画)」、「要求図書の違反(断面図の切断位置)」に該当するものが多かったと発表されており、「知識及び技能」が著しく不足している「ランクV」と設計条件・要求図書に対する重大な不適合に該当する「ランクIV」の合計は41.2%と、4割を超えました。例年2つのランクの割合はあわせて3割程度であり、本年度は約10%も高い割合となっています。

   

これらのことから、令和元年度の2級建築士設計製図試験は、大変難度が高かったと言えます。

<令和元年度試験の評価ポイント>

令和元年度の設計製図試験では、以下のような評価ポイントが想定されます。

【9月9日 試験のポイント】

  1. (1) 敷地状況からの、カフェ・住宅部分へのアプローチ、配置計画への評価
  2. →「喫茶スペースの配置」、「各部分の出入口の位置」等の計画が適切か?
  3. (2) カフェ部分での地域住民の交流(ゾーニングや配置計画)への評価
  4. →「カフェをもつ建築物として、外観及び外構計画に配慮した計画」、「可動間仕切りで仕切った後も他の部分がしっかりと利用できる」等の計画が適切か?
  5. (3) 二世帯住宅の形態への評価
  6. → 「玄関は1 つ、2階・3階に水廻りが別々にある分離型の形式」、「2・3階とも南面させる室」等の計画が適切か?
  7. (4) 建築基準法の要素への評価
  8. →「所定の防火設備を用いて区画する」、「延焼のおそれのある部分(延焼ライン) の処理」が適切か?
  9. (5) 計画の要点等の記述内容に関する評価
  10. →建築士として計画の優位性を示すポイントを的確に記述しているか?

【11月4日(北海道地区)試験のポイント】

  1. (1) 敷地状況からの、カフェ・住宅部分へのアプローチ、配置計画への評価
  2. →「喫茶スペースの配置」、「各部分の出入口の位置」等の計画が適切か?
  3. (2) カフェ部分のイベントスペースの計画
  4. →「喫茶室と一体的に使用できるイベントスペースを計画」、「屋外カフェテラスは、喫茶室及びイベントスペースと一体的に使用できるように配慮」等の計画が適切か?
  5. (3) 二世帯住宅の形態への評価
  6. → 「同居型の形式での計画」、「2・3階共全ての居室を南面させる」等の計画が適切か?
  7. (4) 建築基準法の要素への評価
  8. →「所定の防火設備を用いて区画する」、「延焼のおそれのある部分(延焼ライン) の処理」が適切か?
  9. (5) 計画の要点等の記述内容に関する評価
  10. →建築士として計画の優位性を示すポイントを的確に記述しているか?
  11. (6) 寒冷地仕様の要素への評価
  12. →「外壁等の断熱への配慮」、「カフェ部分及び住宅部分に風除室」等の計画が適切か?

令和元年度は、「地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅」という併用住宅が出題されました。地域住民の交流といった近年の社会情勢を踏まえた要素が出題され、両親の高齢化(車椅子使用の想定)を踏まえるなど、極めて実用的な計画力や提案力が試される試験となりました。
さらに、法規的な側面「防火設備を用いて区画」「延焼ラインの記入」が求められる等、建築実務的な常識が問われる内容も出題されました。合格のためには、「建築士として必要な原理・原則の理解」が必要と考えられます。

→令和元年度 2級建築士設計製図試験の総評はコチラ

→令和元年度 2級建築士設計製図試験(北海道地区)の総評はコチラ

reiwa 年度設計製図試験に向けて

出題の可能性が高いRC造(公共建築系2階建、住宅系3階建)は、ラーメン構造に関する理解度の差が顕著に表れるのが特徴です。ラーメン構造の原理・原則を理解し、的確に表現できるメリハリのある作図力が必要となります。また、合格のためには様々な諸条件に対して解答を導き出す計画力・判断力(=エスキス力)が求められます。計画に用いる時間を確保するためにも、作図スピードを意識して早期から作図練習をはじめることが有効です。

令和元年度試験のポイント

本年度の設計製図試験は、敷地内の「既存樹木」に対応し、適切な計画可能範囲を設定する必要があったことなど、様々な条件に対応する実務レベルの知識と計画力が求められました。また、適切に情報を処理するだけでなく、設計者としての提案力を示す必要もあり、難しい課題であったと言えます。

  • 【本年度試験のポイント】
  • ・敷地の有効活用と既存樹木に関わる特記事項
  • ・多くの屋外施設の要求と無駄のない外構計画
  • ・コーナーで区分された事務所部分の室内計画
  • ・所要室の設置階適宜。主要室の面積指定なし

合格者の属性について

「受験資格別」-「学歴のみ」が過去最高の77.0%
「年齢別」-「24才以下」が過去最高の59.4%

「受験資格別」における「学歴のみ」の割合は過去最高となった平成30年からさらに2.2%上昇し77.0%となりました。「年齢別」では「24才以下」が5.7%上昇し、約6割を占めました。
大学等で学び受験資格を得た方がすぐに2級建築士を取得することが、近年の主流になっており、本年度の結果はこうした状況を色濃く反映したものと考えられます。

「男女別」-女性の割合が過去最高の37.0%

「男女別」において、女性の割合が平成30年度から1.8%上昇し37.0%となりました。
建設業界では、女性の入職・育成・定着の推進が重点課題となっており、働き方改革の推進や、魅力ある職場環境の整備など、中長期的に人材確保・育成を進める動きが国や業界団体、企業単位の取り組みとして行われています。2級建築士の合格者における女性の割合の増加は、こうした取り組みも要因の一つと推察されます。

来年度合格に向けて

令和2年度は、建築士法改正後、初の試験となります。
これまで受験資格に係わる実務経験と認められず、受験できなかった建築行政や建築教育なども実務経験の対象範囲となるため、受験資格の緩和で受験者数が増えることが見込まれます。
こうした状況からも、来年度2級建築士設計製図試験の合格をめざす方は、より早期から、今の試験に正しく対応した内容で対策を進める必要があります。

当学院では、1月から対策を開始する製図対策講座をご用意。 毎回の講義では、ポイントを解説するだけでなく、知識をもとに正しく作図できるようになるレベルまで徹底指導。講師は演習中の受講生一人ひとりの手元を確認しながら、描き方がわからず手が止まった時や、誤った手順を踏んでいる時には、その場でアドバイスを行います。
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